恒例のアマゴ飯! 
Photo & Text by  田中 健一

釣行日 4月28日

午後2時に有田川に到着した。天候は雨上がりの快晴で、水はやや高めだが濁りは無い。3月8日、解禁間もない日高川での釣り以来、久しぶりの釣行となった。

東北大震災(M
9.0)の深刻な被害の状況は心に重くのしかかり、また、仕事の忙しさも加わってその後の釣行を中止させていた。3月11日午後は夜勤明けでコタツで熟睡していた。すると電話が入り「東北で物凄い地震が起こったよー、大津波警報が出てる!大変なことになっているよ」とのこと。テレビをつけると各局緊急ニュースだ。大阪でも震度3。宮城県名取川河口付近のNHKヘリ空撮画像が生放送で入ってきた。思わず「あーーっ!」と声が出る。津波で破壊された建築物の瓦礫が、波に乗ってさらに家々や車をのみ込んで行く。2004年のインド洋大津波(M9.1)での放映画像と同様の恐ろしい形相だ。津波火災も方々で発生している。あまりの惨たらしさに涙が出た。すぐに職場や身内と連絡を取り合う。1995年の阪神淡路大震災(M7.3)当時の記憶がよみがえり、悲壮な空気に包まれる。

東北の釣りサイトでは、犠牲者の中には、サクラマスやシーバス狙いの釣り人も含まれていたとの情報がある。被災地を流れる川は、関西でも名の知れたヤマメ河川だ。地域の復興とあわせて、漁業や遊魚についても復活を願うばかり。




東京大学地震研究所によると、次の南海地震は
2030年から2040年頃に発生する可能性が高く、1946年の南海地震(M8.0)の規模を上回る東南海・南海の連動型巨大地震(M8.5以上)となり、大津波を伴うことが確実と予測している。今後30年以内の発生確率99%、平均37.1年間隔で発生する宮城県沖地震(M7.5)の想定震源域は、今回の地震で破壊されていた。つまり、宮城県沖地震は、想定を遥かに上回る超巨大地震となって今回発生した訳だ。
南海地震についてもまったく不気味な展開が考えられる。和歌山県は、紀南方面が南海地震の震源域直上に位置している。震源域は、東北大震災に比べ南海地震の方が陸地に近くなるため、激しい揺れに見舞われる範囲が広く、かつ、津波到達時間が短い。関西、四国地方は、予測しがたい甚大な被害が危惧されている。明日は我が身であることを肝に銘じ、今後の対策に万全をきたすことが、悔しくも命を失った多くの犠牲者に対する唯一の報いであると思う。

犠牲者のご冥福をお祈りし、被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

8592の本流竿にハリス035をセットして釣り開始。眩いばかりの太陽に照らされた美しい川面に降り立つと身も心もすべてが癒される。通いなれた場所では、この底石のこの筋で、あの時はこんなアマゴが釣れたな〜と思い返しながら丹念に探って行く。4月も下旬なので、そろそろ遡上系の銀化アマゴが出ないかと期待しては、大淵の巻き返しやヒラキを攻めてみるが一向にアタリが無い。

外道もかからないので次のポイントに移動し、急流手前の脇を流すと「ククク・・」と小刻みいい引きとともにアマゴが顔を見せてくれる。小ぶりだがプリプリとした居着き系のアマゴだ!気を良くして次は手前から向こうの瀬を流す。カケアガリに差しかかると「キラッ」と魚がひるがえる。すかさず合わせるとまあまあのサイズが飛び出してくる。

「おお〜アマゴ君たち!元気にしとったか」と感激して魚をいたわりながらも釣り師は残酷。きっちり〆て魚籠の中へ収める。今年は遡上が遅いのか、増水で水温が安定しないのか尾びれや背びれに黒ぶちをまとった銀化は出ないし一緒に釣れる大型ウグイも針掛かりしない。


岩盤質の大淵で底石も大きい「ここぞ」というポイントで粘ったが魚信は無く、今日はあまり時間も無いのでチビをリリースしながら、お持ち帰り用に5匹キープして満足とした。



有田川は今年から全国トップの鮎解禁(5月1日)となった。兵庫県加古川・闘竜灘と同じ解禁日である。早くから鮎釣りが楽しめて好評のようだ!一方、アマゴは西日本では珍しく4月初旬が解禁日で、各支流と本流上流域は6月末で禁漁となる。これから本流では型のいいアマゴも活発に出てくるので楽しみたい!

この時期、鯛飯と同じ要領でアマゴ飯にするのが恒例だ。炊きたてあつあつのアマゴ飯に少量のゴマ塩をふって食べる。うまいからどんどんおかわりしてしまう。冷めておにぎりにしても最高!アマゴ飯は香りと甘みがしみ込んでいて、サケ科サケ属の中でも糖度のランクが高いアマゴ(ヤマメも同様)の独特の味わいを堪能できる。


しかし、魚種によって味わいは大きく変わる。過去にイワナ飯を試したが素朴すぎて△、ニジマス飯を試した時も△。あと成魚放流アマゴ飯は△、居着きアマゴ飯は○、銀化アマゴ飯は◎、サツキマス飯は釣ったことがない。

川の水質が如実に香りに出るので、中〜上流域の美しい魚が条件になる。素焼きはいつもガスコンロだが、炭火でじっくり焼き上げたアマゴで炊き上げた釣友がいて、その味は格別だった。5月以降は、体高のある釣り味も食の味覚も最高のアマゴが釣れるベストシーズンを迎えます。時間を見つけては川に入りたいと思います。