めまい(眩暈)
自己ないし外界の、空間における異常知覚をめまいといいます。通常めまいは平衡機能の異常により生じ、特に不快な感情を伴うものをめまいとよぶことが多いようです。すなわちめまいは平衡機能の異常による心理現象(主観)であり、平衡障害は身体現象(客観)といえます。
一般的には、めまいは患者の表現に従い、回転性めまい、浮動性めまいなどに分類されますが、その病変部位により末梢性めまい・中枢性めまい・迷路性めまい・小脳性めまい・大脳性めまいなどに分類されることがあります。
「新医学大辞典」には上記のように書いていますが、具体的には最近ストレス社会で、めまいを訴える人が増えているようです。一口でめまいといっても、天井が回るものから軽いふらつきまでさまざまです。めまいがひどくなると、冷や汗が出たり・顔色が悪くなったりします。これは、めまいに伴い発生する自律神経失調による症状です。
めまいといえば、メニエル病と考える者が一般的ですが、メニエル病は、内耳すなわち三半規管のリンパ液が高くなり過ぎるのが原因といわれています。 睡眠不足や過労・煙草の吸いすぎなどが引き金になるといわれます。繰りかえし激しい回転性のめまいが特徴です。めまい・耳鳴り・難聴は、メニエル病の3代徴候です。
その他にも、脳底動脈不全症候群でめまいを発生することもあります。これは、軽度の場合、頚部のこりや頚椎の以上により、椎骨動脈が圧迫されるためです。僧帽筋や板状筋など、頚椎周囲の筋肉の緊張をほぐすことにより改善します。
鍼灸治療の代表的なつぼは、百会・天柱・風池・完骨・身柱・膈兪・肝兪・外関・陽池・陽陵泉・復溜などですが、この内、百会・天柱・風池・身柱・膈兪・陽池に灸をすえます。特に百会は、ストレスを軽減して、心身を安らかにする働きがあります。