伊那の勘太

    作詞  納羽(なわ) 汀





(1  木枯(こが)らし吹雪(ふぶき)      木立(こだち)の道(みち)を

    笠(かさ)を斜(なな)めに       急(いそ)ぎ旅(たび)

    峠(とうげ)を越(こえ)えりゃ      伊那(いな)の宿(しゅく)

    おっかあすまねえ    不幸(ふこう)の数(かず)を

    詫(わ)びる両手(りょうて)に      ひと 滴(しずく)

    沈(しず)む夕陽(ゆうひ)に沈(しず)む夕陽(ゆうひ)に  母(はは) の顔(かお)


(2  伊那(いな)の峠(とうげ)は       股旅(またたび)月夜(つきよ)
    行方(ゆくえ)あてない       旅(たび) 鴉(がらす)

    草鞋(わらじ)の紐(ひも)も        二里(にり)持(も)たぬ

    せめて今夜(こんや)は       在所(ざいしょ)の家(いえ)が

    みえる木陰(こかげ)で       仮(かり) の宿(やど)
    草鞋(わらじ)枕(まくら)に草鞋(わらじ)枕(まくら)に    虫(むし) の声(こえ)


(3  夜明(よあけ)ちらちら       粉雪(こなゆき)踏(ふ)んで

    風吹(かぜふ)くままに       西(にし)  東(ひがし)

    縞(しま)の合羽(かあっぱ)に        三度(さんど) 笠(がさ)

    野暮(やぼ)な野郎(やろう)が       から意地(いじ)張(は)って

    詫(わ)びるつもりで      故郷(くに)を踏(ふ)む

    伊那(いな)の勘(かん)太(た)よ伊那(いな)の勘(かん)太(た)よ 何処(どこ)え行(ゆ)く




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