医業類似行為について (HS式療法) 

 

(昭和二五年九月一日)

(医収第四六二号)

(岐阜県知事あて厚生省医務局長回答)

照会

 標記の件について左記の者が医業類似行為資格者でないのに国民保健会救生館を開設聴診器を使用患者を診察、薬品を投与し又必要な患者に注射を行い或いは太陽燈、電気治療器を使用して業としたので医師法違反として罰金に処せられたが其の後医業類似行為を業として行っているので、警察において取り調べ目下書類送庁取調中であり医務課より係員が二回出頭行政上の点について申し述べたるも本人は杉田平十郎創設東京目療会本部より保健師の名称を与えられ、又保健法によって行っているので医業類似行為(あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法)と何等関係がないと申し出ているが当部としては、保健法保健師なるものは、何等法的性質のものでない見解をとっているが、いささか疑義があるので貴局の見解を至急願いたく照会致します。

 尚実例としては、昭和二十三年四月八日付医発第一二八号の二貴局通牒と同様と思料せられるが保健法、保健師がどの程度迄将来発展性のものであるか貴意を得るものであることを申し添えます。又他に六名程度同様の者がいます。

 岐阜県稲葉郡鵜沼南町   某

 

回答

 八月十六日付二五医第四九九号で照会のあった標記の件について、左の通り回答する。

 1 保健師なるものは何等法規上認められている身分を示すものではない。従ってあん、摩、、は、り、、き、ゅ、う、、柔道整復等営業法第十九条第一項に該当する者でない限り、勿論医業類似行為をなしうるものではない。
なお、保健師なる名称を用いて保健指導一般を業として行うことは、保健婦助産婦看護婦法第二十九条に違反するものであるから念の為申添える。

 2 HS式療法については、昭和二十三年四月八日付医発第一二八号の二の通牒の通りである。

 なお保健法、保健師については別段の法的措置を考慮していない。