●○ プログラミング関連書籍レビュー ○● | |
このページでは管理人が現在までに読んだプログラミング関連書籍の 評価(採点とコメント)を行っています。 基本的には読了した書籍を対象としていますが、 一部しか読んでいない書籍に対してもコメントのみで評価する場合もあります。 【注意】採点は全て適正レベルの方が読んだ場合の評価です 難易度:星の数が多いほど難しい その他:星の数が多いほど評価が高い |
美しいC++プログラミング見本帖 | |||||||
著者 | 柏原正三 | 適正レベル | C++言語の基礎習得済み | ||||
総合 | ★★★★☆ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★★★★★ | 解説 | ★★★★★ |
暇な時に読み返したい良書。 ただ、何ができるようになるわけでもなく、大きく成長するでもないので、星四つ。 誤解しがちだが、プログラミング作法について教えてくれる本ではない。 例えば、変数の命名規則のススメとかは教えてくれない。 一部にはC++流儀を説いてはいるが、多くはC++プログラマが陥りがちな間違いに割かれている。 間違いを見つけられない自分を恥じ、そして答えに納得することの繰り返し。 基礎を固めたいあなたにオススメだが、 基礎がわかっていないと理解不能なので、「知っているはず」レベルになってから読もう。 とりあえず本屋で立ち読みしてみて、驚きを覚えたなら買って損なし。 自分はそうして買って、今、読んで良かったと思っている。 |
オンラインゲームプログラミング | |||||||
著者 | Jung Wun Chul 吉野ひろみ(訳) |
適正レベル | WinSock の基礎習得済み & DirectX の基礎習得済み | ||||
総合 | ★★☆☆☆ | 難易度 | ★★★☆☆ | プログラム | ★★☆☆☆ | 解説 | ★☆☆☆☆ |
買ってはいけない。 WinSock を用いてオンラインゲーム、およびその周辺技術を包括的に扱っている本。 そして欲張りすぎたために破綻している本。 最初の方で DirectX の解説(紹介?)があった点からして嫌な予感はしていたんだ……。 ゲームだからって DirectX を使うのは間違いだと声を大にして言いたい。少なくとも学習目的では。 さらに本書では DirectX だけに飽きたらず、SQL や ODBC についても解説(紹介?)し始める始末。 仕事では使うのかもしれないが、これらを知っていれば解説不要だろうし、 学生が持っているはずもなく、っていうか、だから学習目的の本で扱うなっての。 初級者には邪魔な話題が多く、また解説が不足しているため得られるものは少ない。 そして上級者には物足りない内容と思われ。 二兎を追う者は一兎をも得ず。全てにおいて中途半端。 プログラムが無駄に超巨大なのも理解を阻む以外の何者でもない。 でも何より問題なのは、解説が下手ということ。とてもプロとは思えない。 おまけに日本語がおかしい。訳のせい? 文章がおかしいためにスッキリしないばかりでなく、核心に触れない解説によって何も得られない。 本当に何も。 ちなみにゲーム部分はおまけ程度なので、そこに期待して買うのも止めよう。 プログラムが巨大すぎて練習問題としても不適当。 っていうかテトリスくらい自作できないレベルでは本書のプログラムは理解できまい。 マルチスレッド、ロビーサーバー、クライアントリストコントロールだけに注力すれば、それなりに価値ある本だったかもしれないが、文章力の無さは救いようがないので、もう同著者の本は読むまい、と固く決意するのであった。 |
猫でもわかるネットワークプログラミング(第1版/第2版) | |||||||
著者 | 粂井康孝 | 適正レベル | C言語の基礎習得済み&API習熟 | ||||
総合 | ★★★★★ | 難易度 | ★★★☆☆ | プログラム | ★★★★☆ | 解説 | ★★★★☆ |
WinSock を用いてネットワークプログラムをするための入門書。 なんだ、ネットワークプログラミングって思ってたより簡単じゃん!それに存外おもしろい!って思わせてくれた良書です。 DirectX でグラフィックスを極めるより、ネットワークを極めた方が、プログラマ的にはおもしろいなと悟る。 粂井さんの著書はどれもそうだが、実用的なアプリケーションの作成を通して学ぶスタイルは本書でも貫かれている。 無駄に機能が肥大化しているあたり、入門書としてはどうなの?プログラム読みにくいし。みたいなところはあるが、実践力は養われる。 不満を述べるなら、ボリューム不足、練習問題の答えが欲しい、など。 第1版と第2版の主な違いは、「第8章 デスクトップ画像転送プログラム」が追加されたくらい。 第1版を読んだ方は、高い投資となるが、第1版が気に入ったのなら購入を検討してみる価値はある。 私は買った。一日で追加分を消化してしまったが。 |
シューティングゲームアルゴリズムマニアックス | |||||||
著者 | 松浦健一郎 | 適正レベル | C言語の基礎習得済み | ||||
総合 | ★★★☆☆ | 難易度 | ★☆☆☆☆ | プログラム | ★☆☆☆☆ | 解説 | ★★★☆☆ |
シューティングゲームのネタ集。 プログラムに期待して買うのは間違い。 膨大な数のシューティングゲームを調べ上げたことは尊敬するが、肝心のプログラムは抜粋……。 “マニアックス”という題名をも恐れない読者はそれなりの技術を有しているはずなのに、(例えば)弾道計算だけ掲載されてもねー、みんなそれくらい自力で解決できるでしょ、というプログラムが大半。 だから、どうやって全体を制御しているの?という疑問に対する答えがないため、読者がゲームを作ろうと思っても作れない可能性も。 いちおうプロジェクト一式がCD-ROMに収録されているので、解読することはできるが。 実は全体の制御に関する解説はC MAGAZINE誌に掲載している。 『ゲームのためのタスクシステム』 松浦健一郎 著、C MAGAZINE 2004年12月号、pp.64-78、ソフトバンククリエイティブ 『C++によるタスクシステムの実現』 松浦健一郎 著、C MAGAZINE 2006年1月号、pp.135-144、ソフトバンククリエイティブ そして、私もこれらを参考に解説記事を書いている。 【本格的なシューティングゲームを実現するタスクシステム】 DirectX対応というところに恐れをなす読者もいるかもしれないが、C言語だけわかれば大丈夫です。 またスラスラ読めてしまうため、興味がある方は参考書程度に購入しても良いかもしれない。 |
ゲームエンジンプログラミング | |||||||
著者 | 赤坂玲音 | 適正レベル | 小規模ゲームなら幾つも作った | ||||
総合 | ★★★★★ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★★★★★ | 解説 | ★★★★★ |
待ってました!の赤坂先生の本です。 C言語とWin32APIの本です。 アドベンチャーゲームエンジンの作り方を一から十まで丁寧に解説してくれます。 作成するプログラムはかなり本格的で、以下のような特徴があります。 ・動作は外部のテキストファイルに記述された独自のスクリプト言語により制御される ・DLLによるプラグインで拡張可能 いかにも難しそうだなーって感じたかもしれませんが(私は感じました)、 本はスラスラ読めるし、ちゃんと分からせてくれるのが赤坂先生の凄いところでしょう。 プログラムも簡潔で美しいです。 小規模なゲームなら作れるんだけど、中規模以上のゲームとなると、 どうやって作ったらいいのか分からない!という方に最適です。 アドベンチャーゲームエンジン自体に興味はなくても、 インターフェースやDLLやスクリプト解析などに興味があれば買って損はないでしょう。 最終的に作るアドベンチャーゲームエンジンのプログラムは付属CD-ROMに完全収録されています。 かなーり長いプログラムですが、本で要点を解説されてますし、これまで勉強してきた事なので、 頑張って読んだ方が良いです。 プロの書いた本格的プログラムなんて滅多にお目にかかれる代物ではありませんからね。 次も期待してます、赤坂先生! |
DirectX9 DirectX Graphics | |||||||
著者 | NRTTKR | 適正レベル | C言語の基礎習得済み&API習熟 | ||||
総合 | ★★★★☆ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★★★☆☆ | 解説 | ★★★☆☆ |
【書籍版】DirectX9実践プログラミングの DirectX Graphics を December 2004 に対応した内容に変更するとともに、新しい原稿を追加したものです。 以前からの原稿は December 2004 に対応させた他に加筆修正などは行われていません。 サンプルフレームワークとHLSLの組み合わせを採用しています。 DirectX Graphics に絞り、サンプルを増やしたことで、入門書としての価値は高まったが、 サンプルフレームワークを中盤以降に使い続けるのは勘弁して欲しかった。 初心者にはサンプルフレームワーク無しとHLSLの組み合わせが最適だと思う。 現状では本書が最良の入門書だろうが、【書籍版】DirectX9実践プログラミング も併せて買うことをお勧めする。 それでも私は、アルゴリズムの解説からも逃げない真の解説書を書いて下さる 勇者様の出現を望んで止みません・・・。 それはそうと、【書籍版】DirectX9実践プログラミングより薄いくせに高いなー……。 |
Windowsサウンドプログラミング | |||||||
著者 | 田辺義和 | 適正レベル | 本格的にMIDIを勉強したい | ||||
総合 | ★★★☆☆ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★☆☆☆☆ | 解説 | ★★☆☆☆ |
MIDIを"作る"側に向けて書かれた技術書。 プログラミング書じゃない。 "プログラミング"という題名は偽りであり、実際は規格書に近い。 実際プログラムの説明は殆ど無く、また仮想プログラムを用いているため細部が不明。 一方、CD-ROM収録サンプルは本格的すぎて理解できない。 サンプルの説明も簡素であり読者にわからせる気がない。 サンプルはおまけと考えるのが妥当だろう。 そしてもう一つ問題なのは、専門用語の説明が殆ど無い事。 一般プログラマが知っているはずがない……。 従って、サウンドプログラマ以外は用がない本かもしれない。 私が期待していたのは、MIDIを"使う"側に向けて書かれたプログラミング書だが、 どうやらMIDI関連でそのような本は存在しないようだ。 ところで、本書の半分近くはWAVEについての解説だが、それなりの内容。 あくまでもメインはMIDIである。 正直、イマイチはっきりしない(よくわからない)というのが感想だが、 有益な情報もチラホラあるので参考書としては良いかもしれない。 |
【書籍版】DirectX9実践プログラミング | |||||||
著者 | 大川善邦 成田拓郎 大澤文孝 登大遊 |
適正レベル | C言語の基礎習得済み&API習熟 | ||||
総合 | ★★★☆☆ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★★★☆☆ | 解説 | ★★★☆☆ |
DirectX入門書の決定版!?(DirectX9.0b対応) DirectX自体や関数の説明がメインであり、リファレンス的な色合いが強い。 この方向性は決して間違っているわけではなく、 膨大な関数の仕様とその使用例を解読しているうちになんとなく掴めてきます。 よく“使い方”の説明をしていると揶揄されますが、入門者にとってはそれが重要だと思う。 残念なのは肝心の関数の解説が完璧ではなく、省略された関数が多々ある事、 CDに収録しているサンプルプログラムが本の解説に完全対応していない事、 そして全体的に親切心に欠ける事などが挙げられます。 作者のやる気は感じられるのですが、もっと丁寧かつ徹底的にお願いしたい。 ページ数は倍以上になるかもしれないけど。 「DirectX入門書の決定版」は悲しいかな恐らく本当なので、入門者には本書を奨めたい。 雑誌サイズの一回り大きな紙に小さな文字でびっしりと書いてあるボリュームは評価したいが、 最後まで読み進める時間と根性は並々ならぬものが必要です。 覚悟して読み始めて下さい。 本書はDirectXを構成する DirectXGraphics , DirectSound , DirectMusic , DirectPlay , DirectInput , DirectShow の解説をしていますが、 入門者が勉強すべきは DirectXGraphics , DirectSound , DirectMusic , DirectInput だと悟った。 一番DirectXらしく、一番難しいのは DirectXGraphics だが、 他の三つはAPIの延長であり、それほど難しくない。 ネットワークの DirectPlay や、ムービーの DirectShow 等は必要に応じて勉強すればいいだろう。 私は現時点で2冊のDirectX解説書を読破したが、未だによくわからない……。 でも掴めそうではある。 この感覚はMFCやAPIに触れたばかりの頃、 よく使うメッセージだけを覚えて、初期化処理などはよくわからなかったあの頃に似ている。 ところでDirectXがまだまだ発展途上であると感じさせるのは、初期化処理の尋常じゃない長さ。 いちいちチェックが必要で、DirectXGraphics の初期化処理は約1000行にもなり、 動くだけでも奇跡である。 |
猫でもわかるC言語プログラミング | |||||||
著者 | 粂井康孝 | 適正レベル | プログラミング未経験 | ||||
総合 | ★★★★☆ | 難易度 | ★★★☆☆ | プログラム | ★★★★☆ | 解説 | ★★★★☆ |
※本書の評価は全てを読破していない状態で下している事をご了承下さい 作者のファンであり、一部知らない内容もあったので手元に置いておきたく思い購入しました。 入門書にしてはかなり高度な内容まで扱っています。 難しいという意味ではありません。 むしろ難解なアルゴリズムは使わず、実際によく使うテクニックで記述されたプログラムは 非常に自然であり、実践力が身に付く事間違い無しです。 気になるポイントの解説もしっかりしているので、わざわざ自分で確かめる手間も軽減します。 ただしアルゴリズムについては別途勉強する必要があるでしょう。 定番のアルゴリズムを知らないと、何をやっていいのかわからなくなる恐れがあります。 全体的にあっさりした解説は賛否両論あるかもしれません。 プログラムの数も少なく、これ一冊でC言語に慣れる事ができるかは疑問。 『明解C言語』のような骨太な本の副読本として読まれるのが宜しいかと。 『明解C言語』はアルゴリズムやC言語の解説中心で実践力に欠けるので、 実践力は本書で補うのが理想的です。 粂井康孝氏のプログラミングスタイルは素直で人間味があって好きですね。 |
DirectXゲームグラフィックスプログラミングVer.2.0 | |||||||
著者 | N2Factory | 適正レベル | C++言語の基礎習得済み&API習熟 | ||||
総合 | ★★★☆☆ | 難易度 | ★★★☆☆ | プログラム | ★☆☆☆☆ | 解説 | ★★☆☆☆ |
DirectX は DirectXGraphics , DirectInput , DirectShow , DirectMediaObject
, DirectSound , DirectPlay , DirectMusic , DirectSetup から構成されています。 本書は DirectX9 の DirectXGraphics の初級書です。入門書には適しません。 著者もそのつもりである事が第1章の題「DirectX再入門」から伺えます。 初心者用のテクニック集という色合いが強い。 扱っている内容が面白い事、豊富な図を使って説明している事が特徴だが、 全体的に雑過ぎるのが非常に残念。 説明は理論中心で、それをどのようにプログラムすればよいのかといった説明が不足している。 関数の説明も殆ど無い。 入門者には専門用語バリバリのヘルプ解読は難しいので、関数の詳細な説明も欲しかった。 おまけに誤植多数。 そして、プログラムは独特を通り越して汚い!今まで読んだどの本より汚い。 無意味にクラスを定義している点にも疑問。 また、Windowsプログラミングについては全く触れていません。 クラスという閉じた世界で終始しており、全体像が全く見えない。 今回の事で学んだが、誤植が多いと言われている解説書は全体的に雑だ。 著者の性格か、はたまたやる気がないのか。 出版社はやる気がないのだろう。編集段階で発見できなかったはずがない。 DirectX には悲しいかな適切な入門書がないのが現実らしい。 ネットの解説やヘルプを読んで勉強するのだそうだ。 幸いヘルプの日本語化はかなり進んでいる。 本書は DirectX の基礎は理解してるんだけど、 実践的なテクニックがわからない、という諸氏がお読みになって下さい。 大手ネット書店での評価が高いのは、こういった方々が投稿しているからだと思われます。 |
Windowsゲームプログラミング | |||||||
著者 | 赤坂玲音 | 適正レベル | APIの基礎の基礎は習得済み | ||||
総合 | ★★★★★ | 難易度 | ★★★☆☆ | プログラム | ★★★★★ | 解説 | ★★★★★ |
ゲームに使えそうな機能を広範囲に扱う初級〜中級書。 ゲームと名の付く書籍にはろくなものがないと思っていたが、 本書はゲームを作る気がない方々にもオススメ。 私はマルチスレッドの解説が読みたくて買ったのだが、 他にも一般の入門書では扱わない(そして私の知らない)機能を 広範囲に紹介していたので大変勉強になった。 実用的なアプリケーションを組まなくても、 そういう機能があるという事だけ教えてもらえれば後は自分で何とかする、 という向きに最適。 本書のスタイルは、それぞれ機能につき完全に解説する事。 関数の引数に渡せる定数一覧とその意味などを表を使って完全に紹介しています。 リファレンスに近いと言えるかもしれません。 いかにも技術屋さんの解説です。 プログラムは機能を理解する最低限の短いものですが、 筆者のテクニックが随所に光る見事なサンプルです。 筆者のプログラムは少々独特というか、低水準言語の影響を受けているような感じがあり、 高級言語しか知らないおぼっちゃま育ちの私には取っ付きにくく感じていましたが、 慣れてしまえばなんて事はありません。 自分と違うスタイルのプログラムを読むことも勉強になります。 一つ難があるとすれば、最終章にて作る「テトリス」と「ブロックくずし」ゲームの プログラムの解説がかなり不足している点でしょう。 もちろん仕様はしっかり説明していますので、 それなりに経験のあるプログラマなら理解できて然るべきです。 適正レベルを上回る私が少し悩む程度に理解できた事も述べておきます。 しかし、ここだけ筆者のいつもの完全スタイルが崩れているような気がしてなりません。 ただ、テトリスのプログラムは大変素晴らしいものですので、 これを目当てに買っても良いかもしれません。 また、筆者は大手解説サイトの管理人でもありますが、 サイトの内容をコピーしているんじゃないの?という心配は無用です。 確かにサイトの内容をまとめたものですが、 より洗練された(無駄を省いた)解説になっています。 サイトがあるという事は追加学習が可能であると前向きに捉えるのが 今後のトレンドではないでしょうか? 新進気鋭の若手作家“赤坂玲音”先生のこれからに大注目です! |
改訂版 Java言語プログラミングレッスン上 Java言語を始めよう 改訂版 Java言語プログラミングレッスン下 オブジェクト指向を始めよう |
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著者 | 結城浩 | 適正レベル | C++言語の基礎習得済み | ||||
総合 | ★★★☆☆ | 難易度 | ★★☆☆☆ | プログラム | ★★★★☆ | 解説 | ★★☆☆☆ |
Java言語の入門書。 手取り足取りの究極形ともいえる細やかな解説がウリ。 だが、C++言語の基礎を理解している者からすれば、正直ウザイ! 遠回しな表現がかえって分かりづらい。 また、詳細に、網羅的に述べようとしないのも個人的には大幅減点。 でも、ちょっと難しめのプログラムは悪くない。 機能を理解するには多少難しくても実用的なプログラムの方が良いと常々思っている。 実はスパルタな著者は時に難題を押しつけてくる。 これが、途中から急に難しくなるという誤解を一部で生んでいる原因だが、 一部だけ極端に難しい、という解釈が正しい。 さらに初心者歓迎を謳いながら、とうてい初心者では知り得ない内容が序盤から登場するのもどうか。 しかしこれは、そうしないと話にならないという事情もある。 要するにJava言語は初心者お断りであるということだ。 無理だとは言わないが、C++言語を先に学んだ方がより深い理解が得られるだろう。 解説が細やかだと言ったが、 それは機能に対する解説であって、掲載プログラムの解説はあまり無い。 この点も初心者には大打撃であろう。 私も一部苦戦した。 シリーズものは得てして一冊の本より解説が冗長になる傾向があるが、 このシリーズも例に漏れず、一冊でも十分な内容であるように思う。 二冊にするのは構わないが、丁寧さだけでなく詳細に、 網羅的に述べることも忘れないで欲しいものである。 近頃の解説書は本気でプログラムを学びたい者をなおざりにしているのではなかろうか。 さて、重要なのは私がどれだけJava言語を理解できたかだが、 解説記事を執筆したせいもあり、まあまあよく理解できたと言えるだろう。 これが本書の力か、はたまた私の努力によるものかは判断しかねるが。 本書の内容を覗き見たい方、あるいは本書の内容が理解できない方は、 是非とも私の解説もご覧になって頂きたい。 |
C言語で学ぶ実践画像処理 | |||||||
著者 | 井上誠喜 八木伸行 林 正樹 中須英輔 三谷公二 奥井誠人 |
適正レベル | C言語の基礎習得済み&APIの基礎習得済み&DIBが使える | ||||
総合 | ★★★★☆ | 難易度 | ★★★☆☆ | プログラム | ★★☆☆☆ | 解説 | ★★★★☆ |
画像処理入門書の決定版! とにかく読みやすい。 多くの類書が教科書ライクに○○法のアルゴリズムを羅列しているのに対し、 本書は実践という名に恥じず「第5章 雑音を除く」「第8章 色を変える」など ハッキリした目的のもとに各章が構成されています。 出来るだけ簡単に実現できる内容がチョイスされているのも プログラム化が目的な初心者には嬉しいところ。 しかし、各章の最後に応用的な内容に“軽く”触れ、 プログラムが掲載されていたりするのは困りもの。 理解できないし……。 解説するならちゃんとする、しないなら紹介する程度にとどめておくべきです。 ところで、誤解しないで欲しいのは、 基本的には画像処理のアルゴリズムを解説した本であり、プログラミング解説書ではありません。 事実、プログラムの解説は殆どありません。 おまけに、本書で解説された箇所のプログラムしか掲載されていません。 ある意味妥当な判断ですが。 C言語の知識しかない(Win32 APIなどが使えない)方も買いそうな 「C言語で学ぶ実践画像処理」というタイトルも不適切。 「実践画像処理 C言語対応」くらいが適切かと。 掲載されているプログラム自体は悪くありません。 ただ、C言語だけで実現しようとするあまり実用的ではなかったり、 無駄に難しくなっていたりするため、自分で考えた方が早いことも。 実際に動作するプログラムを作成するためにはDIBなどの知識と技術が不可欠。 動作するプログラムを作る気がないのであれば、 画像処理に興味さえあれば楽しめる……かも知れません。 が、理解度はやはり劣りますし、最低限掲載プログラムを理解する力は必要です。 じゃないと、理解した気になっただけで、 実は何の実践力も身に付いていなかった、というのがオチです。 私は本書で画像処理に目覚めました。 見た目に分かりやすい結果が得られるのは面白いものです。 あなたもどうですか? 当サイトにて動作するプログラムを公開しています(3章〜10章)。 |
ゲームプログラミング練習帳 | |||||||
著者 | 宍戸輝光 | 適正レベル | C言語の基礎習得済み&APIの基礎習得済み& 500行程度のゲームを自作した経験がある |
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総合 | ★★★★☆ | 難易度 | ★★★☆☆ | プログラム | ★★★★☆ | 解説 | ★☆☆☆☆ |
本書はAPIを用いたゲームプログラミングについて書かれた本です。 多くの類書が上級者向けの大規模なゲーム開発について書かれているのに対し、 本書は小規模な、あるいはその前段階の実験プログラムばかりを扱った内容となっています。 “簡単なシューティングゲームくらいなら自作できるんだけど、 ちょっと限界を感じてきた”という中級者に最適です。 扱っている内容は大変興味深く、プログラムの難易度も絶妙…… まさにブレークスルーとなってくれるでしょう。 ところが著者の作家としての才能は皆無に等しく、 何の工夫もないページ構成……は結構分かりやすかったりしますが、 この手の作品としては例に漏れず、 “適当な説明”、“数え切れない誤植”、“間違いだらけのプログラム” が本書を堕落させてしまっています。 おまけにハードコーディング……これも結構分かりやすかったりしますが。 間違いを間違いだと見抜く力がなければ理解不能でしょう。 前半はゲームプログラミングで必要な基礎処理…… 特に画像関係に多くのページが割かれているのは好感が持てます…… について本当に短い、まだゲームじゃない実験プログラムについての解説があり、 後半は主に前半で習った処理を組み合わせて簡単なゲームを作ります。 後半は文字通り応用なので前半の基礎が理解できれば後半の内容も理解できるでしょう。 私自身読み始めた頃は“やばい……訳が分からん”と思っていたのものですが、 画像関係の解説が終わったあたりで突然ひらめき、全てを理解することができました。 ゲームプログラミングには特殊な知識が必要です。 この手の中級書が本書しかない現状では、 足りなすぎる解説は自分でヘルプを活用して補いながら読むしかありません。 挫折する方も多い本書ですが、 理解できた方にとっては非常に有益な本です。 後半のプログラムは結構長く見えるでしょうが、 徐々にプログラムを追加していくスタイルですので無理なく読めます。 そもそもゲームプログラミングの基礎処理の一つ一つが 普通のプログラミングに比べやたらと長いので、 実際にはそれほど長いプログラムはありません。 これは私自身も危惧していた問題ですが、結果的には無理なく読めました。 最後に一応言っておきますが、初心者には理解できません。 |
定本 明解C言語 実践編 | |||||||
著者 | 柴田望洋 | 適正レベル | C言語の基礎習得済み | ||||
総合 | ★★★☆☆ | 難易度 | ★★★★★ | プログラム | ★★★★☆ | 解説 | ★★★★☆ |
C言語中級書ですが、基礎固めといった面が強いです。 全てのC言語中級者を目指す方にお勧めとはいきません。 元々は雑誌の連載記事のため、かなり実践的な内容であることは確かですが、 それはつまり職業プログラマーのような方が必要としている情報であり、 趣味、あるいは学生プログラマーにとって面白い情報はありません。 どんどん新しいことを知りたい方には不向きです。 本書の関心事はシステムの内部動作のようなC言語のもっとも泥臭く面倒な事柄であり、 またこの著者の作とあって非常に難解です。 特に後ろ二章は殆ど理解不能でした。 再編集されてはいるものの元々は雑誌の連載記事という過去は拭えず、 まとめただけという感じがしてしまうことも事実です。 「定本 明解C言語 入門編」の内容と多少かぶっていたりしますが、 入門編の補足として読む価値はあります。 あるいは当時連載していた雑誌である「C MAGAZINE」の読者に自分は相応しいと 感じている方であれば本書は有益でしょう。 |
はじめてのC++ 演習と解説 | |||||||
著者 | 塚越一雄 | 適正レベル | C++言語の基礎習得済み | ||||
総合 | ★★★★★ | 難易度 | ★★★☆☆ | プログラム | ★★★★☆ | 解説 | ★★★★☆ |
「決定版 はじめてのC++」の姉妹書です。 演習とありますが、決定版の内容とかぶるようなことはありません。 決定版の補足的な意味合いが強いですが、中級書レベルの内容も扱っています。 陥りやすいミスを題材にどんどん新しいことを教えてくれます。 また決定版と違い真にC++言語らしい実践的なプログラムの解説が中心で、 真にC++言語らしいオブジェクト指向を駆使したプログラムが書けるようになります。 “何となくC++言語の基礎は分かったんだけど、C言語から抜け出せない”という方に最適です。 解説は一言一言の重みが増しましたが、相変わらずスラスラ読めます。 どうしても難しすぎる解説はパスしてしまう傾向も相変わらずで残念ですが。 入門書だけじゃ物足りないと感じていた人は本書を読むことでその不満から解消されるでしょう。 本書は入門書ではないので決定版読了後に読むのが最適です。 本書を読むために決定版を読む価値は十分あります。 |
猫でも分かるWindowsプログラミング | |||||||
著者 | 粂井康孝 | 適正レベル | C言語の基礎習得済み | ||||
総合 | ★★★★★ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★★★★★ | 解説 | ★★★★★ |
Win32APIを学び始めたいのならこの本しかない! 砕けた語り口ばかりが注目されがちな本書ですが、 実は質実剛健な昔ながらの王道解説書です。 サンプルプログラムで用いたAPIの、特定の使い方しか解説しない本が多い中、 本書はきちんと内部構造を示し、網羅的に教えてくれます。 構造体や関数のメンバーや引数、返却値が分からないと決して自分で書けるようにはならないので、 その場しのぎではない詳細な解説は重要です。 著者のスタンスは“ある機能は全て試してみよう”といった感じで、 プログラムは結構長くなっています。 勿論その分だけ理解が促進されるのは言うまでもありません。 これ以上改善しようのない完璧なプログラムなので入門者には最適です。 「読めるだけでなく書けるようになる」……私は過去にAPIをかじっていますし、 先にMFCを習得していたので序盤を読んだだけで把握できてしまいました。 また著者は超有名なプログラミング解説サイトの管理人なので、 本書を読み終えた後も継続学習が可能であることが本書特有の強みでしょう。 実は本書もサイトの内容をまとめたものなのですが、 サイトよりも遙かに質が上がっていますので、 サイトのコピーなんじゃないの?という心配は不要です。 新世代を担う可能性を感じさせる著者の本にはこれからも注目していきたいです。 |
決定版 はじめてのC++ | |||||||
著者 | 塚越一雄 | 適正レベル | C++言語に入門したい | ||||
総合 | ★★★☆☆ | 難易度 | ★★☆☆☆ | プログラム | ★★★☆☆ | 解説 | ★★★★☆ |
その名の通りC++入門書の決定版として称える方が多い本です。 最大のウリはスラスラ読める解説ですが、 どうもこの著者は難しい説明はパスする傾向があるようです。 また文章が長過ぎるために全体を見失うこともしばしば。 それでも確かにスラスラ読めますが、 それは一言一言の重みが小さいということの裏返しでもあります。 プログラムは文法を理解するための最小限かつやさしいもので、 問題を解決する手順であるアルゴリズムの習得は全く望めません。 実用的なプログラムは学べないため、“だから?”で終わってしまうかも知れません。 また、UNIX環境に依存した解説もウィンドウズしか知らない方にはマイナスです。 ページ数は多いものの内容は薄く 本書だけでC++らしいプログラムを書くようになることは出来ないでしょう。 後々読むと意外と高度なことが書いてあったことに気付かされますが、 もっとC++特有の機能について解説して欲しかったというのが私の本音です。 本書を読むのであれば必ず「はじめてのC++ 演習と解説」も読まなければいけません。 合計するとかなりのページ数ですが、両書を読むことで真にC++プログラマーになれると言えるでしょう。 |
やってトライ! Visual C++.NETプログラミング | |||||||
著者 | 桜田幸嗣・p4room | 適正レベル | C言語の基礎習得済み& MFCの基礎プログラムは読めるのだが書けない |
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総合 | ★★★★☆ | 難易度 | ★★☆☆☆ | プログラム | ★★★★☆ | 解説 | ★★★☆☆ |
本書はMFCについて書かれた本です。 先ずはMFCの基礎の基礎についての解説があり、 中盤以降はゲーム作りを通して学習していくことになります。 “MFCは読めるんだけど、なんかよく分からないし、書けなかった”私は序盤を読んだだけで ウィンドウズプログラミングの概念を把握し、自分でも書けるようになりました。 中途半端にC言語の解説もされていますが、基本的にC言語の基礎知識は前提であり、 MFCの基礎も本書のそれなりの説明では理解不能でしょう。 ただしサンプルプログラムについての解説はちゃんとされているので 焦らず入門書を読んでから本書を手にとって下さい。 本書に限らずゲーム作りを通して学習するような初心者用の本に良質な本はなく、 とりわけ入門書としては不適切です。 ゲーム作りは結構難しいんです。 私はこの手の本で入門しようとして成功した人を知りません。 |
プログラミング学習シリーズ Visual C++ 1 はじめてのWindowsプログラミング プログラミング学習シリーズ Visual C++ 2 はじめてのオブジェクト指向プログラミング プログラミング学習シリーズ Visual C++ 3 はじめてのMFCプログラミング |
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著者 | 山本信雄 | 適正レベル | C言語の基礎習得済み | ||||
総合 | ★★★★☆ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★★★★☆ | 解説 | ★★★★☆ |
合計1000ページにもわたる長大な解説で ウィンドウズプログラミングの基礎を非常に丁寧に教えてくれます。 一巻はウィンドウズプログラミングの概念とAPIについて教えてくれます。 API習得が目標ならば一巻だけ読むという方法もあります。 二巻はAPIを用いたオブジェクト指向について教えてくれます。 オブジェクト指向というとC++言語が思い浮かびますが、 本書で解説しているのはウィンドウズプログラミングで必要なオブジェクト指向であり、 突然C++言語の説明をするようなことはありません。 ただ、慣れないAPIで訳の分からないオブジェクト指向というものを理解するのは難しく、 ウィンドウズプログラミングで必要な、という制限をかけたことでより抽象的になってしまっています。 オブジェクト指向を勉強したいのであれば素直にC++言語を勉強するべきかも知れません。 三巻はMFCについて教えてくれます。 基本的に本シリーズが目指す最終目標はMFCプログラマーになることだと言えます。 流石に最終巻だけあり実践的なプログラムが多く、後々まで役に立ちます。 本シリーズは概念を理解することが最優先となっているようにも感じられました。 メッセージやフラグの一覧表なども載せてあるのですが、 関数の引数などの内部構造を示すことなく、その場しのぎの特有の機能を言葉で説明するだけです。 網羅的には教えてくれません。 解説の丁寧さは折り紙付きなのに残念なところです。 私も急がば回れと本シリーズを読みましたが、正直あまりよく分かりませんでした。 ウィンドウズプログラミング入門者がAPIとオブジェクト指向、MFCをいっぺんに理解するのは かなり無理があったのかも知れません。 読めるようにはなるんだけど、書けるようにはならないのが非常に惜しいとしか言いようがありません。 どうやらウィンドウズプログラミングを把握するためには 自らプログラムを組んでみる必要があるようです。 また、三巻は必要な箇所に限り何度か読み返していたのですが、 現在はAPIに完全移行してしまったために、本シリーズの内容は殆ど覚えていなかったりします。 なにしろ評価するために本シリーズをパラパラとめくってみたくらいですからね。 今思えば“ちょっと時間のロスが大きいかな?”という気がしないでもありません。 |
明解C言語 入門編 例解演習 | |||||||
著者 | 柴田望洋 | 適正レベル | プログラミング未経験 | ||||
総合 | ★★★★☆ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★★★★★ | 解説 | ★★★★☆ |
「定本 明解C言語 入門編」の姉妹書です。 内容は酷似していますが、本書の方が少しだけ難しくなっています。 どちらかしか読む時間がないのであれば定本の方を読んだ方が良いでしょう。 本書の方が解説が少しだけ荒削りになっていますから。 しかし最良なのは併読することです。 定本を先ずは読んで本書で復習する。 実際私はそうしていました。 時間の無駄だと言う方もいますが、 同じような内容なのでそれほど時間がかからずに読めるはずです。 プログラミング初心者の方はとにかく多くのプログラムを読み書きすることが非常に重要です。 身に付けるための復習と割り切って同じような内容でも我慢して読みましょう。 |
定本 明解C言語 入門編 | |||||||
著者 | 柴田望洋 | 適正レベル | プログラミング未経験 | ||||
総合 | ★★★★★ | 難易度 | ★★★★☆ | プログラム | ★★★★★ | 解説 | ★★★★★ |
全てのC言語入門者にお勧めしたい一冊。 本書の特徴を一言で言い表すならば「読めるだけでなく書けるようになる」が最適でしょうか。 よくある「やさしい〜」みたいなタイトルが付いている本はサンプルプログラムがやさし過ぎて、 “だから?”で終わってしまいかねません。 単に文法を理解するだけが目的ならそれでも良いのでしょうが、 おそらくプログラム入門者が多いと思われるC言語入門書では、 問題を解決するための手順であるアルゴリズムの習得が必須です。 どれだけ素晴らしいアルゴリズムを知っているか、 そして思いつくかでプログラマーとしての力は決まると言っても過言ではありません。 本書のサンプルプログラムは実用的なアルゴリズムを多数用いており、 自然とプログラムの感覚を掴めるようになっています。 また全てのプログラムは動作可能な完成状態で掲載されており、 “取り敢えず読んでみよう”みたいな新時代型の体裁が採用されています。 これもまた「書けるようになる」に一役買っているのは間違いありません。 解説は一言一言の重みが大きく、かなり細かいことまで教えてくれます。 細かいことが気になっちゃうプログラマー気質の方には最適ですが、 なかなか手強いです。 解説、プログラム共に少々難しいのですが、無理なレベルではありません。 むしろ少し難しいくらいの方が力がついて良いと私は思っています。 私自身プログラムの知識ゼロの状態で読み始めました。 そして今の私があります。 半端な気持ちで読めるほど甘い本ではありません。 ですが、皆さんが本気で読めば本書は必ずや応えてくれるでしょう。 皆さんのプログラミング人生が花開かんことをお祈り申し上げます。 |