渡し場の宿

    作詞  納羽(なわ) 汀





(1  命(いのち)ささげて    身(み)をこがしても

    添(そ)うに添(そ)えない  恋(こい)だもの

    雨(あめ)の旅(はた)籠(ご)の    湯(ゆ)鏡(かがみ)で

    濡(ぬ)れたうなじに  両(りょう)手(て)を添(そ)えりゃ

    髪(かみ)の乱(みだ)れが    髪(かみ)の乱(みだ)れが

    燃(も)えて切(せつ)ない   渡(わた)し場(ば)の宿(やど)


(2  妻(つま)ある人(ひと)と    知(し)らずに惚(ほ)れて

    二人(ふたり)で暮(くら)す    夢(ゆめ)みてた

    櫓音(ろおと)哀(かな)しい    渡(わた)し舟(ぶね)

    胸(むね)に沁(し)みるわ   切(せつ)なくむせび

    あなた恋(こい)しい   あなた恋(こい)しと

    千鳥(ちどり)鳴(な)く夜(よ)の   渡(わた)し場(ば)の宿(やど)


(3  風(かぜ)よ吹(ふ)け吹(ふ)け   嵐(あらし)のように

    渡(わた)しの舟(ふね)が    来(こ)れぬよに

    別(わか)れりゃ二度(にど)と  逢(あ)えぬから

    さだめに泣(な)いて  未練(みれん)にすがり

    帰(かえ)りたくない   帰(かえ)りたくない

    逢瀬(おうせ)はかない   渡(わた)し場(ば)の宿(やど)




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