法令適用上の疑義について 

 

(昭和四五年六月二四日)

(医第三七四号)

(厚生省医務局長あて宮城県衛生部長照会)

 次の療法について、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師等に関する法律の適用上疑義が生じたので折返しご教示願います。

 1 カイロプラクチック療法

 この療法は一八九五年米国のダニエル・ダヴィッドパーマーによって創案され、手技により脊椎の不全、脱臼を矯正する方法で脊椎矯正療法ともいわれているが、これを指圧に含めてよいかどうか。

 2 三稜鍼療法

 三稜鍼又は刺絡器を使用し、皮膚の一部に吸角器をあて瀉血する療法は医業類似行為か医行為のいずれか。

 

(昭和四五年七月九日 医発第七九六号)
(宮城県知事あて厚生省医務局長回答)

 昭和四十五年六月二十四日医第三七四号をもって貴県衛生部長から御照会の標記の件について、次のとおり回答する。

 1について

 御照会のカイロプラクチック療法は、脊椎の調整を目的とする点において、あん摩、マッサージ又は指圧と区別され、したがって、あん摩、マッサージ又は指圧に含まれないものと解する。

 2について

 三稜鍼を用いて瀉血を行なうことは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為であって、医行為に相当し、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律に規定するはり業には含まれないものと解する。

 なお、三稜鍼の使用に関する別添(写)の大正十一年三月十七日の大審院判決(抄)を参照されたい。

 別添 略