衛生管理
日本国内において、日本人として最初に第1号のAIDS(エイズ) ウィルス感染者が発生したのが、1985年でした。
更に、翌86年に松本市で、エイズ患者が発生したとき、その感染経路が不明で不治の病としてみんなに恐れられ、マスコミも大々的に報道されたこともあってか、長野県人が近隣県の旅館に宿泊を申し込むと、断られるかもしくは、車は人の目につかない場所に置くようにといわれたものです。
そして、理容院・美容院で使用される用具あるいは、私ども鍼灸院で用いる鍼からもエイズのウィルスが感染するのではと敬遠され、鍼灸業界でも少なからずダメージを受けたものでした。
しかし、エイズは輸血かまたは、性行為の接触によってのみ感染するということが分かって以来、その疑いも解けましたが、C型肝炎なども、エイズ同様医療関係では、鍼からも感染するからと患者に注意を促していました。
それは、一昔もふた昔も前のこと、確かにその当時は、薄暗い部屋で畳の上に煎餅布団を敷き、鍼灸マッサージをしていた鍼灸治療院もありました。
しかし、当鍼灸院では、開業当時より治療室内は明るく清潔にし、治療用ベッドはもとより、手指洗浄器・紫外線・オートクレーブ(滅菌消毒器) などを設置して、治療に用いる器具等については完全滅菌消毒しており、鍼は総てディスポーザブル(使い捨て) を使用しています。
また、手指は消毒用エタノールアルコール・イソプロピルアルコール・ヒビテンなどで完全消毒するように努めています。
これら、手指や器具などの消毒は、「鍼灸マッサージ関係等法律」によって義務づけられていて、治療室の衛生管理には細心の注意を図っています。
近年は、多くの鍼灸院では、治療室の衛生管理には厳格に対処していますが、開業鍼灸院が総ての条件を満たしているとはいえません。皆さんが、安心して鍼灸治療を受けるためにも、初めて訪れる鍼灸院の先生に、上記の設備の有無を、質問されることも大事なことでしょう