関東飾り

この飾りを見て、”あれ?”と、思った方なかなかの雛飾りマニアかも???
ここでは、代々伝わる関東飾りの並べ方を説明します。

雛飾りを”婚礼の宴を表した飾り”で”親王を中心とした主従関係”を
表しているという方々がいますが、
雛人形が、現在の15人一揃えのかたちになったとき、
関東では、こんな話(説明)が流行ったそうです。
 雛飾りの上段から
  親王:親善
  官女:礼節(礼儀作法と節度)
  五人林:手習い(娯楽)
  随人:学問と武芸
   (※右大臣が、武芸:左大臣が、学問 をあらわす。)
  仕丁:仕事
 以上を表すとして
”仲睦まじく、礼節を身につけ、手習いをたしなみ
(娯楽を楽しみ)、学問と武芸を学び、下仕事を進んでしなさい。”
人間の道徳を表しているといったそうです。

それから

御内裏様(男雛)を一家の大黒柱にたとえて、
男雛側に年配者
【官女の眉なし、随人の左大臣(老人)、仕丁の笑い(白髪:翁)】
を並べて
”一家の重要な行事(物事)を決めるとき、
 若夫婦だけで物事を判断せず
 年配者の意見を聞きなさい。”

年配者(人)を敬う気持ち【家族(人)のありかた】を、
説いたそうです。
※西にいくほど、仕丁(衛士)の笑いは、白髪(翁)ではなく黒髪になります。

以前は、右が御内裏様、左が御姫様の位置でした。
関東を中心に、親王の位置が左右が逆に
いれかわったので、それにあわせて、

官女の”眉なし””眉あり:口結び”
随人の”左大臣:老人””右大臣:若”
仕丁の”笑い(翁)””怒り:赤ら顔”
位置が置き換えられました。
※以前は、関東地方の多くの店で、
これと同じ飾り方をしていたのですが、
人形協会により、親王だけの左右を入れ替え、
官女の眉なしを中央に配する飾り方が推奨され現在に至っています。
※”(全国共通)雛飾り”
※人形協会が推奨してる”(全国共通)雛飾り”の
三人官女の”眉無し”は、
中央(三宝、又は、しま台)で座っていますが、
これは並べるときに左右が眉あり(口開き、口結び)になり
素人が並べやすいだろうとの配慮で並び替えられたものだそうです。
※上記の理由で、
関東では
男雛側に眉無しの女官が並んでいました。

私は、はっきり言って、”関東飾り”のほうが好きですし、
当店では、この飾り方を続けていきたいと思います。
雛飾りは、ただのお飾りではなく、
人の道徳と、人を敬う気持ち
【家族(人)のありかた】を説いた飾りです。