◆  鍼灸((はりきゅう)



− ”病は気から” 氣の流れが停滞し、血液は濁り、病の器となる −


 いくら高価で新しく高性能な電気製品でも、電気という気が流れないと使うことが出来ないように、目で見ることは出来ないけれど、人間の体の中には、気(生命エネルギー)が流れています。

 昔から『病は気から』と言うように、健康を左右する氣は非常に大切なものです。

 鍼灸医学の原点『臓腑経絡説』によると、人間の体には、氣の流れる通路(経絡)があり、人間生まれながら持つエネルギー(栄気・衛血)が、後天の原気(自然界のエネルギー)を取り入れ、全身を過不足なく循環し、内臓(五臓六腑)を滋補することによって、健康は保たれ、このエネルギー(栄気・衛血)が停滞すれば病となり、止まってしまうと死となります。

 鍼灸とは、経絡上の特定部位(経穴ツボ)に鍼(はり)を刺し、灸すえるという物理刺激を加えることによって、氣(生命エネルギー)の流れをよくし、結果として血の流れもよくなり、組織細胞に栄養や酸素が供給され、自然治癒力が高まり、病が治り、健康増進、体質改善する療法です。

 ”ツボを心得た”という言葉があるように、2千年以上歴史のある鍼灸治療も、個人個人に適したツボ(経穴)に適切な量(ドーゼ)の刺激をしないと効果がありませんし、やり方によってはかえって害になるになる場合もあります。

 効果的な治療法とは、患者さんが気持ちがいい、「快い」と感じるのが理想です。リラックスして眠くなるような方法が一番で、決して怖く苦痛なものであってはいけません。




  今なぜ漢方(鍼灸)?

 医科学が進歩発達した今、なぜ東洋醫学(鍼灸)が注目されているのでしょう?

 細菌性の感染症やケガなどの外因性の病気に対して、抗生物質、ワクチン、外科的手術などを行い、病気を押さえつけ、コントロールしてきた現代医学は、局所的、細分化の研究には素晴らしい進歩を成し遂げたのですが、機械的分析検査に頼り過ぎ、病人の体に触れなくなり、食生活や生き方の変化による内因性の内科疾患に対して、病人を癒す医療としては得意としてはいません。

 一方、東洋醫学は経験を重んじ、病名に左右されず、個人の持つ自然治癒力を高め、体質改善、病気予防を主眼とし、自覚症状や病態を観察把握し「証」をくだし治療を進めていきます。

 例えば、弱ってきた草木は、まず、葉や枝が痛んで変化が現れます。その葉や枝を観て、葉や枝ではなく、根の方に適切な量の水や肥料、酸素が行き届くようにすることが最良の方法です。

 人間の病気の場合も、病んでいる部分や臓器の病理解剖的異常を見つけ、その部分の検査や治療に主眼が置かれている現代医学よりも、本来持っている自然治癒力(良能力)を高めていく事で、結果として枝葉末節的な病は、自然になくなっていくというやり方が無理がありません。その方法が東洋醫学(鍼灸)です。

 旅人のコートを脱がさせようと競う「北風と太陽」という童話がありますが、北風は、その強い風を旅人に吹き付け、コートを飛ばそうとするのですが、却って旅人は飛ばされないように、しっかりコートを抱きかかえうまくいきません。

 ところが、太陽は、旅人の周りを暖かくすることで、旅人は暑さのため無理なく自然にコートを脱いでしまい、太陽が勝ってしまったというお話です。

 病気治しも同じで、病気を叩き潰し、制御しようとする ”治す” 医療から、病める人を癒し ”治る” 医療へと変化すべき大切な時期ではないでしょうか。

 自然医学として生まれた「黄帝内経」の漢方の原典から二千年以上経った東洋醫学は、現代の今も不変的に継承している的を得た身体に優しい大極的な医学です。

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