水温管理

SQクール

「サーモスタット流用技」




毎日暑いですね・・・。今時期にサーキット走行すると問題になるのが水温対策。私は専門家では無いので詳しい説明は出来ませんが、スポーツ走行する場合水温80度〜90度付近にキープするのが良いと思っています。特に根拠は無く、色んな情報を自分なりに分析し「多分こんなもんだろう」と言う感じです。水温を取り出す場所によっても数値は違いますので数値については参考程度にしてください。(ちなみに私の車はヘッド裏の純正水温計センサーの位置で取り出していますが、定番のアッパーホースで取り出すと5度くらい低い数値が出るようです。)

水温対策として色んな方法があると思いますが、根本的に解決できるのはラジエター交換。しかしコストパフォーマンスは低いです。純正+α程度の2層ラジエターでも3万円程度。確かに水温の上昇スピードは下がりますが90度以下にキープする事は難しいです。私の場合ARCのオールアルミが装着されています。アルミラジエターが低速走行に弱い事もありますがノーマル制御では街乗りでも簡単に90度以上に上がってしまいます。で、ファンが回りだすのは100度を超えてから・・・。

おそらく、水温が100度付近まで上がっていればオーバーヒートとまでは行かなくても全開時のパワーダウンはしているでしょう。しかし、街乗りではこれで問題ないのです。水温を無闇に下げれば油温も下がるのでオイル粘度が上がり燃費が悪くなりますし冬季のヒーターの効きも悪くなります。(オープンカーなのでヒーターの効きは大事です)メーカーは、燃費やヒーターの事を考えながら壊れない程度に高めの温度管理設定をしているように思えます。後で調べてわかったことですが水温を有る程度高めにする事で燃焼室温度も高目を維持すると、より薄い燃料でアイドリングさせる事ができ、排ガスがクリーンになるとの事です。そういや排ガス規制前のエンジンのサーモは、もっと低めで開いていた。と、どこかで聞いた覚えが・・・

スポーツ走行をする場合、常にピークパワーが欲しいわけで、このような制御方法だと美味しい水温はあっという間に通り過ぎてしまいますし下手をすると走行前からアイドリング状態で100度近くになってしまいます。これではいきなりパワーダウンした状態からのスタートになってしまいますね。美味しい水温を長い時間キープするにはどうしたら良いか? それは、エンジンに負担にならない程度で出来るだけ低水温つまり美味しい温度より少し低めで走り出し、美味しい温度を通過するように設定すれば良いのです。

とりあえず思いつくのはローテンプサーモ詳しい説明はリンク先に書いてありますが、これは割り切った使い方をしなくてはないません。私も長い間使用していましたが燃費が悪い、ヒーター効かない、オーバークールはボディブローのようにエンジンに負担をかけるという理由でノーマルサーモ(NA6用)に戻しました。街のりでリッター8km台しか走らなかった燃費が楽に10kmを越えるようになりました。その後サーキット現地でローテンプサーモに交換したりサーモレスにして見たりもしましたが労力を考えるとオススメできません。サーキットまで積車で行くのならローテンプサーモやサーモレスでも良いと思いますが、ほとんど街乗りしない私でさえローテンプサーモのデメリットを感じています。それなりに街乗りするならなおさらでしょう。ノーマルより低くローテンプサーモより高い開弁温度のサーモが欲しい・・・。

ここで、サーモスタットのデータを比較

NA6  82度開弁  全開は恐らく90〜95度
NA8  85度開弁  全開100度
ローテンプサーモ  
65度開弁、68度開弁、71度開弁等。 全開温度は不明だが開弁温度+10〜15度が標準


私が調べた限りではこんなところか・・・
他車種のサーモが流用できないだろうか・・・??? 部品屋に聞いてみたが解らなかった。やはり自分で地道に調べるしかないのか?

それは偶然だった。今年の冬、シビックの暖気が妙に遅く感じる時期がありサーモを疑った。よく解らないので、とりあえず交換。新品と別々にだが鍋にお湯を沸かし動作を確認した。温度は測定していないが同じような煮え具合の時に同じように動作した。とり合えず問題無かったようである。ふと品番を見ると外径が52mmで開弁温度が78度じゃないか! ロドスタにも付くんじゃないか?仕舞ってあったローテンプサーモと形状を比較。どうやらシビックのサーモのお尻?の方に良く解らないバルブのような物が付いている(すみません画像無しです)。どうせもう使わないし・・・と言う事でサンダーでカット。カット面はメタルコンパウンドで鏡面仕上げ(笑)。そして鍋で動作確認。問題なし。

で、昨日付けました。結果は、平均で3〜5度低い数値を示した。狙い通り成功です。
サーモを開弁温度の低い物に交換したいが市販のローテンプは低すぎると思いのあなた。オススメです。この程度ならヒーターの効きや燃費などに普通ならそれほど影響を及ぼさないと思われます。ただ、走り出す前の水温制御が大きな目的の一つなので強制ファンスイッチなどでコントロールしないと充分な効果は得られません。それと、すでにファンを積極的に制御している方はロドスタのコンピューターは82度以下になると補正が入るそうなので街乗りではファンを入れっぱなしにすると燃費の悪化に繋がる(私はそうでした)かもしれませんので巧くコントロールしてやった方が良いと思います。市販のローテンプサーモを使う場合も同様ですね。

色々と無駄に長分を書きましたが結局は「こんな流用法が有るから良かったら試してね」って事です。
ちなみにサーモのメーカーと品番 HKT製 ZB52BC−78 もしも、シビックの型式や車台番号等が必要な場合はメールください。値段は純正相当品なので3000円以下だったと思います。品番の意味が解読できれば変なバルブが付いて無いものや76度開弁(多分76.5度)とか選べるかも知れません。メーカーに問い合わせてみようかな?

もしも他に流用技をご存知の方がいれば情報ください。

部品が入手困難とか加工に自信が無い方はメールくだされば定価+αで加工して送りますよん。身近な人なら+香味徳ラーメン(大)で取り付けまでします(笑) この場合は別途ガスケット代クーラント代が必要です。


(04,08,15追記)
冷却水の流れはサーモスタットの抵抗も含めて設計してあるはずです。サーモレスにして結果的に水温(全開連続走行時)が下がったとしても本当にエンジン本体が冷やされているか解りません。全体の流れが良くなりすぎるとエンジン本体の細かい水路に行き届きにくくなり結果的に冷やされていない可能性があるわけです。サーモレスにするならバルブだけを抜いた物を付けるなりの工夫をした方が無難だと思われます(私はそうしました)。なので、サーキットオンリーだからと言って単純に外すだけのサーモレスにするのもどうかな?と思います。
完全に外してしまっても全く影響なく水温を下げれるのなら良いのですが、私にはそれを確認する術がありません。








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