多良間島のスツウプナカ

沖縄県宮古郡多良間島で5月30日に行われたスツウプナカのレポートです。
実は多良間へは別の用事があって、スツウプナカを見るのはついでのつもりだったのですが、多良間の方々の御好意でかなり調査させていただきました。事前学習が十分ではなかったため、祭祀の内容に関して不明朗な点が多いので軽い日誌形式にして報告します。


 


日誌




PM12:45


ナガシガーにてツカサや来客が揃い行事が始まる。南の方を向いて拝んだ後、酒を酌み交わし、しばし歓談(写真19・20)
新聞社や放送局、大学の研究者と学生、観光客らしい人達がカメラを持ってこの行事を見ていた。中には数日前から取材を行っている人もいた(写真21)
(写真19)ナガシガー祭場(写真20)神役達(写真21)取材


ミスでヤッカヤッカが行われる。ブシャ座の2人で皿、パタスを持って囃す。ツヌジャラ(角付きの杯)とユナウス(円筒型)と呼ばれる神酒がテント内の参加者に振る舞われた。(つまり2回神酒を飲むことになる)

この後、フダヤーの祭場へ移動。途中、ツカサを先頭にした行列(?)は途中、次の祭場に近づくと歌い始め、次の祭場側の人々は踊りながらツカサ達を出迎える。

PM14:25

(写真22)フダヤ
フダヤーに到着。ナガシガー同様に祭祀が進められていく(写真22)

PM15:30頃


ナガシガーの祭場では、一定の年齢に達した住人を招いて酒や食事が振る舞われる。この時女性は着物を着てくるのが正式だという人もいた。

PM16:22


(写真23)ウィヤ(パイドゥニ) ウィヤーの祭場にてウガミが終わったが、なかなかユッカユッカする気配が無い(写真23)。いつまでたっても進まないので、私は一人でフダヤーを覗きにいき、ヤッカヤッカに巻き込まれた。

PM18:00過ぎ


ようやくアリャーキへ移動(写真24)
アリャーキでは他所が「ヤッカヤッカ」というのに対して「ヒーヤ、ハーイヤ」と掛け声をかける。更にブシャ座の方が先に立ち上がるのも他所とは逆である(写真25)
一連の祭祀が終わった頃は20時を過ぎていて、あたりは真っ暗だった。
(写真24)踊りながら神役達を迎える(写真25)アリャーキのヤッカヤッカ

AM8時頃

 

(写真33) (写真34)(写真35)


フダヤーのテントでカンジン座による後片づけが進む中、中老座は祓いのための準備をする。写真では一定の長さに切りそろえた茎12本の一方の端に縦、もう一方に」横の切り込みを入れ、どちらかに白い紙を挟む(写真33)。この祭祀は長い茎(写真34)をふりながら道を歩き、祓うというのだが、見ることが出来なかったため詳細は分からない。

 

AM9時頃 中老座がテント内に座り、供物とミスを準備していつもの岩へ供え、拝む。その後ウイグシクヌニィリを歌う(写真35)
AM10時頃


祭祀の途中で帰るのは心残りだったが、飛行機の時間も差し迫っていたし、お世話になった方々へご挨拶もしなければならないため、中老座でお世話になった砂川さん達に別れを告げ、フダヤのテントを後にした。

 


今回のスツウプナカで大変お忙しい中、快く準備の段階から祭祀の様子まで取材に協力して下さった多良間島の皆様に心からお礼申し上げます。

 


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