2006/05/03〜05 春季航海訓練と救命胴衣着用キャンペーン
 
 恒例の春季航海訓練と救命胴衣着用着用キャンペーン(粟島)を実施しました。島のみなさん、観光客のみなさんのご協力のもと、充実した3日間の行程を終えました。ありがとうございました。
 
粟島2 出航前にヨットクラブのみなさんに海の安全に関するシール、印刷物を配布させていただきました。

自己救命策確保(海の安全)3つの基本
・救命胴衣の着用
・携帯電話の携行(防水パック使用)
・118番の有効活用

待ちに待ったゴールデンウィークです。マリンレジャー愛好家のみなさんはそれぞれ楽しい予定を組まれていました。

粟島1 新潟港を出るとうねりがまだ残っていました。経済船速にて航行し、所要約2時間ほどで粟島に着きました。

図.粟島がもうすぐだ!!(新装品のライフジャケット着用の隊員)

粟島3 島開き2日目の港の様子です。フェリーあわしまの入港にあわせ漁船が大漁旗を薫風にはためかせ、次々と沖へ出迎えに向かいます。
毎年の恒例ですが、とても勇壮であたたかい催しと思います。

今年は例年より多くの方々が島に来たようです。

わしかぜは万国旗掲揚し、島開きを祝福いたしました。

粟島3 島の名物わっぱ煮会場です。行列ができていました。

私たちも昼食にいただきました。ソイやかわはぎなどの入ったわっぱ煮は、ほんとうにおいしい島の味です。


<わっぱ煮ミニ情報>
わっぱ煮の器はうるしが塗られており、保存がきくそうです。島の人によれば、昔の漁師はそこにごはんと味噌を詰めて漁に行き、とった魚でお昼にしたそうです。
また、わっぱ煮の石は特別なもので、島から持ち出すことは固く禁じられているそうです。

粟島4 昼食後わしかぜに戻りロープワークおよび甲板ワークのトレーニング実施しました。
粟島5 島の公共施設などに海上保安庁の安全啓蒙ポスター(今話題の海猿)を貼らせていただきました。

自己救命策確保(海の安全)3つの基本
・救命胴衣の着用
・携帯電話の携行(防水パック使用)
・118番の有効活用

映画海猿をみなさんご覧になられましたか。

粟島7 宿での反省会および早めの夕食をいただいた後、休憩をとりました。午前3時港に行き、島の定置網(大棒網)漁船にお願いし見学のため乗船をさせていただきました。
私たち海救隊にとり、漁業もたいへんに関心のある分野であり、今回は本当に貴重な体験となりました。島の漁師さんありがとうございました。
粟島8 数箇所の網を巻き上げていきます。今年は水温が低く、魚の活性が低いため漁は少ないとのことですが、見事な鯛にひらめ、あんこうやすずきなどが目をひきます。
3箇所目の巻き上げの頃、東の島影よりご来光を拝みました。ご来光の美しさ、力強さに照らされて一生懸命に網をたぐる島の漁師のみなさんの姿に胸を打たれました。
漁というのは容易でない作業であり、危険も時には背中あわせです。みなさまの安全と大漁を心よりお祈りいたします。そして日本の水産についても関心を持ち、豊かな海がいつまでも続くことを願ってやみません。
粟島9 魚介類は鮮度が重要です。漁師のみなさんはそのためにいかに鮮度を保つかということを考え試行されていました。

図.のじめによる鮮度確保試行の図

粟島10 2日目、おいしい宿の魚介メインの朝ご飯をいただいた後、自由時間をとりました。大棒網漁に参加したメンバーは昼寝をし、島の散策などめいめいに過ごしました。
お昼は海水浴場でバーベキューを兼ね野外調理実習に挑みます。いかに迅速かつ安全に安定した火力を得るかが重要となりますが、やはり年長の隊員は心得たものです。

おいしい食事をみなでいただきました。

粟島11 食事終了後、新潟に面する内海を望みながら子供も大人もしばし休憩。
粟島12 おだやかな海が眼前に見えます。
粟島13 子供 「石投げてテトラを超えるかな」
大人A 「おじちゃんも挑戦だ」

いつまでも投げ続けました。

粟島14 島の子供たちが2年前にとれたサメの歯を標本としてとるために、漁師さんにサメを埋めてもらったという場所に連れて行ってもらいました。
松の生えた岩の近くのその場所を島の大人たち、子供たち一緒に掘りました。なんだかタイムカプセルみたいな感じです。

残念ながら歯が1本みつかっただけですが、この体験を通じ、島の大人たちの遊び心と、子供の好奇心に寄り添うことの素晴らしさを感じました。

その後、しおだまりで海草ややどかり、貝などの観察を皆で行いました。とても楽しいひとときでした。

2日目の夜は自由行動でした。粟島を舞台にした映画の無料上映会に行きました。用意された椅子は満員でした。
また民族資料館で伝統漁法など島の文化を学ぶ隊員もいました。

粟島15 3日目9時30分粟島港出航しました。天気予報ではだんだん波が高くなり、夕方ころ雨とのことでしたので、岩船港経由をとりやめ一直線に新潟港に戻ることにしました。航行中、航海計器や双眼鏡によるワッチなど勉強しました。また、無線についてもいろいろと教わりました。ちょうどそのとき、九管より富山湾で乗組員の不在船舶発見の緊急無線を受信しました。海域が離れておりましたので捜索の出動依頼はありませんが、無事でいて欲しいとみなで祈りました。

※今回の航海計画にも、訓練海域付近での事故等発生の際には出動依頼を受ける旨記載し提出いたしております。

粟島16 2時間ほどの所要で新潟港に帰港しました。

図.海上保安庁高速巡視艇ひだ(西港)

粟島17 着岸後、わしかぜの整備整理を行いました。

図.わしかぜJr.を右舷に抱くわしかぜ

粟島18 つぎつぎとセーリング、クルージングに出かけたヨットクラブのみなさんが帰港されました。

図.GWセーリング後のヨットマンとの意見交換会


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