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ちょっとした軽食に駅構内等の『立ち食い』蕎麦屋を、よく利用する。なじみの店ならいいのだが、 初めての店の場合には、券売機の前で、品を選ぶのに、しばしば立ち往生する。
後に客が並んできたりしたら、もう、パニックだ。
事前にメニューを見ていないので、何を選ぶか決めかねているのだ。
他の客はどうしているのだろうか。
得てして、『立ち食い』の店では、券売機以外にメニュー表が用意されていない。
だから、客は、チケットを買う際に、初めてメニューを見ることになる。
品数が多く並んだ券売機のどこに何があるのかも分からず、金額はいくら入れていいのかも分からず、
後の客の視線を感じて、『えい！やー！』で、品を選び、ボタンを押してしまう。
充分に選定していないのだから、チケットを買ってからでも、まだ、選定の余韻が残っていて、
満足していない。次回は、しっかり選定しようと、心に誓いあきらめる。
この店に、今度何時来るか定かではない。結局、同じ不満足を繰り返す羽目になる。
メニューの確認のために、列に並んでいなければ、次々と後の客に抜かれてしまう。
それで、並びながら決めようとすると、小銭の確認をしている間に、突然、自分の順番が来る。
あわてて、うろうろしていたら、後から怒鳴り声が聞こえそうな、雰囲気である。
それが『立ち食い』蕎麦屋の特色なのだろう。
なので、いつも、カレーセットになってしまう。セットの、蕎麦かうどんかは、時の気分による。
また、つゆが、関東風と関西風に分かれていれば、即、『関西風』と、返事をすることにしている。
本当は、違う種類のセットも注文したい時があるのだが、気弱な私は、つい、つい、いつものボタンを
押してしまう。
店主は、客が、こんなにも繊細に、品を選定しているのだということは知らないだろう。
たかが、『立ち食い』だが、リピート客を得たいならば、客の心理をもっと、もっと考えるべきであろう。
いつも同じ品を食べているのは、客がそれを、好みで食べているのか、選定が面倒なので食べている
のかを、注意して観察すべきだろう。
そうすれば、リピート客の１品の単価が上がる？かもしれないのだ。少なくとも客の満足度はアップする。
最近は、券売機の脇でじっくりと選定してから、並んで購入することを試みている。
待つ時間の余裕が、他の人より増えてきたからだろう。
しかし、今日も蕎麦のカレーセットを食べてしまった。