年の瀬
「歳月は人を待たず」というが、1年の経つのがなんと早いことか!!歳を重ねるごとにそう感じるのは私一人だけであろうか!!今年も年の瀬を迎えた。子供のころには正月が来るのが楽しみであったが、それすら感じなくなっている。
毎年我が家の御用納めは、12月28日である。今年も同様この日で治療は終わりにした。1年の仕事が終わると気分的にほっとして、肩の重みが取れて、全身の筋肉までが緩んだ感じである。患者さんを治療するということはこんなにも緊張しているんだなアと改めて気付かされる。
いつも、窓硝子などは暖かい内に拭き掃除をしておけばいいのにと思いながら、毎年この時季にならないと腰が上がらないのは常である。昨日予定通り窓硝子を拭こうと始めたが、折りもおり、朝から今年冬の初雪の日になってしまった。毎年のことながら、またもや後悔する。
毎朝氷点下の寒さが続く中、雪が降った日はなおさら寒さが強くなる。窓硝子を拭いているうちに、指先が冷たくなり痺れて感覚が鈍くなる。結局昨日は、1階の窓硝子を拭いただけで終わりにした。それも、大雑把である。私にしては珍しいことである。
自慢にもならないが、以前の私は、布団を敷くにも畳の目数を数えて、きちんと敷いたものである。また、オーディオを設置する時も、アンプやスピーカーなどはメジャーで測って位置を決めなければ気がすまないほど徹底していた。そして、音楽を聴く際は、左右のスピーカーの正3角形を頂点で聴かなければ聴いた気がしないほどであった。
「転ばぬ先の杖」と言われるように、私は慎重過ぎるほど慎重であったと思う。それは子供のころからの信念でもあったと思う。よく家内をはじめ、知人や友人にも「几帳面過ぎる」と言われたことは事実である。
ところがどうした心境の変化か!!近頃は、何事においても大雑把である。「結婚した当初の几帳面さはどうしたの…」と家内は言う。それほどいい加減な自分に嫌気さえ感じるこの頃の私である。
今日30日は、昨日とはうって変わって晴れて、残りの部分の2階の窓硝子を拭くには絶好の好天気である。昨日の雪が溶けて庇に落ちる音が「雨垂れの音楽」にも似て心地よく、そして、オーディオでは、ベートーヴェンの交響曲5番「運命を聴きながら、仕事はスムーズに運んで行く。
最後に蛍光灯や、各部屋の掃除に取りかかるが、診療室の掃除が大変である。電動ベッドや各治療器機を移動して、壁から床まで拭き掃除をして、お供え物を飾って我が家の大晦日を迎えるのである。