新旧K比較+α
せっかくだから並べてみました。




ウチにある縦置エンジンのK100RSと横置エンジンのK1300S。
この新旧BMW製バイク2台があるので、それを並べて新旧比較の与太話をしてみます。
で、そこにGPXも混ぜてどのくらいの違いが各バイクにあるのかも表現できる範囲で書いていこうと思います。
こういったのはやらないわけにはいかないでしょう。

今回は『ひと目』で分かるように等号不等号記号を使って、3台の個人的主観に基づく順位もつけてみました。




まず見た目の大きさ。
K1300S≧K100RS>GPX
見た目で一番大きく見えるのがK1300Sで、K100RSよりも大柄に見える。
多分、ミラーの幅が一番広い(=この幅が車幅?)としても、その幅よりも車体フレームの幅が目立つK1300Sは
他の2台と見え方が違うので、3台中で一番ファットに見える。そこに独特のデザインのカウル形状も手伝ってさらにファットに。
それ輪をかけて、タンク上面の高さも高く大きな面積で迫って見えるので、K1300Sに跨がると寸法以上の迫力があります。
って訳で、K1300Sが一番大きく見える。的確な形容詞ならファット!

K100RSはカウルの幅(=ウィンカーの幅)が広いけども、タンク部分はさほど幅広くはないから背が高いように見えるし、
そのカウル形状から全長も長く見えて、意外と車体全体が細長〜く見える。
カウルの無いK100だったらもっとスリムに見えると思う。
全長はK1300Sが2215mm、K100RSが2230mmだから見た目からくるほどの差は無い。
ちなみに高さはK1300Sが1210mmでK100RSが1271mm。ここは見た目どおり。

GPXは完全に400ccに見えます。全体の寸法がBMW勢に対して小さめに出来ていて、コンパクトにまとまってる。
元々の排気量も750ccだし、そのコンパクトさがGPXの売りの1つだから、この寸法に『小っちゃい』なんて不満は無い。
ちなみに全長2115mm。BMW勢よりも100mm小さい。

で、以前にもやった全体の寸法が分かるような写真を並べてみる。車体に高さが分かるように下から30cmごとに印をつけてます。
さあ、あなたも30cm定規を持ち出して自分のバイクにあててみよう!



前傾55度エンジンのK1300Sは他のバイク(ハヤブサとかZZ−R1400あたり)に比べて
極端に低重心かと言えばそうは言えなさそう。
まあ、低いとは思うけども。
エンジンは30cm以上60cm以下の部分にまとまってはいても、タンク上部に
バッテリーを置いてる時点で低重心化はスポイルされてるんじゃない?



まさにBMW流低重心の権化のようなレイアウトのK100RS。
重たいエンジンは60cmあたりで収まってて、バッテリーもそのあたりにある。


で、GPX。
日本製並列4気筒バイクとしては極普通のレイアウトで作ってあるから
とりたてて低重心ってわけでもない。


ちょっとオマケで、K1300Sの重量の話。
車検証記載の重量でK100RSが280kg・GPXが220kgだったんですが、K1300Sの重量は



驚きの250kg。
カタログとかだと258kgって書いてあったから、260kgと予想してました。





次に停車時の取り回しは。
GPX>K1300S≧K100RS
これはほぼバイクの車重が軽い順。そもそもの車重・全体の大きさが大きく左右する取り回しは、GPXが一番楽。
ハンドルで押すときもバイクに跨ったままでも自在に操れる。こういうときは小さくまとまったのが一番。
それに、GPXのハンドルの切れ角は十分取れてるから、狭い場所の取り回しでも苦労は少ない。

そのハンドル幅は・・・・・だいたい同じか。極端に幅が違かったりはしてないと思う。
幅も位置もしぼり具合も乗り手がカバーできる誤差の範疇。


     
そのGPXは・・・・約63cm。


     
K1300Sは約67cmくらい。ちょっと幅が広め。


     
K100RSは約62cm。


BMW勢は2台ともシャフト駆動のせい?なのか、停車時の移動は苦労します。
K1300SはK100RSよりも軽いのに、何故か押したり引いたりするのがK100RSより重たく感じる。
具体的には「ブレーキを引きずりながらバイクを押してる」感じ。車検証の250kgってのがウソに思えるほど重たい。
K100RSよりもシャフトが長いから?それとも190幅のタイヤのせいか?分かりません。
早朝ツーリングに出かける際に、近所に迷惑にかけないために大きめの道路まで移動するのがかなり大変です。
それに、左右に取り回すときにいっぱいにハンドルを切るとタンクとの間に手首が当たって(挟まって)、
デュオレバーを駆使して獲得したハンドル切れ角を十分に使いきれません。
BMWのテストライダーはよほど手首が柔らかいに違いない。


     
切れ角自体は十分ありそうだけども、
いっぱいに切るとハンドルがタンクの抉れにジャストフィットしてしまって
手首が辛い。


で、K100RS。
停車時の取り回しはこの3台の中では最悪。K100RSだけしか知らないならいいかもしれないけど・・・・・。
その車重が全ての元凶の元となってます。
ただ、重たい割に一回動いてしまえばあとの動作自体はそんなに(思ったほど)苦労はしない。
前後移動中の手ごたえはK1300Sよりも軽いから、そこは助かります。
それでも、条件が悪い中での取り回しは・・・・まあ、ハンドル切れ角は十分だから取り回せないことはありませんが
坂道の途中とか砂利道の駐車場とかではやりたくない。


     
ハンドルはこのくらいまで切れて、隙間がこのくらい残る。


GPXはK100RS並みのハンドル切れ角があってそこそこの隙間も残るから,、車重の軽さも手伝って
取り回しとかは一番やりやすい。


     
ハンドルの隙間はそんなに余裕がなくても
心の余裕は3台中で一番あるかも?


取り回すついでに、乗ってる姿勢も比べてみよう。


     
身長185cmの人間が乗ったら、K1300Sにはこう収まります。
腕の位置はともかく、足の位置には未だ慣れません。
他の2台に比べてバックステップ気味のステップの位置が馴染めずに
たまにステップではなくシフト&ブレーキペダルの先に足を置きそうになります。
(足の膝とクラッチの位置関係に注目)


     
で、K100RS。
ハンドルも3台中一番高めにあって、足もゆったりと収まって快適な姿勢に。
慣れちゃえば、やっぱり一番楽な姿勢かもしれない。


     
GPXは姿勢的にはK1300SとK100RSの中間みたいな姿勢か。
腕はK100RSよりも低く、足はK1300Sよりも自然な感じ。
BMW勢に比べたら狭苦しいかもしれないが、姿勢がキツい感じはない。


さて、エンジン始動して「買い物」で市街地をウロウロするなら・・・・。
GPX>K100RS>K1300S
これも上の取り回しの延長で、車重とハンドル切れ角(の余裕)が決め手。付け加えるなら、後はエンジンパワー。
GPXはこういった使い方ならちょうど良いくらい。よく考えりゃ、750ccのバイクで買い物ってものオーバーですが。
コンパクトな車体は渋滞のすり抜けも気にならず、信号ダッシュで先頭は取れなくても流れの先頭集団には入れる。

K100RSは重たいバイクですが渋滞でゆっくり走っても大丈夫だし、左右のウィンカーの幅さえ気をつければ
渋滞をすり抜けるのも平気。
停車時には気を使うような場面が多くても、多少でも動いてる状態ならそれほど気を使わずに走れる。
ただし、それは気候の良い秋〜冬〜春くらいの話で、夏場に渋滞を走るのは何か修行のようです。
心頭滅却すれば火もまた涼し。

K1300Sはそういった使い方をしてるとイライラする。
まあ、やってやれないことはないけども、頭の中に「モッタイナイ」とか「使い方間違ってる」とかの文字が浮かびます。
今は慣らし運転期間ってこともあって市街地をウロウロすることも少ないですが、その少ない場面でもイライラしました。
慣らし運転中でも有り余るパワー感と周りの流れ方が違いすぎると、水温計よりも血圧が上がりそうになります。

K1300Sに乗ってると、1000〜1300ccくらいの他車が信号待ち後にエラい勢いでスタートする気持ちがわかります。
こういうバイクに乗ってると、少しでも前が開いてればその空間を有効に使いたい

ついでに、K1300Sは荷掛けフックの類があまりにお粗末なので、買い物には不適なバイクです。
バックか何かを背負ってく必要があります。


市街地での買い物も済み、散歩がてらに交通量の少ない郊外の道を走りに行ったら。
K1300S≧K100RS≒GPX
交通量が少ないという条件付ですが、こういったところを走るならK1300Sが最高に楽しい。
ヘタクソな私でも上手く走れてるように思えるくらいに快適な速度で安全に走れます。
買い物ルートになってる道の途中に緩いコーナーがありまして、K100RSやGPXで走るとおよそ80kmくらいで
曲がる程度のコーナーをK1300Sでは100kmで行けました。それも緊張感はK100RSやGPXで行けたときと同じくらいで。
同じ緊張感でならK1300Sは明らかに使用速度域が上がります。しかし、裏を返せば上記の市街地を走るときのように
使用速度域が低いと、他の2台では普通に思える速度でもK1300Sでは物足りなくなります。

K100RSとGPXはほぼ同点扱いです。
それぞれに楽しみ方・走らせ方があって、どっちの順位が上とは決められないです。
ただ、どちらかと言えばK100RSよりもGPXの方が体力がいるので、この順番になります。
気分を例えるなら、K100RSの方が穏やかに走れて、GPXはちょっとスポーティーで軽やかな感じか。

まあ、交通量の少ない道は何に乗っても楽しいと思うので、あまり参考にはならないかぁ〜?


最後にツーリングに行くとしたら。
まだK1300Sでは日帰りツーリングしかしてないので、予想値も入ってますが・・・・・・。
K100RS≧GPX≒K1300S
K100RSでツーリングに行くのは、もう鉄板な組み合わせでしょう。極論すればそのためだけに存在するバイク。
夏場の暑さ(熱さ)さえ無ければ年中何処にでも行ける。安心してそこそこのスピードで距離を稼ぐ走りが出来て
その割には燃費も良い。急いでも、ゆっくり走って景色を楽しんでも、行った先でバイクを気にせずに
自分の気ままに扱える。
問題はただ一点、そういった使い方が最高と分かってるのに、その使い方が出来ないこと。

GPXとK1300Sはツーリングに行けない訳じゃないけれども、それぞれにK100RSに足りない・及ばないのがありまして、
そこがK100RSとの差になります。

GPXは回転数を上げる(=スピードを上げる)と燃費も悪くなる点。
自分のGPXだけの問題でしょうけど、スピードで距離を稼ごうとしても早めの給油タイミングになってしまい
結果、時間は変わらず。
でも、それはツーリング時にある程度それを見込んだ予定を立てておけばいいだけのこと。
あと気になるのが、やはり防風性能。長距離を走るとこれがかなり肉体疲労に繋がるので、K100RSよりも
前傾姿勢で走るか体力任せで走るしかない。そういったのがマイナス面です。

K1300Sは『日帰りツーリング』でお土産も何も買わず『空荷で往復するような使い方』だったら
K100RS以上のスピードでより短時間で目的地に行けると思います。
標準のローシートでもK1300Sらしく前傾姿勢をとると妙に車体との一体感がでて、あのシートでも快適に走れます。
シート自体の固さはK100RS>K1300S≧GPXって感じで、『シートそのもの』の不快な印象はナシ。
が、そんな姿勢でK1300Sらしく走らせてると。K100RSやGPX以上に周囲に気を使い(主に取り締まり関連に)
より以上の体力も必要とし、行った先の観光渋滞でイライラするのをガマンする覚悟が要りそう。
燃費はどうだろう?慣らし運転に気を取られて、燃費を全然気にしてないので市街地・ツーリングでの燃費は不明です。

それにK100RSと同じBMW製バイクとは思えない積載性能の低さなので、長距離・長期間のツーリングには
不向きではないかと考えます。
オプションの小さいケースに何を詰めろというのか?
BMWの定める『RS』と『S』ではツーリングにおける定義が違うのだろうか?
ナンダカンダ言って、K1300Sで長距離・長期間ツーリングをすることは無いだろうから、このことは諦めよう。
時間の少ない休日での弾丸日帰りツーリングだったら最適でしょう。




と、取り留めなく書き連ねてみましたが、結局のところ全てにおいて「ベストの一台」ってのは見当たらず。
どれも長所・短所があり、良い意味で住み分けが出来てるかなぁー?
そういった視点から見れば、3台持っていても大丈夫。

さて、これからも上手く使い分けて、周囲から「1台にすれば?」と言われないようにしよう。