急性閉塞性隅角緑内障
ある日、予告もなく突然眼の奥に激痛を発生する。瞬間とうなったのかと思い、痛みを我慢してじっと耐えていたが、痛みがおさまる気配もなく、段々と激しい痛みと同時に、右半分の頭まで痛くなる。
それでも、今に軽くなるかと寝返りしたり布団の上に起きあがってみても吐き気と悪寒がして、いよいよ「緑内障」か脳出血かと疑う。「緑内障」は激痛が有るとは承知していたが、これほどまでに痛いとは考えてもいなかった。「七転八倒」とはこういうことを言うのであろう。
疼痛が発生したのが2月10日の午前1時30分ころで、救急車を呼ぶには眼科は開いていないだろうし、夜が明けるのを待って、救急車で着の身着のまま共立病院へ運ばれてCTで脳の検査をするも異状はなく、諏訪日赤病院へ搬送される。診察を受けるや即入院して、手術をすることになる。
搬送中に「付き添ってくれる者はいないか」と救急隊員に訊ねられる。車中から諏訪市のヘルパーさんに携帯で日赤病院へ来て欲しい旨の電話を入れる。救急車が到着間もなくヘルパーさんも見える。午後3時ころ、家内から電話で私が入院したと聞いて、義弟夫婦も心配して来てくれる。
眼圧を下げるべく、点滴を開始したが、眼痛は不変であり、この激痛は手術が終わるまで15時間もたえなければならなかった。午後1時ころから、手術の準備に入るための点滴を追加、時々目薬も追加し始める。
午後4時30分手術室へ車椅子で運ばれる。入室してから退室までの時間は50分くらいだと思われるが、手術時間は30分くらいであったろうか?あれほどまでに痛かった激痛も手術して、麻酔も利いているかも知れないが、間もなく激痛は消失する。
朝から全く食事をしておらず、痛みが取れたらお腹が空いてくる。夕食に出された物は全部食べられるほど元気になる。
緑内障には、「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」という大きく2つのタイプがあり、ほとんどの緑内障はこのいずれかに該当するが、私の場合は、「急性閉塞性隅角緑内障」であった。術後2、3日入院して様子を見たいということであったが、手術の翌日診察の結果術後の経過が良かったため、1日入院しただけでその日うちに退院となった。
緑内障を発生したのも初めてであり、救急車で病院へ運ばれたのも今回が初めての体験である。救急車を利用するほどの病気でもないのに、安易に救急車を呼ぶ人が多いと聞くが、救急車が人命を救うのにいかに大切かと思う時、一刻をあらそう急病ならともかく、本当の意味での救急車の役割を考えるべきであろう。