民俗学調査実習

 年度末も近付こうという時期ですが、最新の琉球大学法文学部民俗学研究室の活動をご紹介します。


実習調査概要


 去年(2001年)夏に、民俗学実習調査を座間味島で行いました。
 民俗学調査実習とは琉球大学法文学部内のカリキュラムを一つであり、基本的には2年次の必修ゼミとして授業が提供されています。新人研修といったところですが、3年次も単位なしで自由参加できます。
 この実習を経て、2年次の参加者のうち来年も民俗学を専攻したいという人はそのまま専攻することになります。したがって、2箇所の実習に参加して選ぶという人や、まったく他専攻から参加する人もいます。


今年度の実習調査地である座間味島の座間味集落写真

 実習のスタイルは基本的に聞き取り調査を行い、報告書にまとめて発刊するというものです。現在『シマ』というタイトルで第3号まで発刊されています。
 過去の報告者の内容は琉大民俗学研究室公式HPに掲載され、指定の書店から取り寄せることも可能です。 詳細に関してはここをクリック


 本研究室では今年度で4回目の実習となるわけですが、今回の実習の新しい試みとして、2・3年次をそれぞれ3つの班に分け、座間味島の現在を記録したダイナミック地図、座間味島年表、拝所地図一覧を作成しています。


実習の流れ

 今年度の実習参加者は指導教官2名、院生2名(必修)、3年次3名(任意参加)、2年次10名(必修)という構成です。

前期 科目名:民俗学実習T
4月・5月  ・調査参加者の顔見せ。実習のガイダンスを行う。
6月・7月  ・調査地が座間味島に決定し、それに併せて事前学習を始める。
8月  ・各人の調査テーマの決定を行い、調査に向けて具体的な調査方法の指導などを行う。
 ・事前学習を深める。
9月  ・夏休み期間中、座間味島にて7泊8日の実習が行われる。
後期 科目名:民俗学実習U
10月  ・報告書の書き方のガイダンス。
11月  ・報告書の原稿、第1稿を提出。校閲作業後返却。
 ・班作業をまとめる。
12月  ・報告書の原稿、第2稿を提出。
 ・班作業の内容を文章化し、訂正を加えていく。
 ・報告書編集を行うための、表紙や名簿作成などの係分担を割り振る。
1月・2月  ・報告書の原稿、第3稿、第4稿を提出。
 ・班作業の内容に訂正を加えていく。
 ・各人、編集係の作業を進める。

 そんなわけで2002年2月現在、座間味島で各個人の設定したテーマに沿って調査した情報をもとに、報告書を執筆している途中です。
 現段階で4名程、原稿の修正がほぼ終了しています。各人の進展状況には少々ばらつきがありますが、ほぼ最終段階に入ったといえます。あとは班作業や、編集の係作業を自発的にこなしていって欲しいです。
 一応、発行は今年度の3月中を予定していたのですが、はやりゴールデンウィーク前に出来れば良いかなと思っています(それでも去年よりは早いんですよ)。


座間味実習最終日、座間味港にて記念写真

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 私は大学院生の立場上、自分は調査も原稿も書かず、後輩の指導を偉そうに行っているんですが、より良い報告書を作りたいと思い頑張っているつもりです.。
 何よりも、より多くの後輩達が実習に参加してよかったと思えるように、実習を通して共同生活やフィールドワーク、その集大成として報告書作成という一つのことを責任を持って自分達で成し遂げたという達成感を味わって欲しいと思っています。


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