パソコン花盛り(第1回)




 悪い癖の衝動買いで、ワープロを手にした時が65歳。梱包を開いて機械を出して見る所までは、確かに簡単に解った。

 ハテサテ、後はどないしたもんだろう。此の侭では宝の持ち腐れだ。買ったお店で教えて貰おうと思ったら、売ってしまえば、ハイそれまでよ。さりとてワープロ講座に通って習うと言うには、年齢的ハンディが邪魔をして余りにも気が重い。

 そこで付録の入門・利用ガイド・機能ガイド・拡張機能ガイドと、分厚い4冊の本を開いて見た。そこにはフロッピー・カーソル・インデント・フォント等々。65歳のおばあちゃんには理解も出来ないカタカナ・横文字の羅列である。

 「さくら、さくら」と伴奏入りの両手でなくても、「サイタ、サイタ、サクラガ、サイタ」と、指1本でキーボードを叩けばいいじゃないの。私の単純な頭脳から、そう言う指令が出た。

 以来、5年間、高度な数学でなく、1年生の算数を解くペースで、4冊の本と格闘。一つ問題が解ければ、画面に答えが出てくる。横の絵が縦に90度回転されて、年賀葉書に印刷出来た時の嬉しさは、正に天にも登れたかの喜び。

 いまやワープロは私にとって、頭と指の柔軟体操をし、ボケ防止を図る大切なオモチャである。思えばもう10年前の事だ。

 ? ワー・プロだ ?  やって見ませんか。世の中のおばあちゃん達。 


下諏訪町 武居ヒロ



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