バードウォッチング
毎年この6月に、諏訪地域の視覚障害者を対象に自然観察が行われています。今日も午前8時半、現地塩嶺峠(小鳥の森)に到着しました。私どもを迎えるかのように、たくさんの小鳥たちがあちこちで囀っています。
今年は数えて6回目で、「日本野鳥会諏訪支部」のご厚意より行われているもので、支部長林先生はじめ、数名の会員のみなさんが私ども視覚障害者に詳しく分かりやすく説明してくれます。
数日前までは、梅雨時の雨で17日はどうなることかと心配していましたが、当日はすっかり雨も止んで、自然観察には最適な好天気に恵まれました。岡谷市・下諏訪町・諏訪市・茅野市の視覚障害者が対象で、今年は参加者がやや少なかったものの、ボランティアを含めて約30名でした。支部長林先生の挨拶と簡単な注意事項があり、ボランティアと視覚障害者がペアを組み、小鳥の森へ出発しました。
頭上の梢で鳴く小鳥たちの声を聴きながら、森の中へと進むにしたがって山の独特な噎せ返るような臭いが漂ってきます。林先生の小鳥の種類や木の実あるいは、大木・小さな虫などの明快な説明に頷いたりまた感心して奥へと歩を進めます。
草むらに入って、木の葉や草花・鶯の巣の中の卵を手で触れたり、また土竜塚の中に手を入れて触って見たり、腐葉土を指で掘って観察する者あり、町中では体験出来ない森ならでは味わえぬ感動を覚え、時折吹く風が何と綺麗で美味しいことか…。大きく深呼吸して胸一杯空気を吸いました。
自然破壊が進む今日、2時間余の自然観察の中で、自然環境をこれ以上破壊してはならず、私たち自らのてで守って行くべきものと思った一時でした。
小鳥バスが、「諏訪探鳥会」として発足したのが昭和29年の5月です。以来今日まで、毎年5月と6月の2ヶ月間早朝諏訪駅を発車岡谷駅を経由して塩嶺峠まで毎週日曜日に運行されています。この探鳥買会は、近年全国各地から参加するほど大変人気があります。