ヘラクレス ヘラクレス(Dynastes h.hercules ) 

 ヘラクレス原名亜種、通称ヘラヘラが我が家にやってきました。
 外産カブトはこれが初めてではなくて知り合いの方から分けてもらい何度か飼育した事が有ったんだけれど、今回は自分から進んで幼虫を購入し飼育する事に。 元来は幼虫期の長さとそれに反比例する成虫時の寿命の短さの矛盾を感じて敬遠していたんですか、クワ閑期の暇潰しにもってこいとばかりにチャレンジだ!
  飼育ビン

 到着した時は3令直後といった感じで、幼虫の大きさは25〜30gのサイズ。 色々飼育に関する雑誌なんかを読むと「飼育ケースは大きい方が良い」との記載が見受けられたんですが、3令初期の段階では成長に応じたスペースで十分との話もあるので、飼育スペースも考えて到着段階では円筒形の2L程度の大きさ飼育。 向かって右が使用したプラ製のビン。 次回の交換まではこいつで飼育です。
  飼育ケース

 前回から1ヶ月経過したのでマットの交換。 ビン側面から見える幼虫は僅かな期間にどんどん成長しているのがうかがえるので、いっそのことデカいケースに移す事にしました。 前回のビンが余裕で2本入るくらいの大きさで、一般的な中ケースより一回り半くらい大きいサイズ。 これで単頭飼育する事にしました。
 懸念される羽化時期のズレに対応する「多頭飼育」は現段階では必要無しと考え、1頭ずつの飼育でどんどんエサを喰って成長してもらおう。(笑) 
  交換

 ご存じの通り、オオカブトは大食漢なのでマットの消費量が半端ではない。 そこで、エコ飼育と云うか、マット交換の時に「ふるい」で糞と未食のマットを分離させて再利用する手法を見掛けたので実践です。 古いマットと新しいマットをブレンドする事で環境変化のストレスが軽減されると云うが、その真偽のほどは未確認。 あまりにもこの作業が面倒になった場合はマットの全交換の可能性も有ります・・・要は「面倒くさがり」なんです。(笑) 
使柄用銘
  マット

 現在使用しているのは月夜野「きのこマット」ですが、特に選んだ理由はなくて在庫や価格、安全性などを加味した結果で今後は銘柄変更も有りです。 まだ飼育に関しては素人なので「実験」の様な事は出来ませんので、兎に角「安全である」って事を最重要ポイントとしています。
 ちなみに上のロック式ケースをマットで満杯にするには1ケースにつき1袋必要になり、幼虫が羽化するまでにはかなりの量を消費する事になるでしょう。 その点も踏まえて「価格」も重要だったりします。

1ヶ月後
  成長具合

 1ヶ月〜2ヶ月くらいのサイクルでマットは交換した方が良いそうです。 10月中旬に家に来てから初めての交換を行いましたが、どの幼虫も軒並み1.5〜2倍程度の体重増加で順調に育っています。 最終的に♂は100g以上が目標で、それ以下ではあの発達した胸角と迫力有るボディーは望めないらしい・・・道は険しいが、それだけに達成感も大きいと思います。

 目指すは♂130mm!

残念無念

 とりあえず飼育していたんですが、マットが悪かったのか管理が疎かだったのか3令中期の段階で全滅してしまいました。 途中迄は順調に成長していた事を考えるとマットが原因では無く、飼育温度やマット交換等の管理が悪かったのだろうと思います。 冬場は10℃程度に気温が下がった事もありましたからねぇ・・・いやぁ残念でなりません。
 再度挑戦を考えてはおりますが、なにせスペースをかなり取りますし小バエ等の雑虫発生を考えると二の足を踏んでしまいます。







  サタンオオカブト(Dynastes satanus ) 

 Dynastes属最高種との誉れ高いサタンの幼虫を入手。 以前よりも流通が増えて飼育の機会が増えたと云ってもやはり人気種なのか、価格や個体数に限りがあってなかなか入手する事が出来なかった(お金に糸目を付けないのなら別)んですが、上手い具合に価格面で折り合いました。 飼育は長丁場になるそうなのでリラックスして滅入らない程度に頑張ります。
  飼育スタンス

 入手した際はまだ初令段階で大きさも小指の先程度。 購入先に飼育法を聞いたところ常識内での温度管理なら滅多に幼虫が☆になる事は無いそうですが、先駆者は「20〜22℃の低温飼育」を推奨されている方も居られ迷うところ。 多分、マット等に問題が無ければ3令までは通常の温度で飼育しても問題無いと予想して取り立てて温度を調整する様な事はしないと決めました。 ですが、出来るだけ温度の低い場所(25℃以下)を念頭にビンを配置したのは云うまでもありません。
  飼育ビン

 飼育用のビンはヘラヘラの時と同じく3令初期迄は成長に見合ったサイズのヤツを選び、今回初2令用にはダイソーで入手したスクリュー式のプラ瓶で、大きさは10×10cmくらいの大きさ・・・容量は1L強って感じですね。 これにお約束の「きのこマット」を軽く詰めて単頭飼育で次回の交換期を待ちます。 側面から確認して3令になっているか糞が目立つ様になったら交換しますか。
  約2年経過

 そろそろ入手してから2年も経とうと言うのに、一向に蛹化傾向にありません。 現在♂の最大体重は86g有り、大体アベレージサイズと言った感じですか? 色々と調べると早いもので1年半、2年越えの幼虫も結構見られるらしく「セミ化」の心配は無い様ですが・・・いい加減蛹化して欲しい。 体表はプリプリとはしておらず堅く、色も黄色からオレンジ色が強くなっているのでそろそろとは思いますがねぇ。
  蛹化準備

 ここまで大体2〜3ヶ月くらいのペースでマットを交換しておりましたが、この交換の前は約半年ほど放置しており、あわよくば蛹化までして欲しかった。 しかし、目論見がはずれケース横にも糞が目立ってきた事からマットを全交換。 「蛹化兆候がみられたらマットは使用済みと新しいのを半々」と言われてる方も居られるが、面倒なのと小バエも湧いていた事から全交換してみました。 マットを用意するにあたり念入りに殺虫行程を踏み、マットの加水については今迄よりは少なめで行った。 この少ない水分で問題無いのかは正直分かりませんで、具合を見ながら再度の加水も考えています。
 また、時期的には十分蛹化も考えられるので2♂♂2♀♀の幼虫達をそれぞれペアで同居飼育し、少し小さめな1♂は今まで通り単独で飼育してみます。 一般に言われる羽化時期のズレ防止の為ですが、サタンはある程度大きめなケースで飼育した場合、単頭飼育と多頭飼育の違いで幼虫の体重のノリはあまり違わない気がするのでスペース的なもんも考えての事。 ま、実験したワケでは無いので差が出ないのかホントのところは不明です。 画像のケース、大きさは一般的に大ケースと言われるサイズで、今回の交換で蛹化するまで引っ張るつもり。
  羽化

 苦節30ヶ月、待望の羽化がやってまいりました。 「長い、長い」と文句を言いながらも決して諦める事無く辛抱した結果ですので感動ひとしおですね。 途中、飼育マットの再発酵で幼虫を★ってしまうアクシデントに見舞われブリードに一抹の不安を覚えましたが、どうにかペア揃ってくれて代重ねの準備はとりあえず完了です。 まだ後食が始っておらず本格的なブリードはもう2〜3ヶ月先ってところでしょうか? 現在は18〜22℃をキープ出来る環境下にて成熟を待つばかり。
 ここまでの結果で先人が言われている様に高温には弱い様で、幼虫飼育は25℃以下が望ましい感じがします。 ただ、初二令の段階ではそんなに気にする事は無く、若干高めでも大丈夫そうですね。 一部には幼虫時に拒食の話も聞きますが我が家ではその傾向は見られずスクスク育ってくれました。 ちなみに使用マットは初期段階は「きのこマット」で、その後はKBファーム製「栄養フレークEX」を買い置きして熟成させて使いました。