胸腰椎椎体圧迫骨折




 転倒したり、転落したとき、脊椎椎体が圧迫力で押しつぶされて起こる骨折です。下部の胸椎、上部の腰椎に多く発生します。椎体の前の部分がつぶされるので、ひどいときには、骨折した脊椎のうしろの部分が突出することがあります。骨折した脊椎を中心に痛みがあり、骨折した背骨を押すと痛みがあります。前方に曲げる(おじぎをする)と痛みが強くなります。

   患者K.R.さん女性(72歳)

 平成17年6月25日、台所の出先で転倒して、下背部から腰部をしたたか打撲して、自力では動けない状態になりました。何とか部屋まで運んで布団に寝かせましたが、激痛のため全く動かすことも出来ません。脊椎圧迫骨折が疑われるので、入院を勧めますが、本人は鍼治療を希望しますので、一、二時間経って、疼痛が落ち着いたところで、鍼治療をすることにしました。

 もし、脊髄損傷により足がしびれたり、まひがあってはなりませんので、鍼治療をする前に、SLRテストや足背屈テストを行いましたが、もちろん下肢の麻痺も認められませんでしたし、脊髄損傷もなく正常でした。

 主として、右下背部から腰部に疼痛があり、脊椎を圧迫してもそれほど痛みはなく、第三腰椎に軽度の圧痛と叩打が認められる程度でした。

 午前と午後1日2回鍼治療しましたが、症状は一進一退で、トイレットへ行くにも激痛のため思うようには動かせず、本人も大変苦痛を耐えていたようでした。

 三日後、幾らか痛みも和らいだようで、肘を着けば何とか座れるたので、説得して入院をさせました。X−線の検査結果は第12胸椎の骨折でした。

 病院においても、安静にして自然治癒を待つしかありませんが、リハビリをすることで股関節・膝関節・足関節などの拘縮や、下肢の筋力低下を防ぐことが出来ます。

 たとえ、家庭で安静にしていたとしても、排便や排尿の始末が出来れば良いですが、抱きかかえたりしてトイレットへ運ぶことは、決して良いとは思えません。

 このような意味から、脊椎圧迫骨折は何人も拝見していますが、患者さんが鍼治療を希望しても、医療機関で治療することが大切であると認識しています。

 治療は主として、膀胱経に鍼とレーザーを10分照射することにしました。肝兪・脾兪・胃兪・三焦兪・腎兪大腸兪小腸兪志室の中から適宜選択しました。

 つぼの部位については、下記の経穴名検索をご参照下さい。

参考文献(時事通信社家庭の医学)

経穴名検索
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