読書記録
新潮社
書籍名 4TEEN
著者名 石田衣良/著
出版年月 2003年5月
030814 読終了
14歳の子供たちの行動を具体的にちょっぴりセンチメンタルに生き生きと書いていると思う。僕と同じ歳の方がよくこのような内容を書くなと感心した。今の 14歳って本当にこうなんだろうか。当然小説だからたぶんに非現実な所もあるのかもしれないが、最後まで読み終わると、「本当かな。」というのが一番印象 に残ってしまった。文体はたんたんと事実が書かれていてとっても楽しく読めたが、14歳男の子を持つ父親としてはもし家の子がこうだったらどうしようとい う一面も感じた。ちょっと非現実だけど冒頭の「びっくりプレゼント」が一番おもしろかった。
◎デジタル版知的生産の技術 竹内元一 ソフトバンク
◎アイディアマラソン発想法 樋口健夫 東洋経済新報社
◎はりがねむし030815
僕はこの作品は好きではない。暴力シーンが嫌いだ。選評を読むと賛否が分かれていた。村上龍のがいい。
◎030827 齋藤孝の実践 日本語ドリル 宝島社
基礎構文力 要約力 言葉の時間感覚 図化、文章化の往復運動 モードチェンジ力に力を入れていけば、日本語力がつくと言うことだ。実際の演習を交えて 行えるので自分の実力が分かり、勉強になった。特に図化することや話し手によってモードを変えるモードチェンジ力は新鮮みがあり、仕事で使うことができる と思った。
頭の中を整理して話すこと、書くことも重要であり、そのために図を使うことが一番有効であるとも思った。
◎030827 国語のできる子どもを育てる 工藤順一 講談社現代新書
第一章 書くこと
第2章 読むこと
第3章 読解力とは何か
三色ボールペン情報活用術
斎藤孝 角川書店 031129
三つの色で脳にフィルターをつくる
・整理して活用ではなく「整理=活用」に
・自分をくぐらせ「引っかかる」感覚を技化する
・キーワード方式で高速資料チェックをマスター
・資料をレジュメ化して構造的に理解する
・時間は三色に切り分け、ひとコマ九十分でめりはりをつける
・異種配合で情報からアイディアを生む
感想
この本を読んで人間の四角に訴えるために三色ボールペンは有効であることが分かった。特に自分をくぐらせてのチェックが緑色になる。自分を通すということ が重要である。人からの受け売りではなく、自分の考えをしっかり持つことが必要だ。
コ ラ ム 040130 Nunberを読んで
出張の車中で久しぶりにNunberというスポーツ紙を読みました。この雑誌は、選手の内面まで綴られているので、読み応えがあり僕は好きな雑誌です。 あの五体不満足の乙武さんもライターをしています。今回の特集は、『不器用で悪いか』です。この特集が気に入り読むことにしました。もちろん暇だったとい うこともありますが。
不器用に名を連ねている選手は、高見盛、川口能活、清原和博、秋田豊、廣道純(車いすレースのパイオニア)、オリバーカーン、吉田義人(ラグビー選 手)、野村克也、坂本博之(ポロボクサー)
どの選手もとっても有名な選手です。この人たちがいかに不器用なのか紹介されています。特集の巻頭言に、こんなことが書かれています。
人間には器用な人と不器用な人がいる。技を発揮する職業やスポーツでは器用・不器用は顕著に現れる。しかし、職人の世界では器用の評価が違うそうだ。法 隆寺の棟梁だった故西岡常一氏はこう話をしています。「初めての人に穴一つ穿たせても、ぴかっと光るような人と、ぎじゃぎじゃの穴しか彫れない人がいま す。器用な人は初めはきれいにやります。しかし、大成するのは不器用な人でんな。中略 器用な人は本当のことをつかまんうちに進んでしまうこともあるわ けです。不器用な人は、進むのは遅いですが、とことんやらなかったら気がすまん。得心が行くまでやるという人が多いんです。こういう人が大器晩成です。職 人は鈍感で誠実な方がよろしいですな。」また、西岡常一氏の弟子で宮大工を育成している斑鳩舎主宰の小川三夫氏は弟子を取るにあたって『器用な人はとらな い』と言っていました。器用な人は10年間地道な仕事を続けることができないと言うのです。ここまで読んでなるほどと思いました。不器用な人には一心に取 り組むことができるんだ。それが武器になると。
本文の最後で、「社会が何よりも効率を求め、速成をよしとする時代では不器用は生きにくいものだ。しかし、上に行くには『不器用の一心」が欠かせぬ要素 だと再確認する時代は不器用を排除しない。」とも書かれています。
学校教育においても我々は、子どもたちをどのように見ているのだろうと思いました。特に不器用な子をどのように見てるだろうかと。学校でも速成をしては いなかと自問自答したくなりました。
上に書かれたスポーツ選手の記事はどれもすばらしいものでした。特に川口は、同じ静岡人として好意的に読むことができました。今はとっても寒いデンマー クで必死に練習を積んでいると思われます。僕は、ずっと目を話さず見ていこうと思いました。
また、高見盛は、小見出しで「気弱なじょっぱり、何を聞きたいですか?見たまんまの奴ですよ。相撲とるのは僕なんだから僕のやりたいようにする。要領の いい方じゃないから。失敗ばかりの人生だったんだ。」と書かれています。ここまでくるのにとっても苦労をしているようです。しかし不器用だからこそここま での人気者になったと思われます。高見盛は右差しが得意でその差し手になれば勝てるそうです。その差し手になれない場合はすぐに負けるそうです。右の差し 手を高見盛は、不器用だからずっと練習していたそうです。器用な人だったらやらない練習を毎日のようにやったそうです。その結果、今の人気が生まれたと 言っても過言ではないでしょう。
野村さんの記事もとっても面白いものでした。
野村さんは本当に不器用だったようです。入団テストで遠投のテストがあったそうですが、遠くに投げることができなくて、すれすれで合格したそうです。プ ロテストに合格してからも、2年目に試合に出られないままクビになりかけたそうです。その時「1軍はおろか、2軍でさえも1試合も通して使ってもらったこ とはない。納得できません。納得したら自分から辞めて帰りますから。」と言ってだだをごねたそうです。最後に球団の人も半ばあきれて残してくれたそうで す。あの野村監督が2年目で辞めさせられる寸前までいったなんで知りませんでした。
野村さんは、バッティングも不器用で苦労したそうです。一生懸命に練習をしても2割5分しか打てなかったということです。だから野村さんは、投手のくせ を盗むいわゆるID野球をしてやっと3割を打てるようになったということです。技能には限界があるが、頭を使うことで今の地位を確立した人です。
野村さんは家庭的には成功しているとは言えないかもしれませんが、選手としての生き方はすばらしいものだと思います。
教育の世界でも不器用な子はたくさんいます。そのような子どもたちの見方を見直す必要があると僕は、思いました。不器用な子は大器晩成なんだ、長い目で 見ていく必要があると。
実は自分も不器用だから本当にいやだなと考えています。でも雑誌の特集を読んで少し慰めになりました。読み終わった時はそう思いました。
でも、もう一度器用不器用のことを考えてみると、不器用と粗雑とはだいぶ違うよな。僕は、不器用でなくて粗雑だなと思いはじめました。不器用な人はけし て粗雑にならずに地道にやっています。だからこそ大成した人が多いのでしょう。僕は、粗雑+不器用救われないな!
まあ1歩1歩やるしかないか!
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