日本オルガン研究会
Japan Organ Society

2000年4月例会

オルガン見学会
立教女学院

2000.4.1
front view


 当日は永田穂氏による音響等の説明、海老原工務店:海老原信之氏の設置過程の解説、岩崎真実子氏によるオルガン演奏、そしてオルガン内部の見学が行われました。海老原氏の解説で興味を惹かれたのは「オルガンを組み立てる過程で、その都度レベル(水平)を測らずに一気に組み上げてしまった」という点であります。そして日本人では考えられないようなビルダーの怪力ぶりも聞いていて楽しいものがありました。アバウトではあるが結果オーライという一面を感じ取りましたが、実際には長年の経験と勘がそうさせるのでしょう。



 オルガン内部は見学にふさわしく(勿論保守点検の為であるが)一度に何人もが見学できるスペースを保っています。保守作業中など片手に物を持って昇降し易いように梯子付近には取っ手が付けられていて便利です。ふいご室の3つのふいごにはそれぞれ大きなペダルがついており(
写真:1)、切り替えスイッチによりモーター(自動)、足踏み(手動)を選択出来る様になっています。私も足踏みふいごを体験しましたが、想像以上の重労働でちょっとでもサボればオルガンの音は息絶えてしまいます。

 Zimbelsternも間近で見ることが出来、良く見るとベルにはテーラー&ブーディの刻印がありました。(
写真:2)オルガン内部からコンソール足下を覗くとスウェルペダルがあり、外の足鍵盤が見えます。(写真:3)隣り合うリードの共鳴管はスペースの関係上、縁を凹ませていますが(写真:4)、ビルダーの須藤宏氏に伺ったところ「凹ませても音には殆ど影響は無い」とのことでした。

 実際に演奏(操作)している最中にオルガン内部に入り、各機構がどの様な働きをし、どの様に動くか等が目の当たりに出来た事は、解説書でオルガンの構造を見ているよりも遙かに分かり易く、とても勉強になりました。


フォトアルバム

・正面から全体を見る
・コンソールを左から見る
・コンソールを右から見る
・コンソール内側
・製作者のサイン
・内部のパイプ(1)
・内部のパイプ(2)

(文責・写真:武田高太郎)


内 容:

・オルガンの紹介
  岩崎真実子(立教女学院オルガニスト)

・お話し
  永田穂(永田音響設計)
  海老原信之(海老原工務店)

・演奏
  岩崎真実子(立教女学院オルガニスト)




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