Jr.TTT SSB ジェネレータ

回路図

基板実装図



 

● はじめに
 
  ベイビーTTTジェネレータを使い込んでいくうちに、IF増幅段のゲイン不足と
 AGCの効き具合について、だんだんと我慢できなくなってきました。
 特に常用ANTがフルサイズ3エレ八木から、短縮DPや牧野式MMLになったモノ
 ですから、なおさらゲイン不足に感じます。
  といったわけで、またまたSSBジェネレータを作りかえてみました。
 8素子TTTフィルタ対応として、受信IFを3段と送信IFを1段にしました。
 ここまで詰め込んだらスペースが無くなったので、SM出力を省略しました。
  いつもの通りに抵抗は1/4Wの一般的なモノを寝かせて取り付け、1uF迄のコン
 デンサは積セラか円盤形のセラコン、10uF以上はケミコンを使用しています。
 部品の耐圧は16V以上あればOKですが、なるべく小型のモノを使用して下さい。
 
 ベイビーの兄貴分になりますから、『ジュニアTTTジェネレータ』と命名しました。
 (初代TTTジェネレータ用のS/RFメーターユニットが、そのまま使用できます。)
 
 
● 回路説明
 
 ・ 受信回路
  『IF IN/OUT』端子に入ってきたIF信号は、8素子(又は6素子)のTTTフィルタ
 と1SS53のDi SWを経由してIF増幅段に入ります。
 2SK439Dで3段増幅後に、変・復調回路のSN16913Pに入り検波され、AF信号
 となって『AFG VR』端子に接続した10K VR経由でAFアンプのLM386Nの入力と
 なり、『SP』端子に出力されスピーカをドライブします。 
 
  AGC信号は3段目の2SK439Dのドレインから小容量で取り出して、AGC用のCR
 結合2SK439Dアンプに入力され増幅されます。
 2SK439Dのドレイン側に出力されたIF信号は、1N60で整流されて負電圧となり、
 IF増幅3段のゲート電圧を可変してAGC動作をさせています。
  AGCの時定数は、AGCライン-GND間の0.1uF、2.2MΩと10kΩに直列になった
 0.1uFで変更可能です。
 ローカルラグチュー専用とするなら、10kΩに直列の0.1uFを1〜10uFに変更すると
 感度の戻りがゆっくりになって聞き易くなりFBです。
 (オススメは1~2.2uFで、積セラが小型・無極性でFBです。)
 
 ・ 送信回路
  『MIC』端子に接続したECMからの音声信号は、2SC1815YのMICアンプで増幅され、
 変・復調回路のSN16913Pで平衡変調されてDSB信号となり、2SK439Dの送信IF段で
 増幅後に1SS53のDi SWとTTTフィルタを経由して、片側のサイドバンドが削り取られ
 たSSBとなって『IF IN/OUT』端子に出力されます。
 
 ・ キャリア発振回路
  キャリア発振は、2SC1815Yを使った無調整水晶発振回路です。
 ここは送受切り換えには関係なく発振しっぱなしですし、発振回路の負荷も送受切り
 換えには関係なく同一のSN16913Pですからバッファアンプも入れていません。
 ここの電源のみ78L05で安定化して供給しています。
  キャリア出力の波形が気になる人は、2SC1815Yのベース-エミッタ間とエミッタ-
 GND間のコンデンサをカット&トライする事で、出力されるレベルも歪みも調整可能
 ですが、発振周波数も変わってしまうので要注意です。
 
 ・ 電源ライン
  基板上の電源ラインは、IF増幅・AGC回路等受信用の『R+』、MICアンプとECM
 バイアスそれに送信IF段の送信回路用『T+』、それと変・復調回路とAFアンプ、
 キャリア発振回路用の『COM+』の3系統となっています。
 AFアンプ部分は、送受切り換え時に雑音を出さないように常時給電してあり、送信時
 には『T+』から抵抗を通してミュートさせています。
 
 
● 調整
 
 ・ 受信回路
  『SP』端子に小型SP、『AFG VR』に10kΩのボリュームを接続してから『R+』端子と
 『COM+』端子に安定化電源からの+12Vを接続します。
 
  12MHz位で30〜40dBu位にセットしたSSGの出力をトリファイラ巻きの1:9トランス
 でステップアップして『IF IN/OUT』端子に接続し、キャリアを入力します。
 この状態で既にSSGの信号を受信できているはずですから、基板端にある3個のFCZ 7S14
 のコアを回して、受信音が最大になるようにセットします。
 バーグラフ付のデジタルテスタでAGCラインの電圧を読んで、電圧最大となるように調整
 すれば簡単です。
 3個のIFT間で相互に影響しあいますので、数回繰り返して下さい。
 
 ★ この調整時にはかなり耳に付く音が出てきますから、適宜AFG VRを絞って下さい。
 
 ・ キャリア発振、送信回路
  『R+』への接続を『T+』へと変更し、『IF IN/OUT』端子にゼネカバ受信機のANT端子
 を接続します。
 『CARR.BAL.』半固定VRを左に回し切ってから、キャリア発振のモレをゼネカバ受信機
 で受信します。
 SN16913Pと送信IF段の2SK439D間にあるFCZ 7S14のコアを回して、このモレ信号が
 最大になるようにセットします。
  ゼネカバ受信機のSメータが振り切れてしまう時には、受信機側にATT等を入れてS=7
 位にするとピークがわかりやすくなり、調整が楽になります。
  次に先程左に回しきった『CARR.BAL.』半固定VRをゆっくりと右に回してゆき、ゼネ
 カバ受信機のSメータがすーっと下がるポイントを探します。
  ポイントが見つかったら、ATTをハズしてゼネカバ受信機を最高感度にして慎重に
 『CARR.BAL.』半固定VRを微調します。
 ゼネカバ受信機のボリュームを上げていっても、殆ど聞き取れなくなったらキャリア
 バランス調整は終了です。
 
  最後にキャリアポイント調整です。
 『MIC』端子にECMを接続して声を出し、ゼネカバ受信機からの受信音が高音〜低音まで
 バランス良く聞こえて、なおかつ逆側のサイドバンドが聞こえないポイントになるように
 X'tal近くの50pF TCを微調します。
  地声を良く知っている人とペアを組んで、相手に声を出して貰いながら自分はヘッド
 フォンでモニターし、一番自然に聞こえるポイントに合わせるのが一番楽で確実な方法
 です。
  キャリアポイントを動かすと当然モニターする周波数も変わりますので、モニタ用
 ゼネカバ受信機のダイアルでゼロインしながらキャリアポイント調整を行って下さい。
 
  調整手順が一通り完了したところで、再度全ての手順を繰り返して『仕上げの微調整』
 を行って下さい。
  この『仕上げの微調整』を行う事で調整が完璧になり、製作品に魂が入ります。
 
 
 ★★★★★★★★★★★★★ 注意 ★★★★★★★★★★★★★
 
  キャリア関連の調整は、昼間におこなう必要があります。
 12MHzにはAMの大出力放送が出ており、夜間になるとモニター
 しているゼネカバ受信機にこの放送波が直接飛び込んでしまい、
 調整不能となってしまいます。
  この超強力放送波は、RF UNITの動作にも影響を与えてきます。
 このためにRF UNIT受信回路のトップには、12MHzのトラップか
 キレの良いBPFが必須となります。
 
 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
 
● おわりに
 
  『ジュニアTTTジェネレータ』が、やっとこ完成です。
 『ベイビー』で気に入らなかったゲイン不足とAGCの効き具合も、なんとか我慢できる
 範囲まで回復ですし、8素子TTTフィルタにも対応できました。
  短縮ANT等を使用してもゲイン不足を感じることが少なくなりましたし、超強力局を
 受信してもAGCがそれなりに押さえ込んでくれます。
 TTTフィルタも6素子から8素子になって良く切れ、耳障りなキンキン・キャラキャラ
 もだいぶ減って聞き易くなりました。
  検波回路にIC-DBMを使用しているためか、大信号受信時にIF段がAGCでカットオフ
 寸前といった場合でも、今までよりも歪み感が少なく復調できています。
 この点では、初代TTTジェネレータより良好になりました。
 
  いつものように基板への入出力端子は他のバージョンと完全にコンパチですから、
 どのタイプのRF UNITと組み合わせてもOKですし、使用基板もいつものICB-293Gです。
 SN16913Pを死蔵している人には、特にオススメです。
 ハンダ付けさえチャンとできればさほど難しい工程はありませんし、調整ポイントも
 少ないので作りやすいSSBジェネレータです。
 
  あなたも作ってみませんか?
 
  自作の電波でQSOすると、いつものローカルラグチューも楽しさが倍増です。
  オススメですよ。
 
 
 

   03.09.01
 
                                       de JN1NGC
 
 
★★ このSSBジェネレータは、8素子TTTフィルタ用にできています。
   6素子TTTフィルタ使用時には、フィルタの中間部で水晶2個分をジャンパーして使用して下さい。
 
 

回路図

基板実装図
 

もどる