福島県北地区障がい福祉連絡協議会
福島県北地区の障がい児者の意向を福祉行政に反映させることを目指して
   役員会報告書
第189回 第191回→

第190回福島県北地区障がい福祉連絡協議会役員会報告書

日   時 2024年2月22日(木)  10時00分~12時00分

場    所 ZOOM会議

参加者 25事業所 59名


      【配布物】     ①第190回定例会次第 
                 ②研修会資料(福島市) 
                  テーマ「事業者による合理的配慮の提供について」
                      (福島市 健康福祉部 障害福祉課 鈴木 淳氏)

障害者差別解消法について
※資料参照
【経過】

【改正障害者差別解消法】

【法の基本的な考え方】

【法が求めるもの】
1 不当な差別的取り扱いの禁止
  【正当な理由の判断の視点】
  【正当な理由がなく、不当な差別的取扱いに該当する例】
  【正当な理由があるため、不当な差別的取り扱いに該当しない例】
   ※P9訂正:車いすの利用者~(事がい者の損害発生の防止の観点)→(事業者の損害発生の
    防止の観点)
2 合理的配慮の提供
  【意思の表明】
【過重な負担の考え方】
 ・事業者の規模によって違うので、考え方が難しい。
  【建設的な対話】
   ・前例がないのでできない・・・合理的配慮の提供は、個別の状況に応じて柔軟に対応をしなければならないので、対応を断る理由にならない。
   ・万が一のことがあっては困るので認められない
・・・漠然としたリスクではなく、どのようなリスクがあり軽減するためにはどうするか具体的に。
   ・特別扱いはできない・・・「障がいのある人には対応できない」ではなく
   ※個別に検討が必要
  【その他留意すること】
  【まとめ】
  【合理的配慮の提供義務違反に該当すると考えられる例】
  【合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例】
  【環境の整備との関係】
   ・環境の整備の状況により、合理的配慮の内容は異なる。

事前質問の回答
Q1:会議などで聴覚障がい者への手話通訳者の配置を行っている。講演会では、必要に応じて手話通訳者の配置を行っている。(主催者が行政・民間を問わず依頼があれば)
  選挙の際に、選挙事務を行う職員に対して事前研修を行い、障がい者が安心して投票できるよう
に配慮している。
障がい者差別解消法に基づいて職員対応要領を作成し、新規採用職員に合理的配慮の研修を実施
するなど障がい者に対する配慮の対応に努めている。

Q2:事業所職員に対して障害者差別解消法の周知啓発の徹底が必要。そのことによって障がい特
性に応じた対応ができるのではないかと考えている。

Q3:物理的な合理的配慮とは、施設の整備やバリアフリー化のことを指していると思う。合理的配慮
の提供は義務であるが、障がい者の求めに応じ、すべて対応することが義務ではなく、求めがあった
場合、具体的に検討して事業者側で過重負担になる場合は、建設的な対話により代替措置の提示
などの対応をすることが義務である。
  障害者差別解消法第5条においては、不特定多数の障がい者を対象として行う事務的改善措置
を環境の整備として事業者の努力義務としている。

Q4:環境の整備につては、事業者の努力義務である。補助金については、福島市・福島県ともない。他自治体では、コミュニケーションツールの作成、チラシの翻訳、コミュニケーションツール作成の費用、折り畳みのスロープの購入、段差の解消工事、手すりの設置などの支援がある。

Q5:答えになっていないかもしれないが・・・
  合理的配慮の提供については、障がい者本人から社会的障壁の除去を必要としている者の意思表明があった場合に、状況や場面に応じた配慮を提供するものと考えている。有効となるかどうかは使用する本人によるのではないか。

Q6:これは不当な差別的取扱いに該当する例ではないか。文面のみで、公共プールで障がいがある
ことを理由として具体的場面や状況に応じた検討を行うことなく、障がい者に対して一律に支援者の
同伴をサービスの利用条件としたのであれば、不当な差別的取扱いに該当する。本来であれば、プ
ール側と利用者側の双方でお互いの状況の理解に努めて、実現可能な対応策を考えていく必要が
あったのではないか。利用の相談があった段階ですべきだったと考えている。

Q7:例えば、混雑時の店舗で視覚障がい者のための買い物付き添いが、人的制限があり対応でき
ないとき、代替案を提案した側で過重な負担になるのかの判断については、対応する事業所によっ
て変わってくるのでなかなか難しい。対応することによって事業への影響、費用負担の程度、財務状
況等を考慮して判断するが、事業所の規模等によって変わると考えている。負担と判断した場合は、
障がい者に丁寧に説明することが大切。

Q8:説明資料P18にまとめて上げたものがプロセスと考えている。
  事業所の判断により必要に応じて記録していただくものと考えている。建設的な対応により、様々
な対応策を検討していくことがポイントかと思う。

Q9:知る限りではなかった。合理的配慮の提供については、特定の障がい者に対して個別に対応し
ていくものなので、Q8のプロセスを経てAさんと同じ対応が取れない場合は、過重な負担を考慮し、
Bさんには代替措置の選択も含めて、双方の建設的な対話により相互理解を深めて対応していくよう
になると考えている。

福島市の取り組み
〇P30参照

その他の質問
〇新おおぞらの夢(岡崎) 
  福島市の取り組みのページについて、市の窓口対応の職員への研修は、計画的に資料を
 使って障がい福祉課のみ、あるいは全職員対象で行っているのか。
         
  →(鈴木氏)3年くらい新規採用職員対象の研修機会をつくり、実施している。全職員は実施してい
    ないが、市職員対応要領を作成した。今回は法律が変わるので、改正版を周知してもらうよう
    
予定している。

〇新おおぞらの夢 (岡崎)
  福島市や出先機関、例えば公民館の職員の方も研修の対象になっているのか。
 
    →(鈴木氏)新人研修の対象になっている。新規採用以外の方だと町内の掲示板で出すだ
けなので、不足する部分もあるかもしれないが、全職員には周知しているところである。

  (岡崎)一番身近なところなので、公民館窓口の方の研修をしていただくとありがたい。

(鈴木氏)今回研修会用に作成した資料は、「内閣府本部所管事業分野における障がいを理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」をもとに作成した。インターネットにアップされているので、各自確認してほしい。

〇新おおぞらの夢 (岡崎)
  福島県主催で合理的配慮セミナーがあった。接客実務で使用する基本的な手話に関する
  研修会という内容があったが、そのようなものも市でやっているのか。

   →(鈴木氏)手話の出前講座があるので、要望があれば障がい福祉課まで連絡をください。


テーマ「合理的配慮に関する伊達市の取り組みについて」
(伊達市健康福祉部 社会福祉課 障害福祉係 二階堂氏)

不当な取り扱いの例
※資料参照
・普通自動車免許を取得できる聴覚障がいのある人が自動車学校に申し込みに行ったが、聴覚障がいを理由に断られた事例について。

伊達市の合理的配慮の事例
①毎月広報誌(だて市政だより)を作成。点字版、音声版を利用者に送付し、窓口にも設置して提供
している。
②窓口への手話通訳者の配置
 ・福島県で2番目に手話言語条例を制定し、制定の1年前から手話通訳者を配置している。手話通
訳者を年度任用職員として採用し、手続きをスムーズに進めることができるよう配慮している。
③記者会見やイベントなどでの手話通訳者の配置
 ・市主催だけでなく、各団体のイベントで要請があれば手話通訳者を配置するようにしている。市の
主催の場合は、手話通訳者の配置を呼びかけている。
④要望に応じて要約筆記者の配置
 ・要約筆記者は委託すると費用が高いため、その対応として音声認識文字アプリをipadにインストー
ルしてイベント等にipadを設置している。
⑤窓口での杖置きの設置
 ・高齢者も必要。
⑥職員向けの研修
 ・「障がいを理由とする差別解消の推進に関する対応要領にかかる留意事項」を作成し、全職員が
町内掲示板で見ることができるようにしている。HP上にもアップして、委託先の職員に(公民館など)
見てもらうようにしている。
 ・新規採用職員の研修としては、採用された次の日から3日間実施している。窓口対応に関すること
を研修の中で行い、対応要領、留意事項を配付している。
⑦内部職員に対しての合理的配慮
 ・社会福祉課の車いす利用の職員が、背の高いコピー機では手が届かないため、他の職員にコピ
ーを依頼していた事例があった。他のところから引き揚げられた一段低いコピー機を設置したところ、
職員が動きやすくコピーを頼みづらいようなことがなくなり、働きやすい職場になったという報告を受け
た。ただし、壊れた時はどうするかなど、費用対効果を含めて今後考えていかなければならない。

周知・啓発
※資料参照

質問
〇新おおぞらの夢 
 車いすの方のための高さの低いコピー機を買い替えるかどうかと悩むとの話がありましたが、車い
すの方が働いていらっしゃる職場なので、何も言わなくても周りの職員が手伝う雰囲気、手を貸すと
いう社会こそが目指す社会だと思う。機械を入れなければバリアフリーではない、ユニバーサルデザ
インではないではなく、周りの人が意識を持つことが大事。以前「障がい者の旅行を考える会」の佐
藤孝浩さんから、ヨーロッパを旅行した時、観光地は石畳が多く車いすの方が歩きにくい場所が多く
あったが、周りの観光客の人達やボランティアの方が、段差や階段がある場所ではサッと車いすを抱
えて段差を上げてくれたりすることがあり、自然にさりげなく手を貸してくれることに感動したとの話を
聞いた。車いすの方がコピー機を使う際も同じではないか。

  →(二階堂氏)職員、周りの人への周知啓発が非常に大事になってくる。職員だけでなく、市民、
    事業者の方も含めて周知していきたい。
 (佐野)  
〇なのはなの家  (佐野)  
  手話通訳を依頼する場合FAXだけの場合があるが、FAX番号が記載されているところが
   少ない。HPにFAX番号の記載が少ないため、手続きが難しい場合があった。配慮があればあり
  がたい。

  →(二階堂氏)通知には電話番号の記載がほとんどになっているが、伊達市役所としても、社会福
祉課健康福祉部から出すものは、できる限りFAX番号も入れたい。
 手話通訳の申し込みについては、FAX番号だけでなくメールでも受け付けている。各自治体は迷惑
メール対策を取っているので、HPの社会福祉課の問い合わせメールを利用してほしい。

  
〇親の会 (佐藤)  
  合理的配慮の説明の際、二十歳のつどいの写真の説明がなかった。
  福島市と親の会の共催で障がいに配慮した二十歳のつどいを毎年開催しているが、伊達市は行
っているのか伺いたい。

  →(二階堂氏)二十歳のつどいなど市のイベントに手話通訳者を派遣している。車いすの方に対応
できる受付を設置したと聞いている。
  障がいのある方の二十歳のつどいは特段設けていない。
  本年度は聴覚障がいのある方2名が対象になっているので、手話サークルが中心になって祝う会
をする予定と聞いている。

          二十歳のつどいの案内には、障害のある方へも配慮した文言が含まれているのか。
         →(二階堂氏)文書は実際見ていないが、誰でも参加できるように障がいのある方専用の受付窓口を設けたり、障がいが重度で参加できない方がYouTubeの動画を同時配信することで観ることができるようにしている。
                                      
研修会は以上で終了

その他
※新会員挨拶:就労継続支援B型事業所(伊達市保原町) モンステラ 石川さんより


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