セット完了! 
Photo & Text by  田中 健一

釣行日4月6日 


6時すぎに出発。有田川へ向け車を走らせる。大型台風と同等の発達を見せた低気圧が通過し、天気は良いが風が強く、気温は3℃で寒い朝だ。有田川も昨年の台風で大きな被害があり河川工事が多い。ダム下はきつい濁りが入っているが、ダム上は重機が河床をさらわない限り、本来の美しい流れを保っている。朝から入った場所はクリアで増水後の最高の水であった。









「この水況なら出るかも!」
まだまだ尺アマゴの本番ではないが、この時期でも大型が出る所なので期待を胸に本流竿を振る。水温も低く魚の低活性を予想して、いつもより重いオモリを打って底を取りながら、ころころとスローで流すイメージだ。イクラでは反応がなく、ミミズにするとチビアマゴや型のいいウグイが釣れてくる。
「今日の冷え込みでも意外にミミズかな?」
と思いながら何度も流していると、アタリにまったく気付かなかったが竿を上げると大型魚が食っていた。
「ゴゴ!ゴンゴンゴン!」
おお〜ラッキー、この手ごたえ、この引き、もしかしたら尺上?と感じながら魚をいなす。さあ、これからだぞ!と言うところで、ストーンとすっぽ抜けてしまった。アワセが緩かったし食い込みが浅かったのだ。
アマゴっぽかったが釣り上げてみないと魚種も寸法も分からない。残念な気持ちを抑えて再度トライする。しかし、しばらくするとサーっと濁りが入って来た。工事の影響である。おいしい水が一瞬でコーヒー牛乳に変わる。濁りがきつすぎてアタリも何も完全に途絶えてしまった。無念の撤退。

上流には数箇所の工事現場があり、下流もいずれ濁るなら更に上流へ行こうと車を走らせる。この辺りは解禁放流の数釣りが出来る所なのだが誰も釣っていない。河原も広いし長竿・大仕掛けでポツポツ釣り残しでも拾いつつ、大物も狙おうと欲張りながら遡行するものの、何にも釣れない。小砂利に埋もれたポイントが多くなったのか釣り切られてしまったのか放流していないのか、釣れない言い訳を考える。強風で長竿が辛くなり「短竿にしよう」と思ったが、渓流竿を持って来ていない!後悔。やな展開。これはとてもやばい。放流アマゴと言えど、なめてかかると釣れない。短時間で確実に数を出すには、通常のアマゴ釣りと同様に瀬のヒラキや流芯脇の深みに入った群れを狙う。

水深のある大淵で、手前の筋から何度も流してようやく1尾目。しかし、後が続かない。ミミズからイクラに変更するが2尾目のアタリも渋かった。
「どこに溜まっているのだろう?」
再びミミズに戻して対岸の太くきつい流れのヨレを攻めると活発なアタリ。投入点を変えずに流してみると同じところで3尾立て続けに釣れる。
「ここかも!」
長竿が有利なポイントだ。オモリを追加してタナを深くし、投入点でイクラを数回切る。
まさにセット完了。連チャン放流アマゴ釣りの開始である。
大淵だがピンポイントの範囲で争うように食ってくる。筋を変えるとアタリが遠くなり効率が悪いので集中的に狙って釣る。銀毛化した放流アマゴが主体だが、時々、ヒレピンの素肌の綺麗な地アマゴが混じるので嬉しい。スレることなくアタリが延々と続く。途中、アワセがきつかったので高切れを起こし、仕掛けが吹き飛ぶ。しばらくすると針を2本くわえ、切れたハリスに重いゴム張りオモリが付いたままの放流アマゴが釣れる。
「ナハハ・・」
冷めた視線で仕掛けを回収する。60尾近く釣れるもアタリは途絶えず、完全にパターンにハマっているのでまだまだ釣れるが、魚籠に収まらないし面倒な後処理が待っているので納竿。炭火での竹串塩焼きには最適な7〜8寸サイズが多数釣れ、例年どおりの釣果であった。


毎年、春先に炭火用のストック釣りをするが、雰囲気で何でも美味しく感じるバーベキューでは放流アマゴで十分贅沢。もちろん型が良くて魚体も美しい天然アマゴなら最高なのだが、そんな理想の天然型揃いを数釣る腕は無いのです。
今年は寒く、桜の満開が4〜5日遅れましたが、そのおかげで満開が週末と重なり8日の日曜は桜名所がどこも大盛況でした。花見を経て、これから新緑&連休へと季節が移ります。今年も余暇を有意義に楽しみたいです。