実におもしろい!
Photo & Text by 中村 元英
釣行日 3月 1日 |
解禁日前日、栗栖川の降水量が降り始めから100mmを超えた。富田川も久しぶりぐらいの大水。
「これは明日無理だろうな、日券今日中なら払い戻しできんかな〜」
などと本気で考えていた。いつも行く川なら年券を買うのだが今回は川変更のためとりあえず日券。だから雨で中止となると痛いのである。それと今回中止になるともっと痛い理由がある。岩魚を釣るチャンスなのである・・・宮崎君より電話があり
「平水より15cm高 予定通り行けますね」
富田川がうそのように水が出ていないとの事。仕事終わり少し仮眠を取って出発する事になった。
22時いつもなら子供を寝かしつけるといっしょに眠れるのだが(子供より先に寝ますが)眠れない・・・興奮と若干3歳と5歳が暴れまわっているので 全く眠れない。出発時、雨は止んでいるようだ。寒いかといえば寒くない(これで油断しました)。あとは奥の方が降ってないといいんだけどな〜と車を走らせる。
宮崎君を拾い一路○○川へと車を走らせる。暗がりの中でも富田川は水が多いと感じられた。途中、挨拶とお礼と情報収集に○○食堂に寄せてもらったがありがたい情報と大きな期待を頂けた。
「無理しないでね 気を付けて」
「入れ食いだよ」
と送りだしてくれた。ありがとうございます。前を走る車、後ろから来る車、みんながライバルに見える。現地へ到着したのだが かなりのええ感じの場所なのに先客がいない。途中何台も車が止まってあったのだがいない・・・車があると先をこされたなと悔しいのだが、逆にいないと寂しいものである。特にこんな山奥では。ここは素直にポールポジションを喜ぼうと。
朝まで仮眠するはずが眠れない。興奮で眠れない。外は霧のような雨が降りだしてきている。とうとう眠れず夜が明ける寸前には眠たくなってきた。万が一ウェダーをはいて万全の体制で誰かが来て車を下りたと同時に先をこされるとまずいので早朝5時まだ暗い中、掛かり気味に支度をして山道を歩く。運動不足がたたり足がもつれながら山道を歩き川へと下りる。心臓が興奮と息切れのためバクバク言っている。仕掛の錘が小さくて手に付かない。噛めない。この時期使う錘は非常に小さい。割れ目も見えにくい。仕掛は0.25の通し。(この時期は0.5の通しでも可という説もあるが。)
「少し水が多く流れも早いので大きいので底にドスンと行こう」
少し大きめの錘を付け(つけやすいので横着した。本当は小さい錘を数打ち流れと深さで調整する、)
第一投・・・ 無反応
第二投・・・ 無反応
活性が上がらないのか食ってこない。先は長いのだが少し心配になりあせる。初あまごは宮崎君に先をこされた。これでまたまたあせる。少し上流に仕掛を入れ馴染ませる。大きく目印が入り合わせを入れる。手に伝わる感触、ようやく一匹目。
ほっとした。しかし入れ食いと言うほど続かない。ポツリ ポツリとは釣れるのだが。上流へと上がる途中あまごの塊がさっと逃げる。魚はいるのだけど活性が上がらないのか。次のポイントは少し粘って見た。少し上流に仕掛を入れエサを切る。何回か繰り返し仕掛を馴染ます。
「コツン」
合わせるとグッと持っていく。やっぱりおるんやね〜 デコピンを一発! ビクに入れ直ぐに仕掛を再投入。入れ食い状態で5匹ほど続いた。
「これが解禁日やね〜!これが続いたらおもしろいけどね〜」
しかし、気温が下がり雨が強くなってきた。途中川を横断するのに滑って手をついたためカッパの下の服が冷たい。大粒の雨が竿に当たり一瞬当たりと間違う。ガタガタ震えるため目印が上下する。
「釣りづらいな〜家に帰って風呂入りたいな〜 せっかく魚が続いて出るようになったのに」
ひとまず気持ちを切り替えるためお昼にする事にした。バーナーに火をつけうどんをセット。うどんの中に容赦なく大粒の雨。精神力との戦い。別に競っているわけではないのだが、いっしょに釣行している宮崎君との釣果に差がついていく。ビクを覗くと大きな魚が入っている。聞くと0.3号を何回か切られたとの事。
「尺あったんちゃうか?」と・・・・
「あかん、あかん。解禁日にこんな場所に2人だけで入れて あまごより風呂とは辛抱が足りん」
ねじを巻き、震える体に鞭を打ち仕掛を投入する。目印が止まる。根掛かりかな?と思い竿を上げようとすると、目印下付近の底にへばりつく魚。(そろそろと寄ってきてへばりついた姿が一部始終見えました)「はぜでも食ったのかな」と思い一応合わせを入れる。強烈な引き、仮ハゼが走り出した。頭が黒く体が金色、なかなか上がってこない。淵の中を走り回る。
「こいつに走り回られても解禁日だから次続くやろ」
と思い十分疲れてもらいゆっくりと上げてきた。岩魚である。25cmぐらいか、スリムな体型なので少し細長く見える。まさか本当に釣れるとは思ってなかったので嬉しさがこみ上げ、にやにやしてきた。
震える手(この時は寒さではなく)で再度投入。やはり今度はアマゴがすぐさま食ってきた。これ以上は水が多いため上れず下流のポイントに移動する事にした。非常に残念ではあるが。(チャレンジした大柄の宮崎君が一瞬浮きました)「無理しないでね」の言葉が頭をよぎった。上流でのイクラの匂いが下流へと流れているため下流では入れ食いであった。一つのポイントでポンポン連続出る。同じ流れでおもしろいように。結果的に上流へ向かえず下流にポイントを代えたのが良かったのだと思う。
今回平水より15cmから20cm高く瀬では釣りづらかったがもう少し低ければ最高な状態だと思った。合計47匹 内岩魚が8匹 20cmから25cmが13匹ありました。平均的に型も良くおもしろかったです。そして何より岩魚。まさか釣れるとは思ってなかったので大満足です。
ありがとう宮崎君。本当におもしろかった。ええ場所やったね。
あと帰りの途中 大物が付きそうな場所を教えてくれたのですが・・・年券 買えばよかった。