肩こり




 日本人なら、誰でも肩こりを経験しない者はいないだろうといわれるほど、肩こりは多い症状の一つです。外国人には肩こりは少ないといわれるのに、なぜ日本人は肩こりが多いのでしょう。

 近年、テクノシンドロームということを聞きます。オフィスや家庭で、パソコンを使う頻度が多くなっており、1日中ディスプレイを見ていますと、眼が非常に疲れます。

 数年前、ポケモンを見ていた子供たちが、強烈な画面光線で、引きつりを起こしたという報道がありました。視神経は脳の一部であり、直接繋がっていて、眼精疲労を起こしやすいのです。眼を使用する時に疲労感を生じ、眼痛、頭痛、肩こりなどを起こすのはそのためです。

 肩こりは、頚肩部の筋肉(僧帽筋・板状筋・肩甲挙筋など)の疲労に基づく1症状ですが、眼精疲労だけでなく、肉体労働でも発生しますし、呼吸器・循環器・消化器・婦人科など多くの疾患によっても発生します。ここでは、各疾病の詳細な症状については書かず、どのような疾病が肩こりを起こすかに止めておくことにします。

 主な疾病をあげてみますと、呼吸器では、慢性喘息やこれに付随して発生する気管支拡張症があります。循環器では、弁膜症や高血圧・低血圧など、また消化器では、慢性の胃腸炎・便秘症など、更に、婦人科では、整理中などが肩こりを誘発します。

 慢性的に肩こりがあり、上肢が痛くなったり・痺れを随伴するようであれば、頚椎に異常があることも考えられます。例えば、頚椎の変形や椎間板の減少による椎間孔の狭窄です。また、第1頚椎〜第3頚椎の直側に頑固なこりがあり眩暈様症状を随伴するようなら、椎骨動脈の循環傷害を疑ってみる必要があります。

 代表的なつぼは、天柱・風池・肩井・天宗・膏肓などです。

天柱は、頚椎棘突起を指で押し上げていくと髪の生え際の窪みに指が止まるところから、外へ移動して筋肉が盛り上がった場所です。

風池は、天柱からさらに側頚部に移動した窪みです。

肩井は、肩上部の筋肉が最も盛り上がったところです。

天宗は、肩甲棘中央をやや下に下がった窪みです。

膏肓は、肩胛骨の内縁の中央にとります。


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