石垣のプーリィ

八重山の豊年祭
 八重山では旧暦6月に、稲と粟の収穫感謝と豊年祈願をする豊年祭が行なわれる。一般に「豊年祭」とも「プーリィ」(「穂利」という漢字が当てられたり、または「プール」)とも呼ばれる。
 八重山でいう場合の豊年祭はおおまかに、各集落でオン(御嶽)で祈願をし、「巻踊り」など奉納芸能と綱引きをするものと、来訪神を祀るものとにわけられる。
自分は今回両方を見てきましたが、石垣島のプーリィについて、簡単に報告したいと思います。

石垣島の豊年祭日程(2003年)

7月8日(火) 川平 7月12日(土) 大浜
7月19日(土) 四ケ字(大川・石垣・登野城) 7月20日(日) 宮良・四ケ字(新川・大川・石垣・登野城)
7月27日(日) 真栄里・平得 7月28日(月) 白保
 

石垣の四ケ字のプーリィ

 四ケ字とは、石垣島の中でも市街地で歴史が古くもある登野城・大川・石垣・新川の集落の総称である。ムラプーリィでは実際は四ケ字だけでなく、周辺の比較的新興の集落も参加する。

 

オンプーリィ 
 19日(土)の午後3時頃から、各集落のオン(御嶽)にてツカサによる祈願が行なわれる(新川は翌日のムラプーリィで行う)。
 その際ミシャグ(神酒)には、以前は粟を使うところもあったそうだが、今は米神酒が用いられる(石垣ではシークヮサー風味)。そして、カンズーと呼ばれる味噌などで味をつけた和え物(イシュヌメー、サフナ、インミズナ、イイシ・カーナ、パパイヤ、もやし)とウフズー(小魚・にんにく・塩)の、9品を盛ったブンヌスーが供えられる。

          dscf0042.jpg (44826 バイト)   登野城のオンプーリィの様子

ムラプーリィ  
 20日の4時ごろ、新川の真乙姥(マイツバ)御嶽で周辺集落の旗頭が集まる。それぞれが順に御嶽に向かい拝礼し、ツヅンや太鼓を子供らが鳴らして奉納した後、クイチャーや稲摺など巻踊りと各集落の音頭を婦人らが奉納する(右下写真)。

 東から老人の姿をし稚児を連れた神が、西からツカサが板の舞台の上にのせられ、御嶽の前まで運ばれてくる。神からツカサへ、五穀の種子を手渡す場面を再現した儀式が行われる(左下写真)。
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旗頭 dscf0072.jpg (19936 バイト) dscf0031.jpg (7023 バイト) dscf0082.jpg (11435 バイト)
字・団体 旗頭名 旗文字 字・団体 旗頭名 旗文字
新川
 
祈豊 登野城 松竹梅 天恵豊
請福 オオゴチョウ 瑞雲
大川 ズルカキ 慈雨 石垣 五風十雨
舞鶴松竹梅 祈豊穣 松竹梅 豊潤
新栄町 梅頭 弥勒世 双葉 双龍 和衷協力
JAおきなわ八重山支店 五穀 瑞雲慈雨 八重山農林高校 みずほ 愛郷愛土
石垣島製糖 さとうきび 庶穂 石垣市農林水産部 五穀 世ば稔れ

 

綱引き
 ムラプーリィで使われる綱は、直径20cm弱の綱を2本重ね合わせただけのものをに、枝綱をつけてある。

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   dscf0107.jpg (19470 バイト)    dscf0105.jpg (17107 バイト)     アヒャー綱
 女性のみで行なわれる。一人の女性がツカサからカヌチ棒を受け取り、雄綱と雌綱の頭を絡ませた間に通すという儀式が行われる。
ツナヌミン
 アヒャー綱の後、旗頭とともに綱を御嶽前から場所を移動する。観客はマミドーマなどの芸能を見ながら日が落ちるのを待つ。
 綱の両側から、松明に囲まれて鎌と槍を持った武者が板の舞台の上に乗せられてくる。綱の中央で演武を披露する。
 その後、東西に分かれ合図とともに綱が引かれる(1回勝負)。
 今年は瞬時に東の勝負が決まった。
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