C12バラキットの発売について

鉄道模型趣味誌の1965年の9月号に突如として「この秋までに3000円ほどご用意できませんか」の広告が掲載されました。バラバラ部品のC12のキットを発売するという案内です。これまでのキットは配線を除きハンダ付けの完了した未塗装の車体完成で、ねじで組み立てるものでした。価格はこれらのキットに比べハンダ付け分が安価に設定されていました。工作派のファンは大喜びだったと思います。

このキットの箱をあけて見ると、B4版のわら半紙にガリ版刷りの案内書き(下図参照)が入っていました。「このキットを見て組み立てが無理だと思う人はどうぞ返却ください。」と書いてあります。今では考えられませんが、新しいこの企画へのメーカーの意気込みが感じられます。さらに、このキットの組み立てコンテストを行ないハンダ付けの普及を狙ったものだと思います。現在では、ハンダ付け職人不足のためバラキットが主流になっていますが、精密さを追求するあまり、キットでもロストパーツのオンパレードで高価になり過ぎていて、ちょっと道が外れたような気がします。時代が変わって、メーカーが生きていくためにしょうがないのでしょうが、今一度、このバラキットを出したときのようなことを考えるメーカーが現れてもよいのではと思います」が、いかがでしょうか。

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コンテストの 参加賞
13mmゲージに改軌してコンテストに出品しましたが入選しませんでした。