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漂流救助、生還後の生き方(自然周吾)

先日のテレビで、熱海の漁師が、素もぐりでサザエを採っていて、潮流に流され、1昼夜 漂流して、熱海、初島間の定期旅客船に発見救助されたニュースを報じていた。

インタビューに応じていた当該漁師(40歳)は、元気そうで、表情も飄々とした、さわやかな、印象で あった。浮き輪もなく、ウエットスーツだけで、漂っていたそうだ。流れが速く、獲物のサザエ(40 キログラム?)は捨てて、飲料水のペットボトル1本を残して、浮いていたとのこと。

水泳があまり得意でない私には、浮き輪もなく、沖合いに浮いて漁をすること自体、出来そうもないが、 遭難し暗い夜の海上で、パニックにもならず(海には人食いザメも居るだろうに・・・)よく生きら れたものである。

画面を観ての記憶だけで、漁師の話を要約すると、 『声は海では、通らないことが分かった。(大声でも、船の音などで、声は聞こえない。) 船に発見してもらうには、船の進行方向の延長線上に居なければ、見つけてはもらえないだろう。 横傍を何隻かの船が通ったが、発見されなかった。
今回救助してくれた船は、たまたま、延長線上に向かって進んできた。足ひれの1つ(黄色)をはずし て、振ったのが良かった。助からないだろうと覚悟はしていた。こうして死んでしまうのかと思って いた。』

救助した船の船員の話しでは、ちょうど発見した時間帯に、風速が弱まり、波も穏やかになった。 遭難の連絡が入っていたので、周辺海上には一応注意はしていたが、見つかったのは運が良かった、 とのことである。

当該漁師は、生かされた、と言うようなことを話していたようでもある。(未確認)

私は、本人は、死んでも仕方がないと、覚悟を決めたが、幸いにして、救助された。 まだ、現世でやるべきことが、残っているので、生かされたのではないかと思う。 本人にも、そんな自覚があるように思える。
これからの人生を、どう生きるかが、当該漁師に与えられた、使命であろう。 40歳にして、死と対面し、淡々と話し、何の気負いも感じられない、熱海市初島の漁師橋本晴彦さん の、今後に、大いに注目したい。

(05/06/30)

(★事件のあらまし:
下田海上保安部によると、救助されたのは熱海市初島の漁師橋本晴彦さん(40)。6月27日午 後1時ごろ、素潜り中に潮に流されたという。着ていたウエットスーツに浮力があり、「無理 せず浮いていれば助かるだろう」と泳がずに体力を温存。救助されるまで眠らずに浮いていた という。)