10センチ! 
Photo & Text by  中田 伸二

釣行日 6月12日

梅雨入りしたと言うのに、一向に雨が降らない日が続いている。10日に内谷さんと日置川水系に行った時には、攻める場所もなく数釣りをしいられた。「雨降って、水位回復せんと、釣る場所ないよ」
その日は、早々に切り上げた。翌日の天気予報は雨。「ちょっとでも降って、水位10センチほど上がってくれんかな」 そんな甘い期待をもっていたら、そこそこ雨が降った。タイミングよく翌日は休み。「明日、何処へ行くん?」「水も増えてるやろし、あのポイントへ行ってくるわ」内谷さんとは、そんな話をしていた。

翌朝、期待して行って水が増えてなかったら、がっかりするので、はやる気持ちを抑えるかのように、わざとゆっくりめに出掛けた。目指すポイントに着くと、先客がいる。「鮎師か?」その横をあいさつだけ交わし、ポイントに向かった。

「おおーっ、本当に10センチ回復してるぞ」
そそくさと仕掛けをセットし、第一投。反応が返ってこない。駆け上がりから、攻めてみるが、外道のウグイやハイのオンパレード。いくら、水位が回復したと言っても、この状況なら白泡のしたかな。そう思って、錘を少し重めにしてゆっくりと白泡の中に馴染んでいく様にする。すると、良型のあまごが喰ってきた。その後から、同型のあまごが5.6匹ついてきている。「今日は、このパターンやな」
24センチ。ちょっとだけ、気合がはいる。しかし、しばらく、沈黙が続いた。流芯の脇には、5センチほどのチビあまごが何匹もおよいでいる。もっと、白泡直下に居るのか、それとも、錘があっていないのか。錘を足したり、はずしたり、仕掛けを投入する位置をずらしてみたり、色々やってみる。対岸側から投入し、ゆっくり泡の切れ目まで流してきたとき、目印がすーっと上流に動く。

「来たか」

合わせを入れると、小気味良い引き。上流に向かって、魚が走る。竿で溜めてゆっくり魚を誘導する。落ち着いて、取込場所まで誘導し、タモ入れ。微妙な大きさだ。水場から離れて、ベストからメジャーを取り出して、計測してみると、ざっとではあるが30センチを越している。ホッとした。釣れない日々が続き、回りは釣れているし、27センチ止まりだったので、やっと片目が開いた感じだ。この1匹だけって事は、ないだろうと思い、2匹目を狙っていく。その後は、5匹、24センチを追加した。一度だけ、怪しいアタリがあったが、合わせ損ねてしまった。すっかり、アタリも遠のいたので、一度車に戻った。検寸板に載せてみると、30.3センチ。携帯で写真に収める。活かしビクに入れてきたが、死んでしまっていたので、検寸板の上の写真しか取れなかった。場所移動したが、良い釣果は、得られずに家路についた。自宅で道具を下ろして、釣れたよメールを、送った。すると、健一君が40オーバーを取り込んだというではないか。すっかり、脇役にまわってしまった感があるが、自分なりに結果を出せた一日だった。

体長  30.3cmcm  重量  315g  ♀
 
●竿     マミヤ・オーピー  峡本流 83-90
●ハリス   トルネード黒渓流0.5号
●ハリ    サツキマス1号
●エサ    ミミズ