馴れ初め話
あるライダーの異常な愛情?
私は如何にして心配するのを止めてローンを組むようになったか。






とりあえず、K1300Sを購入したばかりでネタも何も無いので、こんな話から進めたいと思います。




確か2005年の夏ごろだったでしょうか。
BMWが『新型並列4気筒エンジン+ダブルウィッシュボーンのようなフロントサス』のバイクを発表し、
そのバイクに非常に興味が沸きました。

日本車と同じ4気筒のバイクなのに、独特のフロントサスを含めて日本車とは違うアプローチでの車体構成に、
遥か昔のK100を発表したときのような「易々と日本車のマネはしないゾ!」とBMWの主張を感じたのは
自分の単なる思い込みか?

それは置いといて。
K100RSを購入して幾らか時間が経っていましたが、「もう少し待ってれば、K1200Sが買えたか?」などと
思ったりしてました。
まあ、新車の価格が200万近い高額に「手が出ないな」とすぐに諦めましたけどね。

しかし、それでも当時の頭の中の片隅にK1200Sの姿が刷り込まれ、ずっと引っかかってました。
4輪の方ですが「エンジン屋」と形容されてたBMWが作ったバイク用の新型4気筒エンジンのハイパワーと、
かつて筑波サーキットでも走ったことのあるブリッテンV1000同様のフロントサスを持った車体を兼ね備えたバイクが
存在するってのが、ちょっと現実離れした雰囲気に感じられました。
資金さえ用意出来れば、そんなバイクが買えるんですよ。

でも、4気筒エンジンのハイパワーってだけなら、日本車でもそのパワーを持ってるバイクはたくさんありますし、
あのフロントサスが絶対に必要な装備であるわけでもなく、購入したいバイクの候補になることはあっても
新車ではなくGPXやK100RSと同じく「中古で買う」のが一番現実的な計画であり、実現可能な目標でした。

そんな自己妄想を日々繰り返してる間に各バイク雑誌での試乗記が出て、自己妄想はさらに膨らんでいったんですが、
BMWの初期型に多く出てくる(?)機械的・電気的不具合の数々に、当初の意気込みも何処へやら。
「初期型はやめて、(中古で買うにしても)次にでてくるであろう改良型の方が良いだろう」と勝手に決めつけ、
目標は先延ばしされて「いつの日か買うぞ」的な曖昧な目標になってました。

もっとも、GPX&K100RSでのバイクライフを満喫出来ていたので、
K1200Sや他のバイクなんかも気になるバイクとして頭の中にフワフワ浮いていたりしてましたが、
浮いているだけでこの2台と入れ替わる考えまでは行き着きませんでした。
自分にとっては、この2台は「良いバイク」なんです。




が、2008年。
前にも書いたことですが、日本で走るバイクの馬力規制が解除され、その一方で新しいバイクの騒音&排ガス規制が
開始されたせいで、多数の既存バイクが生産中止に追い込まれてカタログ上から消え、
新型輸入バイクが「日本仕様」という形でずいぶん荒っぽいやり方(一定以上エンジンが回らないようにして
騒音が出ない=パワーがでない?ようにした)で登場しはじめました。
本国仕様だったら170〜180馬力出るようなバイクが、日本にもってきたら半分以下にまでパワーが下げられて、
『牙を抜かれた狼』どころか『去勢された狼』みたいなバイクになってしまうほど。
(確か、ドカにそんなバイクがあったような)
また、日本製逆輸入車も逆輸入しづらくなったようで、予想どうりにヤマハの新型V−MAXが逆輸入できずに
国内仕様って名前でパワーを押さえた改造をされて市販される始末。
※でも、裏技で逆輸入仕様のV−MAXを取り扱う店もあるようですが、それまでの逆輸入バイクと同じように
取り扱うのは面倒臭そう。

90年代にも「フルパワーバイクが無くなる」噂が出たりしましたが、そのときには結局何事も無くフルパワーの
バイクが日本中を走り回ってました。が、今回は噂で済まなくなったようです。
どうなっちゃうのでしょう?本当にフルパワーで走ることは出来なくなってしまうのでしょうか?
フルパワーでなくても排ガス規制に通らずに販売が終わるバイク(これも確かSRとかW650とか
ハーレーのスポーツスター883がカタログから消えてるような気がする。)もあるので、巷に『牙を抜かれた狼』
もしくは『去勢された狼』がどんどん増えてくのでしょうか?

そういうことを妄想し始めてからと言うもの、頭の中に「今買えるバイクを買う必要がある」と思い込むようになり
またK1200Sへの想いが再燃し始めたんです。
そんな時に新型のK1300Sが発表され、「もしかしたら、パワーダウン仕様になるのか?」と心配したんですが、
何事も無いように本国と同仕様で発売されることが分かると、目標をK1300Sに変更。
今の自分の環境で買うにはどうすれば良いか真剣に考えるようになりました。




真剣に考えるようになった別の理由として、もう1つの妄想がありました。
それは、『歳と取ったせいか、何となくバイク熱が冷めた?』と自分で感じるようになったんです。
かつてGPXでの最長不倒距離達成への執着とか、K100RSで一気に九州までツーリングに行ったりとか、
バイクに乗ることへの情熱みたいのが自分自身の中にあったと自負しているのですが、
ここ最近そういった情熱が若干弱くなったというか小さくなったというか・・・・・・・。

それ以外にも、食べ物の好みが「オヤジっぽくなった」と思ったり、体の動きが頭で思った通りにならないとか
『老化現象』と思える出来事が自分の身に起き始めていたんで、そういったことを含めて『歳を取ったなぁ〜』
シミジミ感傷に浸ることも最近多い気がします。
それを「仕事が忙しいからだ」と理由をつけてしまうのも簡単すぎるし、「いつまでも情熱が続かないのは普通のことだ」と
見て見ぬ振りをするのも良いかもしれません。
でも、そうしたらこの先より一層老化現象に拍車が掛かるのは目に見えてます。

これを読んで笑う人もいるでしょうが、自分自身でそういった事に気がついてしまったから、さぁ大変。
ここは一発「最速バイク」ってヤツを経験しておいたほうがいいかも?と
これまた妄想してしまったのも購入決意の理由だったりします。




まず、K1300S購入に際しての一番の問題は、「置き場所が無い」ことでした。
「K−バイクで行こう!」で良く使うGPXとK100RSが並んで写ってる写真がありますが、あれが自分が使える
バイク置き場の全てなんです。
もしK1300Sを買うとすれば、GPXかK100RSのどちらかがその場所から追い出されるわけで。
それはあまりにも厳しい選択でした。どちらか一台だけなんて言わずに、出来るなら両方置いておきたい。
しかし、どう見たって2台分のスペースしか無いので、やっぱりどちらかはここから出す必要があるんだなぁ。

この一番肝心な問題の解決策を見つけるのに多くの時間を費やしました。
そんなある時、仕事の移動中にふと見つけたモノが一気にこの問題を解決するかもしれないと閃きました。
最近街中に「コンテナボックス」とか言う収納コンテナがあちこちにありませんか?貨物用コンテナを小さくしたようなヤツ。
あれにバイクを入れることが出来たら良いんじゃない・・・・・と。
それから近所にあるコンテナボックスを物色して、運よく空いてたコンテナを借りることに成功しました。

これで置き場所についての問題が解決し、K1300S購入作戦が俄然現実味を帯びてきました。




この問題が解決したのが、2009年の6月ごろ。
ちょうどその頃にK100RSの定期点検が終わり、ディーラーに引き取りに行ったときにさりげなく聞いてみました。
「K1300Sのハイラインってすぐ手に入るんですか?」
そうしたらBMWジャパンの在庫を調べてくれ、返ってきた返事が「今、日本に2台ありますけど・・・・・」

自分の『狙い目』で言ったら、ABSのみ付いたハイラインで決まり。ESAとかASCとかクイックシフターは要らない。
金額的にもそっちの方が安く上がるし。
だいたい、そういったのを付けたって、多分3ヶ月くらいしたら飽きると思う(自分がね)。
さらには、最初から付けても問題無さそうなハイシートも、じきに交換してしまうであろうHIDとかも省略。
なるべく費用を抑えて見積もりを作ってもらい、自宅に持って帰っていつものようにしばらく悩んでました。

でも、それほど長く悩むことなく、そんな話をしてた6月中に潔くK1300Sの購入を決めました。
だって「この2台が無くなったら本国からとりよせるのに2〜3ヶ月掛かる」って言うんだもの。だったら、今買うゾ。
とにかく資金的に厳しいのはどうしようも無いので、とりあえず的な金額の手付金をディーラーに支払っておいて、
8月のボーナスをさらに加算し、残りをローン支払うという作戦を立てました。




今回のK1300S購入作戦の概要を説明すると・・・・
まずK1300Sの納車時期を2009年の9月〜10月のあたりに決め、それまでに購入費用を集めておいて
足りない分(絶対的に足りない)をローンにするというものでした。
納車を9月〜10月ごろにすれば、当然将来の車検の時期も3年後の9月〜10月ごろになるわけで。
そうすると、GPXやK100RSとの車検(この2台の車検は2009年の9月と10月)と1年おきに受けれるようになるから、
※GPXとK100RSの次回車検は2011年だけど、K1300Sは2012年の車検になる
3台の車検をこなすにはそういった車検時期が1年おきになるようにしておきたい。
そうしないと、3台の車検なんてこなせないから。
それに、K1300Sの納車まで幾らかの時間的猶予があれば、金策する時間も稼げるし。
ローンを組むのはやぶさかでないけど、それでもその金額自体はなるべく少なくしたいのが小市民的発想か。

なので、2009年の北海道ツーリングは、ほぼこの時点(6月)でうやむやになってました。
一応、8月の予定を立ててフェリーやらホテルやらの予約もしておいたんですが、いざ8月の休みになったら
長引いた梅雨のせいか、予定日程の北海道の天気予報が悪すぎて諦めました。また、来年行けばいいさ。
(この辺にも、何となく情熱の冷めた感じが・・・・・・・・)




その一方。
K1300Sの金策のためにありとあらゆるトコロから資金をかき集め、少しでもローン金額を抑えるために節約し、
かなりストイックな生活をしてました。
ただブラブラとバイクで出かけるだけでもそれなりの出費(ガソリン代)になるから、天気の良し悪しにかかわらず
家でゴロゴロしてる時間が多かった2009年の夏でした。

そして9月の連休。巷では「シルバーウィーク」なんて呼んでたみたいですが、こっちは「オレンジウィーク」と
呼んでもいいくらいの気持ちでこのときを待ってました。
本当は連休初日にでも『K100RSを車検に出して、その帰りにK1300Sを納車する』ってことにしたかったんですが、
連休のうち2日間はお彼岸の墓参りに行くことが決定してたんで、それが終わってからディーラーに行ってきました。

車検に出すK100RSと入れ替わりで乗って帰るK1300Sは見た目から「スゴいバイク」ってオーラを出していて、
正直「トンデモナイバイク買っちゃった」とビビりまくり。
ディーラーの人に各部の説明を一通り受けながら、かつてGPXやK100RSを引き取りに行ったときとは大違いの
気合の入れようでK1300Sを眺めていました。




と、まあこんな経緯を経て人生4台目(4代目)となるバイクが来たわけです。
それまでの乗ってきたバイクとは一線を画すバイク・・・・と思われるので、今まで以上に『取り扱い注意』が必要でしょう。
でも、その一方では人生初の「現行モデル」のバイクなので、今までとはちょっと違う『安心感』も感じてます。
(でも、BMWだからなぁー。)

そういったK1300Sの四方山話を取り上げて「横K−バイクで行こう!」をスタートさせます。
これまでのGPXやK100RSの同様に、ダラダラとK1300Sについての文章を書いていきたいと思いますので、
今後の展開にご期待ください。