捻挫症
捻挫とは、関節が外力によって生理的範囲を超える事により、運動が強制された状態を言います。これにより、関節包や靱帯など、関節支持組織に断裂などの損傷を生じることになります。
関節は、2個以上の骨によって連結しており、滑液包や関節嚢、靭帯・腱などによって構成されています。そして、最も外側は皮膚によって覆われています。
足関節は、巨体関節及び足根間関節から成り立っており、足関節に捻挫を発生すると、圧痛と運動時疼痛が共通してみられ、関節血腫も主要な症状として起こってきます。
ここでは、関節の解剖学が主ではありませんので、足関節の構造については詳細には記述していません。詳細については専門書をご参照下さい。
患者 I.H.さん 女性(66歳)
10年前、宴会席で長時間正座していて、少々酒を飲んでさて立ち上がろうとした途端に脚が痺れていることに気づかず、転んだ拍子に左足関節の捻挫を発生する。医療機関で治療を受けて治癒したが、昨年より再発する。
足関節は全体が腫脹しており、ずきずきするような疼痛があると言います。歩行中踵を着く際痛みが増強するとのことである。腫脹しているわりには、熱は軽度であり、可動範囲も正常である。
治療は、主として足関節周囲のつぼに軽度の刺激で行う他、左腰部の腎兪・大腸兪・じりょう・脚三里にも行った。鍼は寸3の1号を使用する。その後、ソフトレーザーを足関節周囲に10分照射する。
腫脹は多少残存するも、疼痛はほぼ消失する。今回は、鍼治療にレーザー治療併用したことが、より効果が得られたように思っています。
つぼの部位については、下記の経穴名検索をご参照下さい。