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今でもそうだが、昔は、勇敢な人、猪突猛進者、外交的な人をよしとして、そうなることを望んでいた。
いかに自分が、おくびょうで、石橋を叩いても渡らない人、内向的な暗い性格の人であったかである。
だから、いつも、ことある度に、自分は”だめだなー”と嘆いていた。どうして積極的に行かないのだ ろうと・・・。
高いところは、怖い。高所恐怖症だ。夢でも、なぜか高いところにいて、動けなくなり立ちすくんでい るのを、多々見る。物事の実施においても、よく言えば慎重で、全く、石橋を叩いても渡らない、と、 自分でもあきれてしまうのである。そんな、一連の性格を、”いやだなー”と思っていた。
今は、ちょっと違っている。長く生きるのには、高所恐怖症は、有効だ。
高いところは、落ちる危険が大きく、落ちたら死ぬ危険がある。また、勇敢であれば、しばしば危険に
立ち向かい、やはり、『死』に当たる確率が大きい。
対して、本能的に高所を嫌い、近づかなければ、落ちることもない。タイミングは重要だが、事を成す
にあたり、要件をいろいろ吟味することは、必要だ。がむしゃらに行動する前に、十分納得して、集中
して事に当たる方が、成功への道は近い。
近道にある落とし穴を避けて、安全な遠回りをすることも、必要だ。
いろいろな性格を身につけて、事に対応できることが大切だ。
むしろ身体は、生きるべく、”おくびょう”が、適している。しばし、立ち止まって、左右を見れる余
裕がなくては、危険だ。
前方だけを見ていては、左右・上下・前後の状況が見えない。周りから迫り来る危険を早く感知して、
生存の安全と思われる方向へと、身体を進めなくてはならない。
身体が”おくびょう”ということは、身体が、生きようとするのに積極的なことの現れとして、むしろ 歓迎すべきことなのかも知れない。
(05/04/15)