データベースは難しくない

メモをデータベース化しようの時代

 10年ぐらい前には隔週で発行されるアサヒパソコンを必ず買っていた。その雑誌のおかげでだいぶパソコンの知識を得ることができた。特に西田雅昭さんの文が大好きでよく読んだ。「パソコン 直言・苦言・提言」というコラム?を書かれていて、辞書を引きながら読んだものだ。以下に自分がたいへん参考になったものをのせたいと思う。著作権の問題もあるが、自分が影響を受けたことを他の方に読んで欲しいことと、西田雅昭さんを知っていただきたいという気持ちで掲載させていただく。

1991.8.1号 ASAHIパソコン  p102  
データベースは難しくない  西田雅昭著
 前回お約束した、データベースの使い道
について考えてみることにする。
 大型汎用コンピュータというと、何やら難しい計算ばかりしている、とお考えの方もおられるかもしれない。実際、大型コンピュータのほとんどは事務処理に関係するデータ処理に使われている。コンピュータの神髄は、このようなデータ処理であり、広い意味ではデータベースの処理なのである。

アメリカでば当だり前

 アメリカで、「私はプログラマーです」と言うと、「dBASEのプログラムが書けますか」と質問されるそうだ。これで分かるよ
うに、データベース・ソフトの中でdBASEの占めるシエアは非常に大きい。数年前の数字では、データベース・ソフトの85%は
dBASEとなっている。誰もがdBASEを使っているという状況である。
 言うまでもないカ、dBASEとはアシュトン・テイト社のソフトであり、8ビット時代のdBASEUから王見在のdBASEWに至るまで、データベース・ソフトの王者の地位を簡呆してきだ。
 私がdBASEと呼ぶ場合、いわゆる「dBASEファミリー」を意味している。現在dBASEと互換性を持つソフトは私の知っている限りでも10近くあり、そのいずれもカ、本家の機能を拡張しており(いわゆる上位互換、それぞれ特徴を持っている。このような、状況であるから、「則務会計」「顧客観襲、「在庫管理、「蔵書管理」などの特定の目的のだめのパッケージソフトも、ほとんどがdBASEのファミリーで書かれており、dBASEのデータ構造とコンパチになっている。表計算ソフトを含む一般の汎用ソフトでも、dBASEのデータを読んだり、dBASE用のデータを書き出きないものはまず売れない。
 このようにdBASEは、パソコンの世界におけるデータベース・ソフトの標準になっており、機種やソフトの違いを問わず、データを処理できるものになっている。ある人は、dBASEファミリーのデータを「データのパスである」と言っている。
 だだ、一昨年のdBASElVのリリースの遅れから、アシュトン・テイト社のシエアは下がる傾向にあり、PARADOXやR:BaseがdBASEの世界を侵食し始め、今やdBASEのシェアは70%ばどに下がつているということである。
 お気づきのことと思うが、データベースというと、まずリレーショナル・タイプを指し、リレーショナルでないデータベースば、「フラットファイル」と言って、簡単な仕事にしか使われない。

日本ではまだまだ

 わが因のパソコンの世界では、データベース・ソフトが使われることはまだ少ないようである。この原因の一つは、データベース・ソフトの王者であるdBASEVが26万8000円と商価であったことである。この価格では、ちょっと手を出すわけにはいかない。
 もう一つの原因は、出版社がが雑誌や単行本で、dBASEのプログラミングの解説ばかりしてきたことである。普通の人がデータの処理をするのにプログラムを書く例はほとんどない。したがって「リレーショナル・データベースは難しい」という風潮が生まれてしまった。実際にdBASEを使っている現場では、自然言語に比較的近い感覚で命令を打ち込んで使うことができることが忘れられてしまった。

 第三は、「カード型データベース」なる言葉が出現して、リレーショナル・データベースに関する誤解が生まれたことである。既存するりレーショナル型を含むほとんどのデータペースが、カード型の表示も入カも可能であるのにもかかわらず、「カード型」という言葉が出てきたので、「カード型」はすぐ使えるのに対してリレーショナル・データベースは使うのは難しい、という考えが固定してしまった。
 本来リレーショナル・モデルというものは、スプレッドシート(表計算ソフト)によく似だ形式でデータベースを構築して、より現実に近い形でデータの処理をしようというものであったのにもかかわらず、リレーショナル・データペースソフトが、高価で専門家向きという風潮が出来上がってしまったことは残念でならない。
 dBASEのファミリーでは、
 1,初心者は簡単に対話的な使い方で
2,少し慣れてきたら、コマンドを打ち込みながら、細やかな処理
3,他人に使ってもらう際には、プログラムを書いてフールプルーフに
と、3段階の使い方が可能である。リレーショナル・データベースに対する考え方を変えるべき時代になっていると言ってもよかろう。

看護婦さんも使ってくれた

 私自身は、8ビットの時代からdBASEUを使っており、自分の身の回りのいろいろな処理にも利用しているし、多くのユーザー
の方にもシステムを構築しだり、プログラムを書いて差し上げたりしてきた。臣大な文献管理システムも作ったし、財務管理のプログラムを書いたこともある。一方、多くの人々にお勧めして、個人的な趣味の世界にもdBASElVを押し付けたことも少なくない。そのような場合には、プログラムなど意識せずに、気楽に使うことをお勧めしている。
 ところで私はかなり以前からdBASEの互換ソフトdBXLを使っているが、このソフトは、初心者からVAR業者の方に至るまで、それなりに便利に使うことができる。サザンパシフィック社から日本語バージョンが出だ当初は、スピードなどの点でどうも満足できなかったカ、一昨年ころからは満足できるものになった。何よりも価格がdBASEVの5分の1と安い。それでいて機能は格段に高い、ということで、私の推薦する数少ないソフトの仲間入りをしだ。現実にいくつかの会社でdBXLを使っだシステムを作り好評を得ている。
 昨年になつて、技術評論社から「コマンドいらずのdBXL」という本を書いた。これは、dBXLの持っている[intro]という機能を中心に、全くコマンドを覚えずに(グラフや画像データベースを作るために、三つのコマンドを使ってしまつたが)、コンピュータとの対話だけで、相当程度までデータ処理をやってしまう、という内容である。

 たまたま昨年国立の大病院に入院することになっベッドで仕車をしたために、婦長さんや主治医の方にコンピュータの使い方を教えることになった。最近になって、私の書いた本を差し上げた婦長さんが、その本をお読みになっただけで、かなり大規模な患者データベースを作り実用的に使っておられる二とを知り、リレーショナル・データベースが易しいことを実証できたと喜んでいる。この方の場合、1ー2ー3とのデータリンク、VZ工デイタとのデータのやりとりなども利用しておられる。その他にも、ほとんど対話的な使い方だけで実用的にデータベースを構築されている方も多く、リレーショナル・データベースも初心考に易しいということに自信を持った。


 私はこの文を読んで、DBXLを買うことを決意した。静岡から秋葉原に行き、5万を出しこのソフトを買ったのである。今では考えられない。ソフトが5万円とは。当時は当たり前でした。ワープロソフトだって3万円はしました。
 本文に書かれている「コマンドいらずのdBXL」ももちろん今でも手元にある。このソフトを十分に使い切ったかは疑問であるが、リレーションしたときのうれしさだけは残っている。まさにコンピュータしているという感じだった。


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