視覚障害者がIT体験
ーー音声変換ソフト使い楽しむーー
岡谷市身体障害者協会(堀内一光会長)は一日、県下初の視覚障害者向けのIT体験会を長地のニオムネットで開いた。専用ソフトを使って、ホームページやメールの文字を音声に変換。膨大な情報が得られ、交流の輪も広がるインターネットの世界を楽しんだ。
同協会は六月から毎週水曜日、同社の好意で三階のスペースを「身障者ITサロン」として利用。毎回二十人を超える人が参加し「世界が広がった」と好評で、役員会の連絡にもメールを使っている。一方で「視覚障害者だけが蚊帳の外にある」との声もあり、今回の体験会を開いた。
視覚障害者六人が参加。鍼灸師で、十年のパソコン歴を持つ小林文夫さん(下諏訪町立町)が講師をつとめた。参加者はメールの文面などを読み上げる音声ソフトを体験。文面作成はキーボードを使い、点字やかな打ちの要領で行った。
「本が好きで、よく朗読テープを借りている」という女性は、本をスキャナーで取り込めば、同じように音声変換できるとの説明に熱心に聴き入っていた。ほかにも「年賀状など手書きだと大半を書き損じてしまうのでパソコンを活用したい」と意欲的だった。
同協会は十月二十五日(木)の市との懇談会で、音声ソフトの購入費補助などを求める方針。堀内会長は「この動きが県内に広がり、障害者が一般の人と同じ情報を得られるようになれば」と期待している。
岡谷市民新聞社様のご好意により、2001年10月2日の記事より掲載。