生理痛




 健康な女性でも、多かれ少なかれ生理痛を経験しない者はいないと思います。詳しいことは省きますが、詳細についてお知りになりたい方は専門書を参照して下さい。以下の文中には「医学大事典」から一部引用しています。

 改めて記述するまでもないことですが、生理は子宮内膜から周期的ならびに自発性にみとめられる出血です。通常の生理は、卵胞から分泌されたエストロゲンにより増殖した子宮内膜が、黄体から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンにより分泌期性変化を起こし、やがて両ホルモンの減少により剥脱することによって起こる現象です。

 周期は25〜35日、持続期間は3〜7日間、出血量は50〜250Gが正常の範囲とされています。通常、生理の開始日は少なく、2〜3日目に多くなり、その後は徐々に減少します。月経量の少ない場合を過少生理といい、一方多すぎる場合を過多生理といいます。後者の場合は生理痛を伴うことが多いようです。

 生理痛はほとんど無痛の人から、寝込んでしまう激しい者までいて、個人差によってその症状は大きく異なります。無生理、希発生理、頻発生理、過多生理、過少生理などの他、生理困難症や生理前緊張症も含めて異常生理といっていますが、このような症状にも疼痛を誘発します。

 生理困難症は臨床的に、機能性生理困難症(原発性)と器質性生理困難症(続発性)の二つに分類されます。機能性生理困難症は骨盤内に器質的病変がみとめられない生理困難症をいい、機能性困難症は骨盤内に器質的病変がある場合をいいます。両者の間に症状の差は特にみとめなれないようです。治療としては、生理痛に対する対症療法としての鎮痛剤の投与のほか、続発性には原因疾患の治療が優先するようです。原発性の場合は、原因が不明であることから根治療法が難しく、対症療法が主となります。

 近年若い女性に、子宮内膜症が多くみられるとといいます。以前、子宮内膜症の患者さんを、10年くらい鍼治療をした経験があります。

 Hさん(40歳)女性。当治療院に来院するかなり前から子宮内膜症と診断され、下腹部痛を主として、腰痛・頸や肩こり・頭痛などの不定愁訴があった患者さんです。

 鍼治療はもちろん、IP(イオン・パンピング)やSSPスタービームほっとパックなど、当治療院で出来る範囲でいろいろな方法で治療してみましたが、不定愁訴には一定の効果はありましたが、子宮内膜症は改善はみられませんでした。

 生理痛治療の代表的なつぼは、腎兪・次B・三陰交・関元です。生理開始1〜2前に、これらのつぼに円皮鍼(えんぴしん)を貼付して下さい。つぼは必ず消毒用アルコールで完全に消毒して下さい。つぼの部位は、下記の経穴名検索で調べることが出来ますのでをご参照下さい。

 自分で円皮鍼を使用される場合は、軽度の症状に止め、重症の生理痛は、頸や肩こりあるいは、頭痛などの症状と共に、専門の鍼灸院を受診して下さい。


経穴名検索
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