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四国遍路旅
遍路する人たちに対する住民の方々の印象はそれぞれだと思います。ただ、遍路する側からすれ
ば住民の方々への気配りを怠ってはいけないのではないかと考えています。あくまでもそこに住んで いる方々の生活する場をお借りして遍路していることを忘れないことがとても大事なことだと考えま す。
遍路することは、決して楽なことではないと思います。特に歩き遍路は身体的にかなりの負担があり
ます。だからといってお遍路さんが何かで優遇されるものでは全くありません。お接待をいただくこと が当然ではないのです。あくまで慎ましやかに、黙々と歩を進める姿勢こそ遍路の修行たるゆえんで あろうと思います。
某テレビ番組で、タレントが「誰かお接待してくれないかなあ」というのを聞き、これはお遍路でない
なと思いました。有名人だからこそ地元の方は声をかけてくるかもしれませんが、それは本来の姿で はないでしょう。お接待をしていただくことがあたりまえという印象を視聴者に与えるような番組編集は どうかと疑問に思います。
修行の場をお借りするのであるならば、必然的に会う方々には遍路する側から挨拶することも大切
です。遍路道であっても住民の方々の生活道路であるならば交通の妨げにならないような気配りも必 要だと思います。何かトラブルがあってもそれは自己責任です。
今回の区切り打ちで私は「他人のお世話にならぬよう、他人のお世話をするよう」という後藤新平の
言葉を胸に歩いていました。遍路することは必ず誰かのお世話をいただくことになります。それでも、 できるだけお世話をかけないような事前準備や計画が必要です。今回多くの外国人の姿を見ました。 外国からいらした観光客にまでそれを求めはしませんが、せめて日本人はそうした心構えをもってお 遍路すべきではないかと思う次第です。
お遍路さんはそれぞれの思いを持って歩かれると思います。自戒を込めて「遍路は観光ではない」
と心得たいと思います。 「南無大師遍照金剛」 合掌。
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