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スポーツ映画@
 野球編

球春がやって来ましたので、今回はスポーツ編と行きましょう。勿論スタートは野球編です。
野球映画は伝記映画が盛んだった40年代(日本では50年代)に数多く作られましたが、「ベーブ・ルース物語」
「鉄腕・稲尾物語」など本人が出演した作品には碌なものがありません。演技はやはり映画スターに任せるべきということでしょう。
1984年「ナチュラル」という大傑作が登場して野球映画は復権。以降ファンタスティックな
内容で我々を楽しませてくれる作品が毎年のように登場しています。野球ファンでもある僕には喜ばしい傾向です。
1位 ナチュラル 1984年米 バリー・レヴィンスン監督
これこそ野球映画の代表と言うのにふさわしい超一流のエンタテインメント。将来を嘱望された天才投手だったが有名選手連続殺人犯に狙撃され将来を断たれたはずのロバート・レッドフォードが、35歳にして打者としてメジャー・リーグに昇格し大活躍する。サスペンスあり、八百長絡みあり、ロマンスありと誠に充実。彼の打った打球がスコア板横の時計を壊したりナイター用の照明灯に当たり花火のように光がスパークする場面にわくわく。200mくらい飛ばさなければそんな芸当は出来ないわけだが、いよいよメジャー・リーグに公式デビューする松井選手にもそんな大ホームランを打ってもらいたいと願う今日この頃であります。
2位 フィールド・オブ・ドリームス 1989年米 フィル・アルデン・ロビンスン監督
典型的な野球映画ではなく、1919年の八百長試合で永久追放された8人の、特に"シューレス"・ジョー・ジャクスンの魂が野球を楽しめるように球場を作ろうと奮闘する農夫(ケヴィン・コストナー)の物語である。従って野球そのものが楽しめる場面は殆どないわけだが、野球好きでなくとも最後には胸を打たれるというもの。
3位 蘇る熱球 1949年米 サム・ウッド監督
実在の投手モンティ・ストラットンの伝記映画。ホワイト・ソックスに入団して成功したのも束の間事故で片足を失う。妻の励みでリハビリに励み、遂にメジャー・リーグのマウンドに復帰するのである。既に「打撃王」で野球映画の実績を収めていたサム・ウッドが夫婦の愛情を木目細やかに描き、素直に感動できる作品に仕立てている。
4位 ラブ・オブ・ザ・ゲーム 1999年米 サム・ライミー監督
オーナーから引退か移籍を迫られたベテラン投手ケヴィン・コストナーが、離婚を決意した妻が英国に去る当日に最後のマウンドに立ち、何と完全試合を成し遂げる。野球映画では必ず成功を収めるコストナーがまたも大当たり。回想と試合がカットバックで描かれるが、バランスが取れ誠に上手く、だれることがない。夫の雄姿を見て空港から身動きできなくなった妻を引退を決意した主人公が迎えに行く。これまた見事な夫婦愛だった。
5位 打撃王 1942年米 サム・ウッド監督
ルー・ゲーリックの伝記映画。近年カール・リプケン・Jrに破られるまで大リーグの連続試合出場記録を誇り、頑強の代名詞だったゲーリックが突然筋ジストロフィーにより引退を余儀なくされ、夭逝したことは野球ファンならご存知であろう。ゲイリー・クーパーが主人公を好演、引退式の場面は本物そっくりだったなぁ。
6位 がんばれ!ベアーズ 1976年米 マイケル・リッチー監督
評判が良くてシリーズにもなりTVムービー化もされた少年野球映画の傑作。少年スポーツものの域に留まらず、ドラマのバランスが取れ一つの映画として大変完成度の高い作品である。エースが女の子、スラッガーが非行気味など、この作品がその後の少年スポーツ映画の定石を作ったのでは? 2作目以降は無視されたし。
7位 エイトメン・アウト 1988年米 ジョン・セイルズ監督
「ナチュラル」の主人公のアイデアと言われ、「フィールド・オブ・ドリームス」で大きく扱われ、一昨年イチローのおかげで新人最多安打記録保持者として掘り出された名選手"シューレス"・ジョー・ジャクスンも絡んだ八百長事件の顛末を正攻法で扱った日本未公開作。八人の選手がこの事件で永久追放となるが、勿論真実が全て判っているわけではなく、ジャクスンは八百長を止めなかっただけなのではと仮定の下に悲劇性を浮かび上がらせている。
8位 メジャー・リーグ 1989年米 デーヴィッド・S・ワード監督
「エイトメン・アウト」にも出演していたチャーリー・シーンがノーコンの剛速球投手に扮したのがこの喜劇。コストナー同様彼もプロ野球選手を目指した本格派だけに様になっている。毎年最下位のインディアンズをこの投手が中心となり強豪チームに変えていくという物語は月並みながらも、日本からの助っ人など奇妙な選手を多数盛り込んだことで1作目に関しては相当楽しめた。実際のインディアンズも長い低迷の後80年代後半から強くなっている。
9位 春の珍事 1949年米 ロイド・ベーコン監督
化学教師が偶然発明した木を避ける薬を活用して大リーグ最強の投手となるが、肝心な時に薬を同僚に全て使われてしまい...というファンタスティック・コメディー。ボールにこの薬を塗ると木製バットでは絶対当たらないわけで、星飛雄馬の大リーグボールよりも凄い。が、少年野球には通用しない。何故かって? 金属バットだもの。
10位 プリティ・リーグ 1992年米 ベニー・マーシャル監督
第2次世界大戦中出征した選手の代わりに女子のプロ野球組織が発足、50年代まで継続したことは意外と知られていない。メジャー・リーグならぬプリティ・リーグがそれだが、発足当時のドラマをコミカルに描き出したのが本作。個人的には水準的な作品と思うが、珍しさを買ってここに置く。
10位 瀬戸内少年野球団 1984年YOUの会=ヘラルド・エース 篠田正浩監督
作詞家・阿久悠の自伝的小説の映画化で、少年少女の野球を学ぶ姿を通して終戦直後の復興に向けて動き出した日本の姿を表徴的に描いた作品。野球映画ではないが、野球絡みの秀作なので取り上げてみた。

スポーツ映画A
 その他の球技

野球編に比べると質的に余り高いものが多くないです。野球が日本人と米国人が共通して好きな球技ということの証左でありましょう。
辛うじて日本に紹介される球技はアメリカン・フットボールで、秀作も結構あります。続いてバスケットボール。
世界で一番人気のある球技サッカーは米国では人気がないので日本に紹介された作品は数えるほど。それでも2本選出。
後はゴルフとテニス。バレーボールではタイの「アタック・ナンバーハーフ」が印象的。わが邦の「ピンポン」は未見です。
1位 ロンゲスト・ヤード 1974年米 ロバート・オルドリッチ監督
映画ファンの間ではよく知られる作品だが、一般の中にはご存知のない方も多いだろう。現在服役中の元NFLスター・プレーヤー、バート・レーノルズを中心とする囚人チームが、刑務所長によりセミプロの看守チーム相手の試合で八百長試合を強要されるが、いざ本番になると反骨精神を爆発させて勝利を勝ち取ることを目指す。描写が具体的で試合展開が上手く構成されているのが高評価の要因だが、大学時代にアメ・フトのスター・プレーヤーで怪我で役者に転向したレーノルズが適役。こうした経緯を経て囚人と看守長との間に友情めいたものが生まれていくのも良い。
2位 バガー・ヴァンスの伝説 2000年米 ロバート・レッドフォード監督
戦前を舞台にしたゴルフ映画。天才と言われながら第1次大戦出征の後遺症で引退していたゴルファーが地元住人の懇願によりゴルフ場再建の為エキシビション・マッチに駆り出される。最初はボロボロだがコースの後半、謎めいた黒人キャディの一言から調子を取り戻す。端的に言えば、人生における復活とゴルフの復調を重ねながら描いた内容なのだが、この映画は好きだなぁ。ゴルフ関係では最高と思う。
3位 ジョーイ 1977年仏 ルー・アントニオ監督
白血病で余命まもない弟ジョーイの為に兄ジョンが大学アメ・フトで大活躍、最高の栄誉であるハインズマン賞を授与される。実話を基に作られたTV映画で日本では劇場公開された。病気で死んでいく弟ではなく、弟の為に奮闘する兄の姿に涙腺が刺激された。秀作と言うべし。
4位 ワン・オン・ワン 1977年米 ラモント・ジョンスン監督
こちらはバスケットボール。高校の花形選手で奨学金付きで大学へ進むものの、小柄な体格が災いして芽が出ず控え選手となってしまう。試合そのものより奨学金制度を軸にした選手と学校の関係が興味深かった。
5位 勝利への脱出 1981年米 ジョン・ヒューストン監督
やっとサッカー登場。第2次大戦中連合軍捕虜とナチス・チームが対決することになり、捕虜は試合に乗じて脱走を試みる、という物語は、「大脱走」+「ロンゲスト・ヤード」÷2という印象があるが、やはり試合展開が上手い。しかもペレがオーヴァーヘッド・シュートを見せてサッカー・ファンを喜ばせた。
6位 リトル・モー 1978年米 ダニエル・ホラー監督
テニス・ファンならご存知の方も多いだろうが、50年代最高の名選手にして恐らく歴代の女子テニス選手の中でも3本の指に入る名選手モーリン・コノリーの伝記映画。彼女は史上初めて年間グランド・スラムを成し遂げたのだが、ガンで34歳の若さで夭逝している。テニス場面より人間関係の描写に優れていた。
7位 ノース・ダラス40 1979年米 テッド・コッチェフ監督
これもアメ・フトだが、老骨に鞭打っていたNFLのベテラン選手が引退を決意するまでの物語。気勢の上がる作品ではないが、プロ選手とは何かを十分考えさせる作品だと思う。
8位 サッカー小僧 1974年スウェーデン ボー・ヴィーデルベルイ監督
日本のW杯開催に合せてリバイバル公開もされたが、6歳の少年がプロ・チームで活躍するというメルヘンで、勉強が出来なくなるという理由で引退というのが愛嬌。野球の「エンジェルス」と同系統の作品。犬がサッカー選手に変身して大活躍するフランス映画「ディディエ」も面白いが。
9位 天国から来たチャンピオン 1978年米 ウォーレン・ベイティ、バック・ヘンリー監督
またまたアメ・フトだが、「幽霊紐育を歩く」のボクサーをアメ・フト選手に変えての再映画化。交通事故で死んだプロのアメ・フト選手が天使長より早すぎるから地上に戻れと言われるが、火葬にされ戻るべき肉体がなく代わりを探し、探し当てた肉体でクォーターバックとして大活躍する。なかなか優秀でした。
10位 フラバァ 1961年米 ロバート・スティーヴンスン監督
ディズニーは60年ごろから70年代半ばに掛けて実写のファンタジー・スポーツ映画を随分作った。これはその初期の一編で、偶然発明した弾力性物質をバスケット選手の靴に使ってみたら得点倍増、失点半減しましたとさ。何しろボールよりも高く選手が飛び上がれるのだから珍無類の場面が連続してゲラゲラ。バスケ以外の場面も多いから、ここに入れるのはどうかとも思うが。

スポーツ映画B 格闘技編 

ボクシングが質・量とも圧倒的です。相撲、柔道、空手もありますぞ。
プロレスはそのものがショーなので意外と映画になりにくいらしく、公開作は数えるほど。辛うじて1本推挙。
1位 ロッキー 1977年米 ジョン・G・アヴィルドセン監督
ボクシングには秀作が多いが、何と言っても代表はこの作品だろう。シリーズ化され計5本も作られたが、主人公ロッキーと老コーチとの関係の木目細かさ、ロッキーと後に妻となるエイドリアンのロマンスの情感、アポロとの試合模様の抜群の上手さといった点で2作目以降を断然引き離す。ロッキーを演じたシルヴェスター・スタローンの脚本だが、素人脚本家の作とは思えない立派なものである。スタローンのみならず監督アヴィルドセンの出世作ともなったわけだが、人肌の温かみが感じられる丁寧な演出に感じ入った。
2位 シコふんじゃった。 1992年大映=キャビン 周防正行監督
相撲は日本の国技だが劇映画となると限られる。初めて作られた本格的学生相撲映画がこれだが、まわしを嫌う典型的若者、留学生、女性であることを隠して試合に出場するマネジャーといった登場人物の多様性で実に楽しめる作品となっている。女性と言えば、最近英国で女力士映画「恋はハッケヨイ!」が作られびっくりした。
3位 姿三四郎 1943年東宝 黒澤明監督
柔道と言えばこの作品で決まり。富田常雄の原作の名を高めたのはこの作品である。戦後何度もリメイクされ、TVシリーズ化もされた。スローモーションを使ったダイナミックな撮影が印象的。本作がメガフォン・デビューの黒澤はセンスを買われて次々と新作依頼が舞い込み、世界の巨匠の道を歩み出す。
4位 レイジング・ブル 1980年米 マーティン・スコセッシ監督
実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの半生をセミ・ドキュメンタリー・タッチで綴った作品。モノクロのざらざらしたタッチは「ロッキー」の情感のこもった作り方とは好対照だが、個人的には余り好きではない。ラモッタの人間性に余り共感が持てないせいかもしれない。
5位 どついたるねん 1989年荒戸源次郎事務所 阪本順治監督
わが日本にも優れたボクシング映画が登場した。人気ボクサーだった赤井英和の自伝を本人を起用して新人・阪本順治が映像化した本作である。どちらかと言えばコミカルなタッチでボクシング映画にありがちなストイックな感触は薄く、のびのびとした作りで素直に楽しめた。
6位 傷だらけの栄光 1956年米 ロバート・ワイズ監督
これも実在のボクサー、ロッキー・グラジアノの伝記映画。世間での評価が抜群に高い「レイジング・ブル」より個人的にはこの作品の方が好きである。同じセミ・ドキュメンタリー・タッチでもカットの処理が上手い為劇的効果が高く、本当の意味での切れ味があるからである。
7位 鉄腕ジム 1942年米 ラオール・ウォルシュ監督
これも実在のボクサー、ジム・コーベットの伝記だが、まず19世紀のボクシングなので試合模様から全然違う。最初のうちリングは四角いジャングルではないし、グラブもはめない。ボクサーというより拳闘家と言ったほうがふさわしい。42年の製作なので作り方もリアリズム基調ではなく単純明快、良い意味でハリウッド的な作品である。
8位 ベスト・キッド 1984年米 ジョン・G・アヴィルドセン監督
アヴィルドセンは「ロッキー」で出世した為、空手を習う少年を主人公にしたこの作品も依頼され、続編2本も演出した。特にこの第1作は彼の丁寧な作風が遺憾なく発揮された佳作。ジャッキー・チェンやリー・リン・チェイの主演作は勿論スポーツ映画とは言えない。
9位 カリフォルニア・ガールズ 1981年米 ロバート・オルドリッチ監督
プロレス絡みの作品は少ない上に、唯一選んだのも女子のタッグ・チームを主人公にした作品。男性ものでスタローンが監督・主演した「パラダイス・アレイ」も悪くはないが、華やかさとみじめったらしさが混在する女子プロレスの世界を面白く描いたこの作品がプロレス映画の一押しである。
10位  1949年米 ロバート・ワイズ監督
八百長を知らされずに闘ったプロ・ボクサーの悲劇。プロといっても華やかさや大金には縁のない庶民的な感覚を前面に押し出し、最後にボクサー人生をヤクザに潰される姿に胸を揺さぶられる。同じ年に作られたカーク・ダグラス主演の「チャンピオン」は未だ観るチャンスに恵まれない。

スポーツ映画C その他

その他で強いのはモーター・スポーツですが、2本に留めました。
陸上、冬のスポーツ、サーフィン、ヨットなど。オリンピックで人気のある水泳は不思議と一本もありません。
日本のTVドラマには「金メダルへのターン」というのがありましたが。「ウォーター・ボーイズ」は未見。
1位 炎のランナー 1981年英 ヒュー・ハドスン監督
1924年のパリ・オリンピックで100m走と400m走で金メダルを取った二人の英国人選手の伝記的な作品だが、近年の作品だから皮相的ではなくその内面に深く迫り映画としての質はベストの名に値する。100mのハロルド・エイブラハムズはその苗字が示すようにユダヤ人なので激しい人種差別にさらされる。400mのスコット・リデルは牧師の卵なので競技の参加にも色々不都合がある。実際10年ほど前の世界選手権で三段跳びで金メダルを取ったエドワーズが宗教的な理由で日曜日の競技には参加しないと開催側に競技日変更を申し出たのを記憶している。ヴァンゲリスの音楽はその後様々な場面で使われるほどポピュラーになった。
2位 栄光のル・マン 1971年米 リー・H・カツィン監督
24時間耐久レースの最高峰【ル・マン】に参加した選手スティーヴ・マックィーンの一日をレース中心に描いた作品。人間ドラマがない? 馬鹿を言っては困る。つまらないドラマなどない方がましである。フォトジェニックなレース場面(実際のレースを撮影)にスクリーンに釘付けになる。それで良いではないか。
3位 スラップ・ショット 1977年仏 ジョージ・ロイ・ヒル監督
プロ・アイスホッケーのマイナー・チームの乱闘に明け暮れる様を描いて、アメリカにおけるアイスホッケー事情をやや風刺的に描く作品。ジョージ・ロイ・ヒルとポール・ニューマンの監督・主演は「明日に向って撃て!」「スティング」以来3度目のコンビで誠に快調。球技と言えないこともないが、こちらで選出。
4位 ビッグウェンズデー 1978年米 ジョン・ミリアス監督
こちらはサーフィン。かの音楽界の天才・桑田佳祐も「稲村ジェーン」という映画を作ったが、もっと本格的に延々と大きな波を待つうちに青春を終えてしまうサーファーたちの物語。60年代の陽気なだけのサーフィン映画とは異なり、あっという間に過ぎ去るはかない青春に思いを寄せた内容が胸に迫る。
5位 ハスラー 1961年米 ロバート・ロッセン監督
ビリヤードは取り上げるべきか異論があるだろうが、アジア大会では競技であるので、まあ良いだろう。賭博映画としても入選間違いない秀作で、25年後に続編が作られたことでも本作の実力が分る。新進撞球賭博師ポール・ニューマンが大ベテランと手に汗握る一戦を繰り広げる。本当にサスペンスフルだった。
6位 白い恋人たち 1968年仏 クロード・ルルーシュ監督
オリンピックのドキュメンタリーには幾つか立派な作品があるが、1968年のグルノーブル冬季大会を撮ったこの作品はルルーシュのしっとりしたタッチとフランシス・レイのウェットな音楽の相性が抜群。冬季大会だけにウェットが良い。当時のレイの音楽はどれも素晴らしく、主題曲を集めたコレクションは手に入れたいねぇ。
7位 あの夏、いちばん静かな海 1991年オフィス北野=東通 北野武監督
これもサーフィンだが、「ビッグウェンズデー」とは全然違う。何しろ台詞が殆どない。それもそのはずで、主人公(真木蔵人)は聾唖者。海岸で同じく聾唖の恋人とサーファー達を眺めるうちにサーファーがしたくなる。余りに静謐な作品なので感動した。不思議だなぁ。
8位 グラン・プリ 1966年米 ジョン・フランケンハイマー監督
こちらはF1のモナコ・グランプリで繰り広げられるレースと人生模様を描いた群像劇。作り方としては最近の「ドリブン」に近いものがあるが、ドラマ部分の上手さとCGではない生レースの迫力に圧倒される。実は30年来のF1隠れファンでもある僕は懐かしい選手名(フィッツパルディなど)に思わず涙。
9位 緑園の天使 1944年米 クラレンス・ブラウン監督
美少女時代のエリザベス・テイラーが競馬の騎手になる青春映画。すがすがしく美しく、馬が好きでなくとも楽しめよう。この少女が大人になって作られたのが34年後の続編「インターナショナル・ベルベット」。34年というのは恐らく正編と続編のスパンとしては映画史上最長ではないか。
10位 ウィンズ 1992年米 キャロル・バラード監督
印象はやや薄いがヨットのW杯、アメリカズ・カップが舞台だから推薦してみよう。ロマンスが絡むなど定石的な作りが目立つも、ヨットの製作過程が織り込まれているのが興味深い。爽やかで穏やかな作風を特徴とするバラードらしく後味も良い。