冬至(トゥンジー)

 新暦の2004年12月21日は冬至です。大抵、旧暦では11月ぐらいにあたります。この頃から「トゥンジービーサ」といって、寒さが一段と厳しくなるといわれています。




 本土ではカボチャを食べたり柚子湯に入るようですが、沖縄では全域的に各家庭では冬至雑炊(トウンジージューシー)を作り、夕方に火の神や仏壇に供えて家族の健康と繁栄を祈願し、食べる習慣があります。


  冬至に作るこのトゥンジージューシーには、米にサイの目切りにした豚肉や人参、椎茸、カマボコなどを入れてだし汁で炊き込みご飯にします。地域によって田芋などの芋を入れるところや、クファジューシー(かたいジューシー)にしたりボロボロジューシー(やわらかいジューシー)にしたりそれぞれちがいます。フーチバー(よもぎ)やカンダバージューシーといったバりエーションもありますが、最後にマーガリンや生卵を落とす家や料理店もあるようです。

  学校給食でもこの日のメニューにはジューシーが出ていると思います。 トゥンジーのほかにも旧盆にジューシーを食べます。しかし最近はお供え用にわざわざジューシーを作らず、店で売られている惣菜のジューシーを買ってくる場合も多いようです。


ジューシー


 冬至のことは「冬至正月」や「冬至元旦」といわれ、ジューシーを食べたら一つ歳が増えたのと同じといわれるところもあるようです。これは冬至を一年の始まりとした中国の暦法が伝えられたことによるものだとされているらしく、中国では冬至の日に死んだ疫鬼が赤い色を恐れることから、赤豆の粥を作って疫を祓ったという由来譚もあるそうです。
  『球陽』には1728年に「元旦も冬至の例に照す。冬至元旦には、王は百官を率い、その歳徳方位に向かって拝礼し、もって朝貢をなす」と、 『琉球国由来記』には冬至の日に「国中の人民は、家々田芋を煮て祖霊にすすむ」とあり、他の記録にもにも豆粥を食べる風習もあったという記録もあるようです。
 
 
  ボロボロジュ−シ−

  
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