向山型算数教え方教室から学んだこと
教育雑誌の発売日はだいたい月の中頃。その時をねらって本屋に行く。明治図書の教育雑誌はたくさんある。授業研究21、社会科教育などちらちらと見る。私自身毎月決まった雑誌を買っていない。本屋の立ち読みでいいと思ったものを買う。 2000年3月初めて向山型算数という本があることを知る。中を見る。あれ今まで自分が行ってきた問題解決学習を批判している。若い頃は水道方式もやったな。話し合いがのびて子供たちに手いたずら始まったこともあったな。 1ページごとめくっていく。これはいいかもしれない。新たな授業作りをできるかもしれない。早速購入。 4月からの実勢にそなえた。 算数は子供たちにとっては難しい授業である。分かる子はいいが分からない子は苦痛だろう。1時間押し黙っていることはつらいことだろう。それをしない方法がいろいろとのっていた。 向山型算数教え方教室 2000年4月号 最初の3時間で向山型授業システムを体感させる 1, 日付・ページ・問題番号を書かせ、確認するきちんと書けているか隣同士で確認しなさい 2, 必ず定規を使わせる ノートをゆったり使わせることが基本である。 3, 列を作らせない 3問目だけ確認し○×をつける もちろん、日付・問題番号のない子、指2本間隔のない子などすべてやり直しである。 4, 黒板を子供に開放する 速くできた子から、順に、黒板に書かせる。 初めの指導とその後の徹底 1, 算数のルール 1,ノートに日付、ページ、題を書く 2,定規を使って直線を引く 3,間違った問題は消さずに×をつけ書き直す 4,補助計算をどうどうと書く 5,赤鉛筆を使う 2, 最初の問題 できたら持ってこさせ 確認し間違っていたら×をつける。何も言わずに突き返す 「考え方が書いてあるからよく分かるね」とことさらに大声で感心する こうして途中の考えを残すことの大事さを教える 教師にはこの厳しさが必要である。これがないと40人を統率できない。甘いのはよくない。 3, システム作りその後 ノートの書き方を初めに指導してもその後繰り返し指導することやきちんと書いている子を褒め続けない限り子供たちは自分の書きやすいように変わっていく。教師の揺らぐ指導を続ければ、ノートの書き方は徹底しない。教師の断固とした構えが必要である。 教えない・説明しない授業のための原則キーワード 1, ジャンプ問題はシンプルに分解 2, 教師の言葉を10分の1に削る 3, そっくりそのまま写させる 4, 視覚的に理解しやすくする 5, 例示でやることはっきりさせる 6, 教科書に書いてあることを問う 今まで行ってきた算数の授業とはまったく違った授業展開である。すべてを肯定して取り組むことはいいとは思わないが、とにかく実践してみることにした。まずは形から、入った。持ち物を限定、消しゴムは使わない。ノートをきれいに取るようにさせる。授業中は子供たちになるべく暇を作らず、次から次へと課題を投げかけることを行った。 1学期間このような取り組みで算数の授業を進めて来た。子供たちが45分間を短い授業だったと思ってくれるようにした。 良かった点 ・ 手いたずらをする子が激減した ・ ノートの指導は他教科でも生かすことができた ・ 消しゴムを使わないなど教師の徹底した授業に対して、子供たちがそれをしっかり受け止め、他教科でもその姿勢が変わらない。指示が通る。 課題 ・ 平均点90点以上は取れない ・ 分からない子に対しての個別指導をする必要がある。 全体評価で考えると、80点である。子供たちが速いテンポの授業に進んで参加していることが大きい。課題はあるが、2学期以降も続けていこうと思う。教師生活17年まだまだ勉強することが多いとつくづく思う。更なる研修を続けよう。 |