ロボット体験




 我が家では、家内が30年余盲導犬を使用していましたので、歩行にはそれほど不自由していませんでしたが、昨年8月盲導犬が老齢化によりリタイアしてからは、歩行が困難になりました。

 おりもおり、NPO設立を記念し講演会とロボットのデモンストレーションを行います。皆様の参加をお待ち致します。という案内が2月、私が入会しているMLで案内がありました。

 私は歩行ガイドロボットについては、大変興味を持っており、以前から歩行ガイドロボットの開発中であることは知っていましたので、「百聞は一間に如かず」とばかり、早速メールで参加申し込みをしました。

 記念講演会は、平成14年3月10日(日)午前10時〜午後3時半、場所は山梨大学工学部構内とありましたので、9時9分のあずさで甲府へ行きました。甲府駅に10時2分到着。甲府駅北口の誘導チャイムの下に、9時から10時半まで黄色い山梨大学の腕章をつけた案内人を配置しているとのことでしたので安心していましたが、それらしき方もおらず、山梨大学へ直接タクシーで向かいました。

 今までは私は、どこまでも白杖で単独で行っていましたが、最近よく駅のホームでの転落事故を聞くとき、事故を起こしてはならないと思い、今回はガイドヘルパーと一緒に行きましたが、土地勘のない所はやはり心配になります。

 到着してすぐ受付で名札を渡されました。参加者は13名でしたが、遠くは静岡県の伊豆からも参加していました。付き添いも含めて約30名ぐらいでしたでしょうか。

 当日のプログラムは、演者の都合により一部変更になりましたが、以下の通り行われました。

1. 10:00〜12:00 山梨大学構内  歩行ガイドロボットのデモンストレーション。
2. 13:00〜14:00 記念講演会 ロービジョンー−人工視覚の現状 塚原重雄教授 山梨医科大学病院長。
3. 14:00〜15:30 パネル討論会。

 開始前に主催者の方から簡単な説明があり、A群B群に分かれ校庭へ出ました。私は A群に入りました。当日は天気も良く、屋外で歩行ガイドロボットの体験には最高でした。

 ここでも、係員からロボットの操作について詳細な説明がありました。行程はそれほど長い距離ではありませんでしたが、予めロボットに記憶させていた範囲の中で、丁度ショッピングカーを押すような形で、ロボットの後にある棒状のハンドルにつかまって後から付いて行く感じでした。私は、自分が体験して疑問に思った事や感想を係員に話しました。傍で聞いていたロボット開発プロジェクトの一人でもある中国人の女性が、是非Bコースをロボットと歩いてみて感想を聞かせて欲しいということで、両コースを体験させて頂きました。

 午後のパネルディスカッションの中で、パネラーの一人が各駅などにロボットを備えておいて、そこを起点に目的の施設などへ行けるような方式にしたらどうかと述べていましたが、それでは、限られた歩行範囲であり、視覚障害者の歩行を十分満たすことは出来ないのではと、私は意見を述べさせて頂きました。

 NPO設立記念講演会の参加募集の案内文には以下の件について記述してありました。

 NPO法人歩行ガイドロボット研究会は、視聴覚障害者等が利用する歩行ガイドロボット等の開発と普及に関する事業を行い、視聴覚障害者等の自立生活と社会参加の促進 に寄与することを目的に2002年1月に法人格を取得しました。当法人は、具体的に次 の事業を行います。

 1 視聴覚障害者の自立生活、社会参加を促進するための調査研究
 2 視聴覚障害者の移動を補助するロボット等の研究開発及び普及促進
 3 その他視聴覚障害者の生活の利便の向上を図る活動
というものでした。

 現在歩行ガイドロボットは、開発途上にあり詳細な記述は出来ませんが、主催者サイドでは、近い将来には実用化に向けて、改良を加えて行きたいと話していて、プロジェクトスタッフの熱意のほどが感じられました。




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