滝壺に浮かぶ物体! 
Photo & Text by  中野 博也

釣行日 4月18日

18日は朝のうちから用事が入っていて釣りは昼からとなってしまった。熊野川本流のノボリを狙おうとダムの放水状況を知ろうと電源開発のフリーダイヤルのボタンをプッシュ!
「本日の運転状況の情報は停止しています」との事。
「って?放水していない!って事なのかな?まぁ!いいっか〜川に行かなきゃ〜始まらんわ!」
ドライブがてらにハンドルを握り いざ!出陣!  (^^ゞ

国道沿いを流れる本流は泥色。  (>_<)増水も半端ではなく 平水でもポイントが限られる餌釣りではこの増水は到底太刀打ちできない。
「あかんわ!めちゃくちゃ水多いわ〜」
昼からだけの釣りの為 長竿しか持って来ていなかった為、「しゃ〜ないな〜○○狙いに変更やな〜」
渓流の大場所狙いに河川をガラッと替える。

狙いは釜の大きさ20×30メートルぐらいの滝壺だ。落差25メートルぐらいの滝だが、壺が深くて手前から腰一杯まで立ち込んでも半分も攻められなく竿抜けのスジの流れがたくさんあるのだ。対岸に渡るには絶壁をへつらなくてはならないのだが、ロープを使ってもほとんどザブンと水中にハマってしまうのだ。今まで何度水中に落ちた事か・・・  (>_<)
5メートルぐらい上にしっかりと生えた木があり、そこからまずはロープをはり下ろしヌルヌルとした足掛かりのない岩盤をへつるのだが、これがもう〜たいへん!  (>_<)右足が先か?左足が先か?右手が先か?左手が先か・・・  (^^ゞ
たった数メートル渡るだけなのだが、10分以上の時間を費やしてしまった。
「今日は落っこちんかったわ〜よかった〜」
実はここで水中に落ちるのと落ちないのではハッキリとこのポイントの釣果が違ってくるのだ。8m50の長竿であっても直下までとは言わずとも白泡付近まで届いてくれればいいものの全く仕掛けが届かない。いくつもになって流れる筋を一つ一つ探ってみることにする。

年に1〜2回このポイントを攻めるのだが、底の砂利のかけあがりが浅くなったり深くなったりで魚が食ってくるピンポイントがかなり違ってくるので、毎回一匹目を釣るのに少し時間がかかる。最初の餌は市販のパックミミズを使ってみるが、水量がかなり落ち着いているためか ほとんど竿先には反応がない。滝壷の底は たいした大きな石が沈んでいるわけでもないので、攻めにくいポイントだ。

「ゴツン!」
確かなアタリがあったのは15分を過ぎていただろうか?
「よかった〜居たやん!」
23cmぐらいのまるまる太ったアマゴだ。同じ流れのスジに餌を送り込むと立て続けにヒットしてくる。
「よっしゃ〜!底の流れを掴んだかな?」 だが5匹ぐらいでアタリが止まる。
「どうしたんだろう? なんだかおかしいよな〜もっとアタリが続いてもよさそうなものだがな〜???」
仕方なくオモリを追加してもっと底を探ってみると数分後、
「ドン!」
というひったくるようなアタリがあり期待が膨らむ。26cm!少し顎がしゃくれた様な感じのこの時期では珍しいあまごだ。
気を取り直して次を狙うが不思議にもあたりが続かない。
「おかしいな〜こんなにんも釣れないのもへんだよな〜???」

20分ぐらい竿を振っただろうか?滝壺の隅っこで浮いていた白泡の塊がいつの間にか 私が餌を送り込んでいた流れの筋にまで流れ込んできていた。
「んん?   
上から見れば人抱えぐらいの茶色の物がゆらゆらと浮いている。
「なぬ〜 滝壺に越前クラゲか???」  「んな〜アホな〜」「なんだろう?なんだろう? ベストやウェダーを付けていないので人間ではないな〜波に揺れてめちゃくちゃおかしな物に見えてくるし・・・」
もう釣りどころではない。真相を確かめなければ帰るに帰れない!今先まで餌を振り込んでいた流れの所まで その物体は流れてきている。竿をたたみ泡にまみれた物体の正体を明かす!

「あっ!鹿だ!しかも小鹿」
25m〜30mあろうかという直瀑の滝の頭から落ちたのだろうか?首が折れたように曲がっていた。しかも落ちてあまり時間が経っていいないのか?腹に水が溜まっていないようだ。
「あぁ〜今日はこれまでやな〜」
毎回25匹以上竿を絞ってくれるポイントだが本日は8匹!鹿のエキスが効いているのか?よ〜く肥えている  (^^ゞ
次のこのポイントの釣行は大水が出てからにしようかな〜???