膝関節痛




 膝関節痛は、打撲や捻挫など、物理的外力が加わることにより発生する半月板・靱帯の損傷などの急性疾患の他、いわゆる老化に伴って骨密度の低下(骨粗鬆症に)による発生する慢性変形性膝関節症などがあります。


 膝関節は大腿骨・前脛骨・膝蓋骨の3個の骨から構成されており、関節の形状は螺旋形をしています。膝関節は滑液包や関節嚢あるいは、筋肉や皮膚などの軟部組織によって覆われ、十字靱帯や内側側副靱帯及び外側側副靱帯大腿四頭筋・大腿二頭筋・半腱半膜様筋・下腿三頭筋などの諸筋肉によって保持されています。膝関節がスムーズに動くために、滑液包から、常時滑液が分泌されて、関節腔内が潤われています。


 高齢者に発生する変形性膝関節症は、膝の関節軟骨の退行性変化に続いて増殖性変化を生じ、次第に関節の形態変化をきたす疾患です。原因として、関節軟骨の老化現象に加えて、荷重の負担など機械的関与、血行障害・性ホルモンの影響など諸説が考えられています。これは、老化による関節軟骨の退行変性のため発症する一次性関節症と、種々の疾患に続発する二次性関節症に大別されます。


 関節軟骨の変化は、限局性の軟骨表面の粗ぞうから軟骨層脱落に至り、広範囲にみられるようになり、特に大腿骨や脛骨の内顆に強く現れます。露出した軟骨下骨層は密に硬化し、ここに小さな骨嚢腫が形成されます。一方、関節辺縁の骨堤形成や骨棘形成により、骨変形をきたします。さらに、半月板や靱帯にも変性がみられ、滑膜には炎症像が認められます


 変形性関節症は、一次性関節症が圧倒的で、50、60歳代に多く、女性・なかでも肥満ほど多くなります。二次性の原因疾患には関節形態異常・外傷性・炎症性・代謝性疾患のほかに、離断性骨軟骨炎などがあります。


 主症状は疼痛、特に運動痛で、運動制限、関節水腫などもあります。診断は年齢・症状、X線像により決定されます。予後は一般に良好です。保存療法には、鎮痛消炎剤、温熱療法、鍼灸などが用いられます。その他に、大腿四頭筋訓練や生活改善あるいは、装具なども対症療法として用いられます。


 大腿四頭筋が痩せて弱くなりますと、膝関節が不安定になりますので、大腿四頭筋の強化を図る運動をします。仰臥位で膝関節を伸展し、足関節を背屈したり、脚を水平に持ち上げます。または、足首に重りを(500〜1000グラム程度)を付加します。プールの中で歩く運動も、大腿四頭筋強化の一つの方法と言えます。年齢からくる体力の減少は致し方ありませんが、膝関節の衰えは最小限に保ちたい物です。


 代表的なつぼは、足の三里・陽陵泉・梁丘・血海・陰陵泉・委中・膝眼などから圧痛のあるつぼを選択して、3〜5壮をすえて下さい。(くれぐれもすえ過ぎないこと)。


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