不眠症(睡眠障害)


 一般に使用される日常語で厳密な定義はありません。
しかし、多くは十分に睡眠がとれないために本人が苦痛を感じる状態をいいます。
不眠という場合には、眠れぬために周囲に迷惑がかかる状態も含められます。

 不眠症には種々の型があり、主なものは入眠障害・熟眠障害・早朝覚醒・途中覚醒などです。
不眠は、主観的に睡眠が不十分であると体験することによって訴えられることが多く、必ずしも実際に不十分であるとはかぎりません。
本人は眠っていないといっても、案外結構眠っているものです。

 不眠の原因には、神経質・神経症・精神病・器質性脳障害・全身性疾患・薬物・アルコールなどがあげられます。
中でも、自律神経失調性不眠症のものが多くみられ、不眠を訴えて来院する患者さんは結構多いものです。

 問診しますと、不定愁訴である頭痛・肩こり・背中のこり・胸苦しさなどの症状があると言います。
そして、個人によって不眠を寝付きが悪い・熟睡出来ない・目が覚めやすい・夢をよくみる・夜中に目が覚める・いらいらして眠れない・不安で眠れないなど、いろいろな表現をします。

 治療は前処置として、ホットパックで頚肩部や背部あるいは、下肢などを温めた後、鍼治療をしますと、筋肉のこりや緊張が取れて心身ともに楽になり、治療した夜は良く眠れたと異口同音に患者さんは言います。

 最近は半身浴が身体に良いといわれます。
38〜40度C程度の風呂にゆっくり入って疲れをとること、さらに、不眠の原因と思われる例えば、不安や心配事・寝室の照明を暗くすること、昼間眠くてもがまんして夜眠る習慣を付けることなどを心がけます。

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