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四国遍路旅
10月1日
仙台空港から神戸空港までスカイマークが新たに路線を開設したので、アプローチとして今回は飛
行機を利用しました。フライト時間約1時間半の快適な旅です。途中、会津若松・松本・琵琶湖上空を 越え、まさに日本地図を上空から眺めていました。
神戸空港からは徳島まで直通の高速バスが出ています。今日は徳島泊まりなので、到着後少し時
間があります。前回どこも観光しなかったので、今回は徳島で眉山に登ってみました。阿波踊り会館 で阿波踊りの歴史を勉強し、その後ロープーウェイで眉山山頂へ。眉山山頂からは徳島市内から紀 伊水道を一望できます。反対側には吉野の山岳地帯が見えました。前回苦労した焼山寺山も遠くに 見えました。
徳島市内は、アニメの祭典が開かれているとのことで、仮装した若者が多く見受けられました。
10月2日(第1日目) 雨
駅前のコンビニで昼食のおにぎりを調達して第1番札所霊山寺のある板東へJRにて移動です。列
車には外人さん達のグループも何組か見られました。
板東に到着。雨は覚悟していましたが、やはりうっとうしいです。それでも覚悟を決めて駅にてポン
チョをまとい出発。外人さん達が駅前でウロチョロしています。「霊山寺に行くのか?」と聞くと「そうだ」 ということだったので、案内することに。6人程でぞろぞろと霊山寺まで。それにしても外人さんはデイ バッグに傘差し。こんな軽装で大丈夫かなといらぬ心配をしてしまいました。
霊山寺にて納経を済ませ、1人第2番の極楽寺へ。前方に女性のお遍路さん。歩くのがとても速い方
でした。
極楽寺から墓地を通り3番札所金泉寺へ。金泉寺の手前が草の生い茂ったあぜ道になっていて、雨
をたっぷり含んだ草をかき分け進みました。靴の中までぐしょぐしょになってしまいました。仕方ないこ とですけれど・・・。
金泉寺から遍路道を歩き、愛染院手前の休憩所で昼食のおにぎりを食べます。ポンチョを脱いで輪
袈裟を外し、冷たいおにぎりを食べていると、さきほど極楽寺の納経所にいた外人さんが到着。「昼食 は食べないのか」と聞くと「ノー」という答え。余計なお世話でした。4番札所の大日寺へは登りが続き ます。ここが遍路道でいいのかなと思いながら標識に従って進むと大日寺に続く道路に出ます。
納経を終えて第5番札所地蔵寺へ。途中五百羅漢の境内を通って、地蔵寺の裏側から境内に入る
ことになります。前回はここでちょっと迷いましたが、2回目なので難なく地蔵寺に到着。
地蔵寺の後は、時間があれば番外霊場の大山寺まで行こうかとも思いましたが、雨天でもあり第1
日目ということもあって無理せずに早めに安楽寺の宿坊へ入ることにしました。
第6番札所安楽寺で納経を済ませて宿坊へ。実は宿坊に泊まるのは初めてです。食事や入浴、食
事後のお勤めなどの説明を受けて1階の部屋へ。こぢんまりとした部屋です。温泉山安楽寺が示すよ うに,この宿坊のお風呂は温泉です。弘法大師ゆかりの温泉「弘法の湯」で冷えた身体を温めます。 靴がすっかりぬれてしまったので、宿坊が用意してくれていた新聞紙を丸めて靴に入れます。霊山寺 で会ったお遍路さんも新聞紙を詰めていました。慣れている方のようです。
宿坊の食事は精進料理かと思いきやそれに似せた料理で、マリネや天ぷらなども付いた食事でし
た。食事後、身支度を整えて本堂へ。ここでは「くす供養」というお勤めを体験しました。本堂の奥まで 入ることができ、こうした体験も悪くないと思いました。
10月3日(2日目) 曇り
安楽寺を出てすぐに「真念しるべ石」があります。が、見落としてしまいました。昨晩、3回ほど靴の新
聞紙を取り替えたので、靴の中はすっかり乾いています。天気もまあまあ、第7番札所十楽寺へはす ぐです。第8番札所熊谷寺の入り口を案内する道しるべはちょっと見落としそうです。それでも88カ所 中最大級と言われる山門はしっかりと見えてきます。熊谷寺の入り口で昨日安楽寺宿坊で靴の手入 れをしていたお遍路さんとすれ違いました。皆さん、出立が早い。
熊谷寺から第9番札所の法輪寺へはずっと下りで楽ですが、道路の工事をしているところがあり、ち
ょっと戸惑ってしまいました。
法輪寺で納経後、門前のあわじ庵で一服。草餅とコーヒーを注文。おいしかった。後で聞いたら草餅
を2個頼むとコーヒーはお接待になるとか。それでも、出発するときに水をペットボトルに入れ凍らせた ものをお接待いただきました。
小豆洗大師で手を合わせ、第10番札所切幡寺へ。切幡寺は山門から333段の石段を登って本堂で
す。なんとか一気に登ることができました。だいぶ心肺能力も上がってきたと自己満足です。切幡寺の 納経を済ませて降りてくると先ほど熊谷寺ですれ違ったお遍路さんが休んでいます。お昼は食べたの かを問うと、もう少し下ったところにうどん屋があるということです。私もそこでお昼にすることにしま す。
お遍路さんは皆同じような行程で歩くので、一度会った人とは何度も行程の中で会います。しかし、
歩くのはあくまで一人。自分とお大師さんの同行二人です。歩くスピードもそれぞれです。途中のうど ん屋で食事を済ませたところにそのお遍路さんも到着。私は一足先に出発です。
実は、前回切幡寺から次の第11番藤井寺までは歩いていません。前回の計画がちょっと無謀だっ
たので、この区間はタクシー移動したところでした。今回はゆとりをもって歩きの移動です。途中吉野 川の中州を通り、本流に架かる川島橋を渡って吉野川市に入ります。川島橋は車も通りますが、すれ 違いはできません。歩いている人も車が通るときは待避所を利用する狭い沈下橋です。橋から見える 吉野川は水がとてもきれいで、鮎が沢山泳いでいるのが見えました。徳島県はどの川も水がとてもき れいです。
第11番藤井寺に納経して今日の宿泊場所である旅館吉野へ。ところが宿について納経帳を見たと
ころ、藤井寺で御朱印を頂いたときにもらったはずのご本尊のお姿が見当たりません。前回も1ヶ寺で このミスをしました。仕方ないので明日藤井寺を通過するときにお願いしてみることにします。
同宿3人の方と一緒に夕食。そこへ川島橋を渡ってすぐのところから韓国籍の女性の方から宿に電
話があり、宿の方が迎えに行くとのこと。予約なしでも空いていれば宿泊させてくれるということです。 着いてみると40代の女性一人旅だそうです。片言の英語で明日からの予定を聞くとなんともおぼつか ない様子。それでも、宿の車で明日は川島橋の手前まで送っていき、そこから歩いて宿まで帰ってき て朝食を食べて藤井寺、焼山寺へと進む予定だそうです。ところがこの女性、地図もガイドブックも持 っていない状況です。外国の方はこんなもんで遍路するのかとびっくりしました。
10月4日(3日目) 晴
昨晩の韓国の女性から「何時に出発するのか」と聞かれたので、「7時頃だ」というと「自分のその頃
に出発する」というので、11番藤井寺まで一緒に案内することに。同宿の方々は一足先に出発したよ うでした。
藤井寺に着いたところで、彼女に焼山寺への登り口を教え、自分は納経所で昨日のお姿の件を話
したら快く1枚下さった。昨日納経所に落ちていたとのこと。大変失礼をしたと反省した次第です。その 後、いよいよ第12番札所への登りにかかります。軽く屈伸運動をし、片手に金剛杖もう一方にはスト ックでバランスをとりながらの登りにかかりました。昨年はここで膝を痛めてその後の歩きを断念せざ るを得ませんでした。今回は準備を整えては来ましたが、二の足を踏まないように慎重に一歩一歩進 めていきます。気づいたのですが、週一で栗駒登山訓練をした成果がやはりあるようです。前回あれ ほど大変だった登りが、それほど苦痛に感じません。息が上がることもほとんどないのです。2回目と いうことで地理的な慣れもあるのかもしれません。
端山休憩所で、昨夜同宿だった方を追い越し、一気に長戸庵へ。ここで小休止です。エネルギー補
給のゼリーを飲んでいると今追い越した方にまた追い越されました。柳水庵まで前後して歩くことにな りました。柳水庵でほぼ中間です。少し早いのですが、二人とも昨夜の宿の吉野で作って頂いたおに ぎりを食べます。すると、車道の方から外人さんが1人。柳水庵の水を見て「この水は飲めるか?」「も ちろん」。「藤井寺に行くのか」と聞くと「そうだ。こっちでいいのか?」と聞くので「そうだ」と答えました。 おにぎりを食べ終わろうとしたとき、今の外人が戻ってきました。彼が持っていたガイドブックの写真と 道の様子が違うというのです。よくよく聞いてみると焼山寺へ行くそうな。登り口まで案内しました。自 分たちも出発の準備をしていざ出発。
柳水庵から焼山寺への登り口までは一緒でしたが、先に行っていいというので、また自分のペース
で歩き始めます。浄蓮庵で、先ほどの外人さんに追いつきました。そこから一気に下りです。ここが前 回膝を痛めたところです。今回は大丈夫。先ほどとは違う外人さんを追い越します。左右内谷川沿い の車道で小休止。追い越した外人さんが追いつき風景を見て「ビューティフル」。持ち合わせの飴を一 つ差し上げて、私は出発。せめて次の登り口まで案内しようかとも思ったが、なかなか来ないのでそ のまま登り開始。焼山寺までの最後の坂もなかなかきついのです。やがて焼山寺の駐車場のところ、 このルートの出口に到着。ここから山を巻くようにして300mほど進むと焼山寺入り口の石段です。納 経を済ませ、休憩所にて大休止。そこへ、同宿だった遍路さんも到着。彼が納経を済ませて休憩所へ 入ってきたのと入れ替えに本日の宿泊場所の「すだち館」へ出発です。
前回は痛い足を引きずりながら車道を降りましたが、今回は遍路道を順調に下ります。杖杉庵を過
ぎ遍路道をどんどん下ります。やがて遍路道が車道へ出てまもなく「すだち館」が見えてきました。「す だち館」では前回と同じ部屋に案内され、洗濯をしながら「すだち館」のおばさんと話をしていると、本 日同宿の二人目が到着。この方を自分の隣の部屋へ案内します。天気がとても良かったので「すだち 館」(お店)の前にいすを出して同宿の方としばしのひなたぼっこです。すだち館ではお風呂が入れま せん。前回はご主人が麓の神山温泉まで車で乗せていってくれたのですが、今は高齢のため運転免 許を返納されたとのこと。免許証があれば車で行ってきていいよとのことでした。しかし、残念ながら 私も同宿の方も運転免許証は持ってきていません。すると、もう1人今日の予約者がいて、まもなく下 りてくる。その人が持っているなら車は貸してあげるとのことでした。すると電話がなり、もう1人宿泊者 が出たのでそのときは4人でどうぞとのこと。ひなたぼっこしながら待っていると、男女二人が歩いてき ます。そのもう1人の追加宿泊者とは昨夜同宿した韓国人の女性でした。途中から一緒になり下りてき たとのことでした。彼の方が免許証を持ってきているというので、4人で神山温泉へ。気持ちよく汗を 流すことができました。
10月5日(4日目) 晴
朝食後、午前7時に「すだち館」を出発します。韓国人の女性も一緒に出発するというので、暫し同行
します。玉が峰までの登りでおそらく「なべいわ荘」から登ってきた遍路の方を追い抜きます。途中ま で韓国の女性も付いてきましたが、登りがキツくなるあたりから遅れがち。ここからは一人になり自分 のペースで登ります。車道に出てまもなく玉が峰に到着。ここからはしばらくの間、車道を下っていき ます。四国の典型的な山間部の風景が続きます。しばらくするとはるか下方に川が見えてきます。阿 川で川を渡り、遍路道に入ります。ここを抜けてさらに川沿いの車道を歩きます。四国の川はやはり 水がきれいです。広野で再び川を渡ると車道の幅もかなり広がり、交通量も多くなりました。馬喰草か ら遍路道がありますが、建治寺経由と読んで私はそのまま自動車道をひたすら歩きます。途中の休 憩所では外人さんカップルが休憩中。黙礼のみで通過します。第13番札所の大日寺が近づいてきま した。
大日寺手前のコンビニで昼食がてら小休止。コーヒーがうまい。大日寺の納経を済ませ遍路道へ。
まもなく第14番札所の常楽寺到着。次の第15番札所の国分寺までは1kmもありません。国分寺を 出て国道に出て第16番札所観音寺へ。常楽寺で一緒になった自動車のお遍路さんにここでも会いま した。車でも徒歩でも時間的に余り変わらないようです。
観音寺からは町の中を歩いて行きます。JR徳島線の踏切を渡りしばらく行くと第17番札所の井戸
寺到着です。納経後本日の宿、「松本屋」へ。「松本屋」は井戸寺の山門前にあります。一息ついて再 度井戸寺へ。お守りを販売していたので、七難よけのストラップお守りを購入しました。
宿に戻ってくつろいでいると、本日の同宿者が到着。一昨日吉野でご一緒し、焼山寺までを前後し
て登った方でした。明日は雨の予報で地蔵峠越えにするか徳島市内廻りにするか迷います。同宿の 方はどうするのか尋ねると、明日は休息日にして徳島市内を観光するとのこと。宿の女将さんの話で は晴れた日なら地蔵峠越えを薦めるが、雨ならやめた方がいいということで迷いながらも市内廻りに することにしました。
10月6日(5日目) 曇り
朝から雨を予想していたのですが、天気は曇り。地蔵峠を越えることにします。上鮎喰橋を渡り、地
蔵峠に向かう途中、多くの小学生とすれ違いました。時間的に丁度登校時刻と重なっていました。小 学生は皆元気に挨拶します。こちらも負けずに挨拶します。地蔵院をちょっと登ったところから遍路道 へ。遍路道は車道に沿っているので結構自動車の音が聞こえます。交通量もあるようです。地蔵峠を 越えて車道に出てしばらく歩くと大きな川にぶつかりました。出会いのところで道しるべを見間違い、 地元の方からこっちじゃないよと教えられます。しばらく川沿いの道路下を行くと遍路道は川を越えま す。徳島市内なのにやっぱり水がきれいです。山越えを含み約10kmほど歩いたので、途中のコンビ ニで小休止。やっぱりコーヒーがうまい。雨もなんとか降らずに天気はもちそうです。次の恩山寺まで はあと7〜8km程か。ひたすら歩きます。途中で国道55号線に出ます。歩道がしっかりしていて歩き やすいです。
第18番札所恩山寺到着。納経を済ませ出発。恩山寺からの遍路道は竹林の中を歩いて行きます。
途中で1人の外人さんに追い着きました。「ビューティフル」と話しかけてきました。「イエス、バンブ ー。」ちょっと曲がりくねった遍路道を間違わないかなといらぬ心配をしながら追い越します。車道に出 てしばらく行くと、直進は鶴林寺、左折は立江寺の標識。左折し橋を渡って第19番札所立江寺へ。納 経しようとすると本堂の脇に見覚えのあるお遍路さん。「すだち館」で同宿の方でした。疲れたので休 んでいるとのこと。それでも私が納経を済ませているうちに先に出発したようです。山門を出てまもな く先ほどのお遍路さんがうろうろしています。道がわからないのかと思ったら、「この辺にうどん屋があ ったはずなんだけど」という話。私は、もう少し歩いてから遅いお昼にしようと近くのお土産屋で腹つな ぎの草餅を1個買います。彼もお相伴します。2人で県道を歩きはじめました。しかし、やはり疲れてい ると見えてゆっくりペースです。私は自分のペースで歩を進めます。しばらく先にコンビニがあるので そこでお昼にすることを告げて先に行きます。途中から雨が降ってきました。ポンチョを出して身につ けて歩きます。コンビニ到着。イートスペースがあったのでそこで昼食。あと4km程で本日の宿「金子 や」です。
実は「金子や」については途中で何度も悪評を聞きました。サービスが良くないこと午後4時までは
入れないことなど。「金子や」が近づいたのですが時間がまだ少し早いので、近くの物産館をのぞきま した。店員のおばさんがミカン食べてみてと2個お接待。「遍路なので買えないけどありがとう」と遠慮 なくお接待頂きます。隣の道の駅に行くとまたしても見覚えのあるお遍路さん。安楽寺で同宿の女性 のお遍路さんでした。聞くと本日の宿の「さかもと」から迎えが来るとのこと。「さかもと」は評判がいい ようです。先ほどもらったミカンを1個差し上げて分かれようとすると「金子やはまだ入れないでしょ う」。私は「まあなんとかなるでしょう」と「金子や」に向かいます。実は「金子や」には前回も泊まり、悪 評になるくらいひどいとは思わなかったことと、なんといっても明日登る鶴林寺へのアプローチが最高 なので選んだのでした。
「金子や」到着。入ろうとすると玄関に鍵がかかっています。さて、やはり4時までは開かないのか。
今の時刻3時。うろうろしていると玄関脇の呼び鈴に目がとまりました。思い切って呼び鈴を押すと、2 階から返事がありました。予約していることを告げると、快く迎え入れてくれました。案ずるより産むが 易し。風呂は4時以降ということでしたが、その前に洗濯を済ませたいので丁度良い時間。4時には風 呂で身体を温めることができました。
夕食は同宿の方2人と一緒です。次の日の予定などを話していると、宿のご主人が、以前早立ちを
した方が鶴林寺に7時前についてご迷惑をかけ怒られたという話をして下さいました。普通、遍路宿で は朝6時頃からの朝食となりますが、「金子や」はそれ以来6時半にしているとのこと。真偽はともか く、自分は明日由岐までの行程を考えていることを告げると、「そんなの聞いたことがない。おそらくそ の行程は無理だと思う」とのこと。確かに鶴林寺と太龍寺の二山を越えてさらに由岐まではかなりの 距離を歩くことになります。まあ宿に途中から到着が遅れると電話を入れればいいかと考えました。実 はこの日が今回の最も長距離歩行となるのです。次の日に自宅まで帰宅するために飛行機を予約し ていることを考えると、なんとしてもこの行程をこなしたいのです。そこで、明朝の朝食を抜いてその分 おにぎりを作って頂くことをお願いしました。
10月7日(6日目) 曇り
朝6時に昨夜作っておいていただいたおにぎりを食べ、6時20分「金子や」出発。「金子や」から鶴
林寺までは3km程の急な登りです。舗装路は昨日の雨で濡れており、コケも所々生えていて滑りや すい状況でした。また、この時期次第に日が短くなってきていて、ましてや曇天の朝6時半ではまだ薄 暗いところもありました。標準で1時間半のコースタイムになっています。せめて標準のコースタイムで 登りきりたいと思いました。順調に休憩なしで登り、第20番札所鶴林寺の到着は7時10分でした。自 分でも予想外、50分で登ったことになります。鶴林寺からは遠く太龍寺が霧の合間に見えていまし た。納経を済ませると小雨模様になってきました。納経所でここから先は特に滑りやすいので十分に 気をつけるようにと注意を受けました。遍路道では救急車も登ってこないとのことです。以前にけが人 を担ぎ上げたことがあるそうです。ただ、一旦下りてしまえば、そこから太龍寺までの登りはたいしたこ とがないよとのこと。
ポンチョを身につけ鶴林寺からの急な下りをストックと金剛杖を頼りに慎重に下ります。雨はさほど
強くなく、霧雨のような状況です。これくらいなら濡れてもすぐ乾くと判断し、ポンチョを脱ぎます。涼しく 快適になりました。つづら折りの下山道を約2km下り那賀川に出ます。那賀川からはなだらかな登り の舗装路です。軽自動車が1台くらいぎりぎりで通れそうな道でした。しかし、入り口には自動車の進 入を禁止する看板がありました。登りがキツくなってきたなと思ったら、第21番札所の太龍寺到着で す。太龍寺へは前回ロープーウェイで登ってきました。上り下りはあるもののやはり遍路道を歩く方が 趣があっていいです。
太龍寺からは自動車道を下ります。しかし、この道路はかなり路面が荒れていて、自動車で来るの
も大変そうな狭い道路です。4km程下ると大きな車道に出ました。普通の人は「金子や」から出発し てここにある「坂口屋」泊まりになるか、頑張って次の平等寺前の「山茶花」に泊まるということでした。
「坂口屋」を通り過ぎ、2.5km程で国道に出ます。近くに道の駅「わじき」があるのを知っていました
ので、ここで休もうかとも思いましたが、先が見えない行程です。国道を横切り直進。再び登りです。 大根峠はそれほど標高も高くないのですが、徐々に疲れも出てくるあたりです。と、突然峠の頂上に 老人が1人。地元の方のようです。あとは大したことないよと声をかけられました。山道から車道に下 りてきて平等寺がもうすぐというところで、軽自動車に乗ったおばさんが車を止めて栄養ドリンクのお 接待を頂きました。「すぐそこだから、気をつけて行ってらっしゃい」と暖かいお言葉。今回の旅で初め てのお接待らしいお接待でした。第22番札所平等寺到着。納経後休憩所で昼食と大休止。6時間か からず平等寺まで到達しました。しかし、今日はここからさらに11km先の田井ノ浜まで歩きます。時 間的には十分であることを確信しました。
平等寺からは、大きな車道をひたすら歩きます。途中からは国道55号線に出て、遍路旅で初めて
のトンネル歩きもしました。途中から海の遍路道方向(由岐経由)に入り、由岐坂峠を越えて由岐の町 です。さらに進んで田井ノ浜にある今日の宿泊場所「民宿明山荘」到着です。さすがに少し疲れまし た。それでも、着替えてすぐに田井ノ浜へ出てみました。川だけでなく海も水がとてもきれいでした。釣 りをしている方もおりましたが、遍路は修行。不殺生です。宿でゆっくりと身体を休めることにします。
10月8日(7日目) 晴
朝から気持ちよく晴れ上がり,清々しい気持ちで出発です。昨日の疲れもほとんどありません。宿か
らあめ玉のお接待を受けました。田井ノ浜から車道を歩いて木岐へ木岐の港から遍路道に入ります。 海沿いの遊歩道ですが、高台を進みます。車道に出ると間もなく山座峠。再び遍路道へ。この辺は車 道が曲がりくねっていてかなり内陸まで入り込みますが、遍路道はその車道をショートカットするよう に短い距離でつなぎます。車道は歩道がないため自動車が来るたびに注意が必要です。いよいよ日 和佐が見えてきました。遠くに薬王寺が見えます。あちらこちらでお祭りの準備風景が見られます。今 日は日和佐のお祭りのようです。阿波の国最後の札所、第23番薬王寺到着です。今回はここで区切 ります。納経を済ませるとまだ10時前です。日和佐の駅前には道の駅もあり、お土産を購入。一昨日 の物産館で頂いたミカンがとてもおいしかったので駅前の出店で極早生ミカンを購入しました。思いの 外安かったです。予定よりも一列車早く徳島へ向かいます。
日和佐から1時間半程で徳島到着。徳島で昼食を食べ、バスで神戸空港へ向かいます。神戸空港
からは夕方の便で仙台空港まで。日も短くなり夜のフライトの趣です。仙台空港からJRを利用して、 自宅に戻ったのは夜10時でした。今回の遍路道の総歩行距離は158kmでした。満足のいく区切り 打ちとなりました。
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