“から揚げ弁当”と言えば・・・。息子が幼稚園に入園したての頃。
私は、ちっちゃなお弁当箱に、可愛い細工を凝らし、彩りを考慮し、めいっぱいの工夫をして、
母親冥利を感じていたものでした。空っぽになったお弁当箱を洗うのは、本当に嬉しいものでした。
そして、入園してからひと月くらい経ったある日、
息子が“今日はお休み”と言って、登園の準備をしないのです。
宥め賺して園まで連れて行き、担当の先生に事情を話しひとまず帰宅しました。
帰宅したものの、
息子は、友達が出来なくて、一人で遊んでいるのではないか・・・
いじめ?にあって、登園拒否をしているのではないか・・・
良からぬことばかりが頭をよぎり、不安な半日を過ごしたのでした。
いよいよ、お迎えです。
園長先生からお話をお聞き・・・・・し、驚くやら、情けないやらで言葉が出ませんでした。
なんと息子は、お弁当が食べられず、登園が嫌いになってしまったと言うのです。
園長先生の方針は、たとえ野菜のひとかけらでさえ、感謝して残さず食べる。
食べ終わるまで、午後の予定は無しという、厳しいものでした。
確かに、お迎えの時間になっても、ひとり机に向かってお弁当を食べている園児を見かけたことがありました。
まさか、自分の息子もそうだったとは。可哀想に。。。。。。
遠くで、積み木の崩れる音が聞こえたようでした。
若い母親の、身勝手な、押し付けの愛情が招いた、最初の失敗でした。
そして、園長先生から提案されたのが、1学期は息子が食べられる唐揚げだけの弁当にしましょう、ということ。
来る日も来る日も、唐揚げを作ってはお弁当に詰めておりました。
そんな好き嫌いの激しい兵と、現在も闘っておりますが、敵も然る者、嫌いなものはしっかり残してまいります。
これからも、この闘いは終わらないのでしょうネ。
そして、母親からお嫁さんへバトンタッチした頃、解決するのかな。きっと。
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