仮性近視




 「目は口ほどにものを言い」とかまた、「めは心の窓」とよく言われます。

 仮性近視は目の酷使と、精神的ストレスなどが重なって起こるといわれます。いつも悪い姿勢で、本を目に近づけ過ぎていたり、暗い所で読んだりするのが続くとなりやすく、子供に多い症状です。目のレンズ(水晶体)が厚くなって、焦点の合う位置が近くなりすぎ、元に戻らなくなります。

 こうした状態に、神経的緊張が加わるとリラックスしてものを見ることが出来なくなったりして、痙攣が起こることになります。小学校に入ったころから急速に進行したような場合は、調節筋張症であることが考えられます。

 西洋医学的には、自律神経調整剤・精神安定剤・筋弛緩剤などで治療するようです。しかし、正常な状態に回復することもありますが、治りにくいものは、近視へ移行していってしまうようです。

 東洋医学では、色体表という「陰陽五行」に配列して、証を決定する方法があります。つまり、診断の一つとしてもちいるわけです。

 たとえば、人間の体白・黒・赤・青・黄の五つに分け、治療者は望診にあたって、冷静な目で患者さんを見つめ、その人は何色かを見極めていきます。

 「この人は青」・「この人は黒」といった診断は感覚領域のセンスで行うのであって、決してその患者さんの目が青かったり、皮膚が黒かったりということではありません。

 治療者は目の感性を通して、相手の心身の状況をつかんでいかなくてはなりませんし、その際病人の目の力強さや輝きといったものが重要な要素になります。

 治療は主として鍼(はり)を使用しますが、目の付近の要穴に鍼をして、局所の緊張を和らげます。鼻根と目頭の間の窪みにある晴明(せいめい)・目の下の四白(しはく)・頬骨の上にある客主人(きゃくしゅじん)・合谷(ごうこく)などがよく使われます。

 また、目は感情を司る肝経に支配されていますので、この経絡を調整し、全体的な心身の緊張をほぐす治療もあわせて行います。

 予め目に効くつぼと暗示をかけたわけでもないのに、合谷のつぼに鍼をすると患者さんは目が明るくなったとよくいいます。

 合谷のつぼは、手の親指と人差し指を伸ばしてそろえた時、最も盛り上がったところです。目が疲れたとき、このつぼを反対側の親指でもんで下さい。また、目の上の縁の内側で拍動するところを親指で軽く交互に圧迫するのも目の疲労を回復させる一つの方法です。


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